汗

最近、汗をかくことが多くなった。
汗は勤労の証である。キンキンと冷えたエアコンに打たれて仕事をするのもいいがダラダラと汗をかき、身体の不純物を無くす。流した汗が、誰かの笑顔につながっていると考えたら安いものだ。

夏が近づいてきたから、暑いからといった理由ではない。なんだか身体の代謝が最近良くなってきたのだ。昼休憩の時は汗でべったり。冷えて寒くなる現象が起きているからどうしたもんか悩んでいる。辛いカレー、熱いラーメン、中華料理を食べるときも汗がおでこに滲み出る。代謝が良いのは悪いことではないが、今までそんな経験をしていなかったので今後どうすれば良いか悩んでいる。

なぜ代謝が良くなったのだろうと考えた時に、思ったことがある。父親が色々なところで汗をかいていたことを思い出した。

父親はラーメンが好きだったのでよく昼に食べに行った。私の地元はラーメン店が多くあり、人気のある店は残り、客の足が遠のいている店は閉店する。元ラーメン店の空いた店舗にはまた新しいラーメン店が、というようなサイクルができるほどラーメン激戦区だった。さすがラーメン好きといったところか、地元のグルメ誌やラジオ、食べログで調べてはよく行っていた。知らない間に行っていたからいつ行ったのかはわからないが。
熱気のこもった室内と湿りがマッチして汗を大量にかいていたあの姿は忘れられない。いつもタオル片手にうまいうまいといいながら食べていた。

家で食べるラーメンは汗の量はさらにすごかった。辛いもの好きだったから多くの激辛ラーメンを食べては辛い辛いといってビール片手に完食していた。

今思い出すと私は父親にだんだん近づいてきたのである。確かに父親は面倒臭いところがあるが、私たちのために働いて私たちを成長させてくれた。父親には感謝して毎日を生きなければならない。

今日も気温が高いそうだ。汗は出るだろうか。