
やって当たり前と思う前に
妻と夫における家事分担は難しい問題である。
妻の「家事を手伝ってくれない」「手伝うという発想自体気に入らない」という意見、夫の「何を手伝ったらいいかわからない」「手伝ってるつもりなのに」という意見などがぶつかることが多い。
家事を手伝ってもらうテクニック
夫に家事を手伝ってもらうためのテクニックは良く紹介される。
夫に家事をしてもらう方法 主婦JOB
家事シェアなんて夢のまた夢! レタスクラブ など。
一部紹介する(一部改変)。
1.「さ行ほめことば」を連発する
さ:さすが! サイコー
し:仕事が早い!
す:すごい! ステキ
せ:センスあるね~!
そ:そうなんだ~
2.大げさすぎるリアクションで感謝や喜びを伝える
3.「できない女」を演じる
「自分でやった方が早い」という気持ちが、夫が家事をしなくてもいいと思わせてしまう。できないふり、わからないふりをしてお願いをする。
4.夫が得意なことを中心に手伝ってもらう
5.夫への「NGワード」に気を付ける
「これもついでにお願い」「そのままにしておいて」「やればできるのね」「これはこうして、次はこうして」「○○さんの旦那はよくやってくれるんだって」など。
テクニックへの批判
これらのテクニックは個人的には素晴らしいと思うものの、SNSなどでは批判されることが多い。
批判する人の基本的な主張は、
夫が家のことをするのは当たり前であって、すごいことではない。
そんなことしてやってもらうなら、自分でやった方がまし。
というものが多かった。
間違っている、正しい というつもりはない。
男性と女性で家事の分担は議論の多いところである。
働いている状況と仕事の拘束時間と収入、子どもの有無、協力してくれる親の有無、などによってもまた変わってくる。
多くの人が陥りやすく、そして一度陥るとなかなか逃れることができない、思考パターンがある。
「(相手が)やって当たり前」と思ってしまう
女性が家事をするのが当たり前と思うのも、男性も家事をするのは当たり前と思うのも、同じレベルの思考パターンである。
この思考パターンから生み出されるのは相手への一方的な要求と満たされないときの不満だけである。
更に要求された相手も不愉快に思うことが多い。
どんなことでも「やってくれてありがとう」という気持ちを持つことが、結果的に自分も相手も気持ちよくなる。
これは家事だけではなく人間関係において多くのことで当てはまることである。
ただし女性が家事をやって当たり前と思っている男性が極めて多いという現状では、「男性も家事はやって当たり前」とみんなが声を大きくして言っていかないといけないという面はある。
「自分がやった方がまし」と思ってしまう
これは女性が男性に対して感じることが多いようである。
相手のやることが非常にいい加減に感じ、見ていると腹が立ち、全然うまくできていないため後でやり直しをしてしまう。
男性が皿洗いをすると、汚れが落ちていないと感じてもう一度洗いなおしをしてしまう女性がいる。
これを一度でもすると相手は間違いなく「二度とやらない!」となる。
これは家事に限らず職場でも良く起きることである。
ある程度まじめで優秀な人の中に「自分がやった方がまし」「自分がやった方が早い」と他の人に仕事を回せない人がいる。
そういった人は中間管理職になった段階で、処理する仕事量が増え、多くの仕事を抱えて、身動きできなくなり、最悪つぶれてしまう。
「自分がやった方がまし」なのは多くの場合は事実である。
しかし今までやったことのないことを始めから上手にしっかりとできる人はいない。
好きになって今後 何十年と一緒に生きたいと思って結婚した人が、少しずつ上手に家事ができるようになることを目指して色々な工夫をするのがそんなに嫌なのだろうか? と個人的には不思議でならない。
人間関係で上手く行かないとき
(相手が)やって当たり前と思っていないか?
自分がやった方がましと思っていないか?
そう自分をチェックする癖をつければもう少し器用に生きて行けるようになる。