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自分の倫理観に反するとき

治療を終了にした印象深い人たちがいる。

Aさん 

看護師として勤務する病院から無断で注射器を持ち帰り、自分の血を抜く自傷行為がやめれない。

何度やめるよう、少なくとも勤務する病院から持ち帰るのはやめるよう伝えても、やめることができなかった。


Bさん

結婚し子供がいるものの、毎日のように飲み歩き浮気もしていた。ある時”うつ”となり、妻に連れられて受診し治療を開始するも、自分が好きな薬だけ飲み、仕事には行かず夜は飲み歩き浮気も続けた。その間妻は仕事を見つけ家事も行い支え続けた。

あるとき妻の進行癌が見つかった。その後も本人の行動に変化はなかった。


2人とも再三にわたり注意・警告をしても変化がなく治療を終わりにした。良くなって治療を終了にしたのではなく、「もう治療できません」と終了にした。


自分の倫理観

Aさん 看護師という自分の職業に与えられた特権の悪用

Bさん 自分を支え続けてくれた家族が病気になっても行動を全く変えない身勝手さ

ともに私の倫理観として2人の行動を許すことができなかった。厳密には医師の応招義務に反するかもしれない。

医師の応招義務(医師法19条)
診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない

しかし自分の倫理観をゆがめてまで治療する気はない。「あなたのやっていることが人として許せないから、今後 治療はできない」と説明して、病院を変わってもらった。

治療終了にしたものの、「落ち着いて過ごしていてくれているだろうか」「立ち直ってくれただろうか」と、いつまでたっても気になってしまう。


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