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若い人の特徴と指導方法

「言わないと何もしない」
「一つ一つ指示しないとできない」
「分からないことを調べようとしないで聞く」
「聞かないくせに教えてくれないと文句をいう」
「感謝や礼儀がない」
「仕事熱心でなく、遊びや休みを優先する」
「注意したらすぐに機嫌を損ねる」

職場の管理職をしている人から、「最近の若い人は何考えているか分からない」というため息の後に聞かされることが多い言葉である。

どうしたらいいか

相手が一方的に間違っているとは考えない。

若い人たちは自分たちとは教育やしつけのされかたが全く異なっている。

昔は、
・教師は一方的に話をして、見て自分で考えて覚えていく
・なぜそうなるか、なぜこうするかの説明もなく、ただ他の人のやり方のまねをすることで身に付ける
・うまくできなければ強く叱られ時に叩かれる
・社会人になったら、上の人に従って、上の人にある程度気に入られると出世していく
そういうなかで育っている。

一方 若い人は
・一つ一つやり方をきめ細かく説明を受ける
・マニュアルがあり流れが一目でわかり細かいところまで説明が書いてある
・いろいろなことの、意味や目的が明確にされている
・分からないときにすぐ、「教えてくれ」というと、積極的と高く評価される
・聞かないでも、向こうから話しかけてきて、教えてくれる
・わからないことはネットで調べると大体の答えがすぐにでる
・叱られることはほとんど無く、褒められることに慣れている
・教師を評価することは当たり前で、教師も評価を意識した指導をする
・社会人になって、一生懸命働いても、出世は望み難く、冴えないと感じる上司より評価も給料も低い状態で、真面目に働くのがばかばかしく感じる

全く住む環境や、教育の受け方が異なっている以上、感覚や考え方や常識が自分たちと異なっているのは当然である。

若い人が、甘い、子ども、非常識なのではなく、自分たちとは感覚や常識のズレがあることを自覚し、その上でどう対応したらいいかを考えることが必要になっている。

もちろん若い人も、上司に当たる人たちが今まで自分に接してきていた教師や先輩や指導者とはどうやら違うタイプだと気がつく必要もある。

色々な人を管理することが管理職の仕事

「見たらわかるだろう!」「しっかりしろ!」など命令と叱咤激励でしっかりと動く人たち以外に、そのやり方では上手くいかない人たちがいることに気がつき、相手を否定せず認め、どうすればその人たちが職場において戦力になるかを考え工夫するのが管理職の仕事である。

彼らが常識外れでダメな人たちなのではなく、教育や指導や育った環境が自分たちとは異なっている、人に会わせた指導をしていくことが必要になっている。

それを怠り、ただ「常識がない」「子ども」「甘い」と非難するだけで、自分たちのやり方を押し付けつづけるのは、自分たちの価値観や常識と一致する人にしか対応できず最近の常識をもつ人には対応できないというで、”管理職としての能力がない”と言われても仕方ない。

もちろん、大学のサークル感覚で気が向いたときは積極的に来るものの、行きたくないときにはLINEやメールだけで休んでしまい、全く悪びた感じもないというような働くということの意味すら理解していない人は存在する。

なぜその行動がいけないのか、どうしたらいいかなどをきっちりと説明し、それでも従わない人には仕事を早々と辞めてもらうのがいい。

嫌な仕事・役割だけれど「あなたをこの会社では雇い続けることができない」と伝えることも、管理職の仕事の一つである

若い人への指導

一番大事なのはその人がどんな人なのか、どんな指導や対応が最も効果的なのかを検討することが必要である。

少なくとも今までの常識や叱咤激励などの指導方法が、その人には通じるかを確認することである。

若い人でも体育会系のサークルなどにいた人は、体育会系的な人間関係 ー命令と服従ー に慣れているので、昔の常識や叱咤激励が効果的なことが多い。

通用しなそうなときにその人の常識や教育のされかたにあわせていく必要がある。

1.質問してきたとき

「こんなことも分からないのか」「自分で調べろ(考えろ)」「自分は担当じゃないから知らん」とは答えない。

・丁寧にやり方を説明する

・できるだけ文字やフローチャートなど図にして説明する

極力マニュアルを作成しておく。

若い人は目の前にいる人の言葉よりパソコンやスマホ上の文字を、誰が作成したか分からないにも関わらず信用する。

・説明の資料を準備するかメモを取る時間を作る

板書されたことを丸写ししたり、配られた資料に線を引いたりマークすることに慣れており、話を聞きながらメモを取ることに慣れていない。

慣れていないだけでなくできない人も多い。

メモを取る時間を取り、メモすることを促さないとメモを取らないことが多い。

場合によってはメモする内容を伝える必要がある。

・自分に分からないときには、分かる人を確認してつないでいく

「分かる人に聞け」とだけで終わらせない。

・次 分からないときにどうしたらいいか伝える

確認するべきマニュアル、過去の資料を見て同じようにしてみる、それでも分からなければ聞くなど。

 伝えておかないと毎回同じように聞いて来て自分の時間を割かれることになる。

良くやってしまう失敗は「分からないことがあったら、いつでも聞いて」と伝えておいたのに、あまりにも安易に聞いてくるように見えるため「そんなこと自分で調べろ!」と答えてしまい、相手から見て「言っていることがめちゃくちゃなやつ」となってしまう。

また頻繁に異動がある職場で業務マニュアルがなく、前にやっていた人に聞いたり、自分で調べたりしないといけないという体制は、極めて非効率であり、時間の無駄であり、改善する必要がある。

2.指示したことしかしない

今まで「ああしろ、こうしろ」と自分で考えるより先に指示され、指示されたことをしていたら評価され、指示されたこと以外をすると「余計なことをするな」と怒られる。

そういう環境で育ってきた人からすると今の状態は当然の結果である。

指示したことしかしないというのは逆に言えば、「この人は自分に指示をする人だ」ということを納得さえしてくれれば、指示したことはしっかりと実行するということである。

具体的には
・すること・処理することを、細かく文字で指示をしていく
・指示に従って当然ではなく、ありがとうと伝える

会社に雇われているけれどちょっとでも納得いかなければ、上司に従う必要はないと思っていることが多い。

そんなに細かく指導する時間がない場合

・本人にすることと期限日のリストを作らせる

 ・その後 本人に優先順位を決めさせる

 ・定期的に進行状況を報告させる

 など 指示を工夫をする。

この場合報告すべき日を明確にしておかないと、全部終わってから報告すればいいと思ったりする。

もちろん最終的には全部自分でできるようにゆっくりと指導していく。

3.注意されると ふてくされる、ひねくれる

まともに叱られたことがなく、ほめられて育ってきた人であることを忘れない。

 厳しく注意したりしかるとびっくりしてショックを受けて、ときに反発する。

・充分な信頼関係ができるまではしからない

・どういう意図でやったのかを確認し、気持ちをある程度認める

・なぜ問題なのか、どうしたらよかったのかを丁寧に説明する

・後日気にかけて声をかけたり、上手く対処したらほめる

少なくともただしかりつけるのは、指示にも従わず、仕事の能率も下がり、反感をかって影で悪口を言われるだけであり、相手を会社を辞めさせたいとき以外は全くの無駄であることを管理職である以上自覚した方がいい。

4.仕事熱心ではなくプライベートを重視

頑張っても出世も給料の大幅なアップも期待できず、目の前の上司が理想的とは感じられない状態では仕事をプライベートより重視しろと要求することが無理である。

・給料をもらっている分は仕事してくれたらいいと割りきる

・働いて当然、ではなく ありがとうと伝える

などが必要である。

もう1つの方法は、自分のカリスマ性を高め、「この人のためにがんばろう!」「仲間で一気にやっていこう!」という雰囲気に持っていくという手はある。

ただこれは完全に上司の性格と上司と本人の相性によるので、この長文を最後まで真面目に読むような人には難しい。

管理職になってしまった以上いろいろな人を管理することが大事な仕事の1つである。

大変ながら、色々と工夫したり試行錯誤しながら、上手くいく方法を見つけていく必要がある。

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