性格か?病気か?悩んだとき
「これは性格でしょうか? 病気でしょうか?」
今 困っていることが、病気なのか、性格なのか、質問してくる人が時々いる。
個人的には、どちらでもいいと思うものの、それではあまりにもいい加減な回答なので、少し真面目に答えてみる。
なぜこの質問自体が出てくるのか?
性格と病気にどんなイメージの違いがあるのか?
と言う視点から考えてみる。
性格と考えるとき
<良いイメージ>
生まれつきのもので異常ではない。
治すというより上手く付き合う。
<悪いイメージ>
治らない。
本人の問題で、本人が悪く、本人の責任。
病気と考えるとき
<良いイメージ>
生まれつきではない特別なもので治る。
本人は悪くなく、本人の責任ではない。
<悪いイメージ>
異常。
これらは、多くの人の抱くイメージであって、事実とは限らないし、もちろん違うイメージを抱く人もいる。
性格か?病気か?
色々なことを心配しすぎて、どんどんと不安になる人。
気持ちが不安定で攻撃的になってしまい、他の人と上手くいかない人。
性格か? 病気か? はっきり言えば判断できない。
ずっと昔からなら性格、最近からなら病気、と考えるものの極めてあいまいである。
脳出血などの病気のために怒りっぽくなるなどの性格変化が起きることもある。
また、今までも性格的な傾向としてあったものの上手く対処していた人が、挫折や失敗から、自信を無くしたり、今までよりどころにしていたプライドが傷ついて、頑張れなくなったり余裕が無くなって視野が狭くなったりすることはよくあるので、区別をするのは難しい。
個人的にはこう考えている
・性格であろうと病気であろうと、今なってしまっていることは事実。
・本人も家族も周囲の人も悪くない。
・解決したり克服するために、今までもそしてこれからも 努力を続けることは必要。
・そう思っていればいつかは治る(克服できる)。
結局 性格でも病気でもどちらでもいい。
重要なのは、あなたが治そうと思うか、思わないかである。
性格だからと、治すことを放棄する。
病気だからと、自分で治そうとしないで病院に治してもらうことを期待する。
そう思っている限り治らない。
性格だろうが、病気だろうか、何とか治す、克服する。
そう思い、努力しない限りは治らない。
そして治したい、治りたい、と思っている限り必ずいつかは治る。
少なくとも私はそう思って患者に接している。