「来月、いい感じのイベントできない?」ディレクター就任は突然やってくる|STAND式 社内イベント運営マニュアル
こんにちは!STAND採用担当のまいまいです!
気付けば2023年も残り僅かとなりましたね。
年末年始にかけて忘年会・新年会など、全社集会やイベントが盛りだくさん!無事に新年会がひと段落して一息つけると思いきや、今度は歓送迎会も待ち受けています…。
「来月、何かいいイベントできない?」と急に幹事や全社イベントの企画を任されてしまった!とお悩みの方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?
ほんとに困りますよね。。。
そこで!
私は普段から採用活動を行う傍らで、全社員が集う全社会や社内交流イベントのディレクター(企画→進行管理→当日の司会)を担当しています。
全社会は忘年会や新年会、歓送迎会よりもメッセージ性やビジネス色の強いイベントではありますが、これまでに私が得た知識やノウハウが少しでもお役に立つのでは無いかと思い、noteを執筆してみました。
少しでも悩まれている幹事・イベントディレクターの方の参考になれば嬉しいです!
※書いてみたら結構長くなってしまい、読むのに15分程度かかります…汗
◆STANDの簡単なご説明
弊社はゲーム業界をメインクライアントとした人材派遣/SESの会社です。
2023年9月現在で、パートナー企業様含め約280名のクリエイターの方々とゲームプロジェクトをお繋ぎしています。
現在はありがたい事に、私が入社した2021年12月からSTANDクリエイター(通称:スタクリ)が34名入社してくれており、社員の半数以上をこのスタクリが占めている状況です。
※クリエイター以外の、営業やキャリアアドバイザー、経理、人事等を弊社では総称して「内勤」と呼んでいます。
その結果、約8割の社員がそれぞれの出向先で、それぞれのスケジュールで業務をしていることになります。
そのため、イベントを実施するとなった場合、なかなか予定が合わせづらかったり、出向先にも調整をお願いしなければならなかったり…と、一般的な企業に比べると社員全員のスケジュールを数時間でも抑えることが難しいため、一度のイベントの実施/調整難易度が高めです...
◆協力してくれる仲間づくり
「突然部長から幹事(イベントの企画)を任されて引き受けてしまったけど、一体何から始めたらいいの…?「
まずお伝えしたいのは
「1人で全て計画から実行まで持っていくのは絶対に無理!」
ということです!
「人という字は人と人が支えあっている」と某有名ドラマの教師が言っていましたが、まさにその通り。社内のイベントを計画する際に1番大事になってくるのが、協力してくれる仲間づくりです。
ここで私は「上司を味方につける作戦」を実行しました!
①上司への相談ミーティング設定をする
弊社は基本的にリモート勤務で、文字ベースでのやりとりが多いので、オンラインミーティングで状況を説明する時間を頂きました。
「辻さん、すみません!15分で良いので全社会についてちょっと相談させてもらえませんか?」
ここで上司に相談する際のワンポイントアドバイス。
・必ず自分としての意見(意志)を持つこと!
└私はこうしたら良いと思う といったようなもの。
・必ずアジェンダを作って臨むこと!
└アジェンダなしだと論点がズレます(全てのミーティングに言えることですが...)
・必ずその日のミーティングで決めたい事をアジェンダに書いておくこと!
あくまでもディレクターはあなたであり、上司ではありません。
初めての事で不安だし、どう進めて良いかも、どんな内容にしたらいいのか右も左もわからない状況だと思いますが、まずは自分がどう考えているのか、どんな会にしたいのか、何に悩んでいるのかを伝える姿勢が大事です。
ちなみにNG例は、
・部長に「幹事やって」と言われたんですけど、どうしたら良いですか?
・社内イベントって何をすればいいんですか?
と、脳死&手ブラで相談する事です。
ご参考までに、私はミーティング時にこんな感じでアジェンダを作成しています!
②上司から他のマネージャーに協力を依頼してもらう
今回題材にしている全社会は「会社の行事」なので、各部署のマネージャーの協力が必要不可欠です。
でもただでさえ日常業務に追われているマネージャーに協力依頼をするのはなかなか気が引けますよね…私もそうでした…。そんな時に頼れるのが事前に情報共有をしていた上司です!
実際に私は以下のような感じで、何とか上司の辻さんからマネージャーに根回ししてもらえないかお願いしました。
この後、私から田中さん/佐々木さんへ
「先ほど辻さんからお話があったかと思うのですが、全社会を実施するにあたりミーティングを行いたいので、ご参加お願いします!」
とチャットし、すぐにOKをいただけました!
この後実際に、協力してもらいたいマネージャーを集めたミーティングの時間を設けてもらい、そこで私から具体的に何に協力して欲しいかなどを提案し、そのまま運営チームにも入ってもらう事ができました!
◆まずは「イベントを行う目的」と「湯上がり感」を決める
次は肝心のイベントの計画を立てていきますが、その前に必ず「イベントを行う目的」と「湯上がり感」を決めます。
STANDは事業の特性上、
・[目的] 何のためにイベントを実施するか。
・[湯上がり感] イベントに参加した結果、どう感じてもらいたいのか。
を最初に設定しておかないと、その後の進行がブレてしまったり、本番に一体感やまとまりが無くなってしまいます。
STANDは以下の目的のもと、全社会の実施をしています。
・会社の状況や事業の状況を伝える
STANDの約8割の社員が別々のクライアントに出向しており、会社の状況が分かりづらいので、できるだけ会社の現状や今後の方針について定期的に全体に向けて発信し、それらを共通認識とする必要があると思っています。
・スタクリの仲間づくり(スタクリ同士の交流)
普段クライアントで働いているため、スタクリ同士のコミュニケーションは多くはありません。そのため、
「社員、スタクリ同士で意見交換やノウハウの共有をしたい」
「っていうか、普通におしゃべりしたい」
という要望も多くあるため、会社としてその交流の機会を可能な限り提供したいと考えています。
・スタクリと内勤の交流
キャリアアドバイザー以外は普段チャットでのやりとりがメインになっており、ニュアンスがうまく伝わらなかったり、信頼関係の構築が難しくなってしまいがちです。
そこで全社会を始めとした交流会を行い、直接顔を合わせてコミュニケーションをとることで、お互いに相談やお願いごとが言いやすくなりますし、そういったところから新しいアイディアや企画が生まれることもあります!
◆当日までの予定を決める
・ミーティングを複数回行い、イベント運営側の目線を合わせる
会の軸となる運営チームの目線を合わせる為に、こまめにミーティングの時間を設けています。このミーティングでも必ず事前にアジェンダを用意しておきましょう。また、ミーティングの予定は先に押さえておきましょう。(社長やマネージャーの予定はガンガン埋まっていくため、先に押さえておくことが重要です!)
①キックオフミーティング(開催予定日から約2ヶ月前)
ここでは軸となる会の「目的」の目線合わせと、その目的を達成するための「内容」と開催日までの「計画」を決めます。もし複数同じイベントをしている場合は、前回のアンケート結果や振り返りも含めて共有しています。
②内容/計画すりあわせのミーティング
①でざっくりと決まった「内容」「計画」を具体的にブレイクダウンし、誰が何を進めるのか担当を決めていきます。
このミーティングはほぼ週次で行い、担当ごとにタスクの進捗報告や、その他共有事項など、計画を進めていく中ですり合わせが必要な内容を話し合います。このミーティングについては、必要に応じて15分や30分程度でも良いので当日までに複数回実施する事をお勧めします。
③リハーサル
詳細は後述しますが、本番を想定し発表者に感覚を掴んでもらうため実施します。
※「リハーサルしましょう!」というと「別にいいよ、大丈夫だよ、忙しいし」と、最初言われますが、結局「リハーサルをしておいてよかった汗」となりますので、私は勇気を持って強行実施しています。(なんなら2回やっています)
④反省会(イベント終了から1週間以内)
反省会はイベントが終了した後に行うミーティングですが、次回開催に向けて改善点などをすり合わせる時間を必ず作るようにしています。イベント終了後に回収したアンケート結果の共有もこのミーティングで共有しています。
◆会場探しなど、イベントの中身(コンテンツ)決め
上記「②内容/計画のすりあわせ」のミーティングをさらにブレイクダウンすると以下のようになります。
いくつかポイントがあるので、以下のイベントを事例に話を進めます。
①会全体の内容決め
一番最初に決めた「目的」に沿った内容を決めていきます。
STANDを例に出すと、第4回目の全社会の2ヶ月前に社内体制が大きく変わった(社長が交代した...!)こともあり、「改めて社員全員が一丸となって団結できる会」を目指して2部制にしました。
第1部:代表から今後の方針説明
第2部:飲食を交えた交流会
特に第2部での交流会では、みんなの話のきっかけになるよう、全員でワイワイ楽しめるビンゴ大会を実施しました。
ちなみにビンゴ大会の景品は、事前に社員全員にアンケートを取って決定しました!(アンケートを取ることで、社員も全社会を楽しみにして積極的に参加してくれるのでは、という狙いもありました笑)
②当日までのタスクを細かく割り振る
イベント当日までにやるべきタスクは意外と多い…!
効率的に準備を進める為に早い段階でタスクを洗い出し、それぞれの期限を決めておきましょう。
STANDではガントチャートを作成して細かく管理しています。
ガントチャートにして運営間で共有しておくことによって、進捗情報の確認はもちろんのこと、滞っているタスクは担当でなくても手の空いている人が代わりに片付けてくれたり、助け合いながら進めることが出来るのでオススメです。
③会場は1ヶ所に絞らず複数の候補を用意する
会場は出来るだけ多く、最低でも3カ所ほど候補を考えておくと安心です。
実際に足を運ぶと意外と会場が狭かったり、トイレや喫煙所が遠かったり、荷物を置けるスペースを確保することができなかったり…。
ネットで調べるだけでは得ることのできない情報が沢山あります。
事前に下見に行き、お店のスタッフさんとも話をすることで会場の雰囲気だけでは無く、そのお店が当日機転を利かせてくれそうか、ちょっとした要望に応えてもらえるか…なども確認することができます。
④イベント当日のタイムスケジュールと(食事の)卓分け
会場が決まったら当日のタイムスケジュールを組んでいきます。
スプレッドシートなどに香盤表としてまとめておくと分かりやすいです!
会場の完全撤収時間は厳守なので、必ず時間内におさまるように少し余裕をもったスケジュールを計画しておく事をオススメします。
また、交流会だけでなく会社の事業方針などの発表を行う場合は、必ず当日現場でのリハーサル時間も予定に組み込んでおきましょう。
交流会を着席スタイルで行う場合には事前に卓分けも必要です。
イベントの目的に沿って部署をバラバラにしてみたり、入社年数で振り分けてみたり…意外と卓分けも目的を達成するためには重要な役割のひとつだと考えています。
STANDではゲームクリエイター同士の交流を深める事を目的としているので、プランナーやデザイナー、エンジニアなど職種ごとに名札を色分けして、話しやすい仕組み作りにも心がけています。
⑤スライドにもとことんこだわる!
イベントの中で発表パートがある場合は、スライドを用意する方も多いと思います。
スライドの見やすさは勿論のこと、発表についてもとことん「伝わりやすさ・分かりやすさ」を重視して作るようにしています。
フォーマット、カラー、フォントの統一
STANDではスライドを作成する際に、フォーマット・カラー・フォントを全て指定し、作成者全員がテイストに沿った統一感のあるスライドを作れるようにしています。最終的に採用チームのいわきさんがレイアウトを整え、見やすい・伝わりやすい、統一感のあるスライドに仕上がっています。
時間割の発表時間に対してページ数やページ内の情報量は適切か
スライド作りに慣れていないと、「アレもコレも伝えたい…」とページ数や文字数が増えてしまいがちです。そこで振り返ってほしいのが”発表時間”です。
例えば5分の持ち時間でスライドが10ページあった場合、1ページあたり30秒で話せるんだっけ…?30秒で話した場合、伝えたいことは伝わるのか…?そんなところまで意識する必要があります。
プレゼンはスライド1枚あたり2分以内が適切と言われているので、これを目安に適切なページ数に調整することが大切です。
最低2回はリハーサルを実施
発表者の中には多忙でなかなか時間が取れない人もいると思いますが、先程も少し触れた通り、リハーサルはとても重要です。なぜなら、担当者が考えてきた内容が会の「目的」から逸れていたり、ぶっつけ本番で発表すると何を話しているのか伝わらない・持ち時間内に発表が終わらない…ということもあるためです。
限られた持ち時間の中で、社員全員に内容が伝わらなければ意味がないので、STANDでは必ず最低2回はリハーサルを行うようにしています。
リハーサルを通して言い回しを変えた方がいい部分や、スライドが見づらい部分、話の時間配分や喋るペースなども全て事前に修正することが出来るので、当日安心して迎えられるようになります。
◆イベント終了時に必ずアンケートで社員の声を聞く
イベントを実施して「楽しかった」だけで終わらせない為にも、必ずアンケートで社員の意見を回収するようにしています。STANDではGoogleフォームでアンケートを作成しています。
終了時のアンケートは必須!
普段は聞きづらい社員からの意見を吸い上げる絶好のチャンスです。
イベントの内容については、感想や次回開催に向けての要望、プラスして会社についての要望も聞きやすいかと思います。
後々記入してもらうのではなく、イベントの最後に5分程度時間を取って必ず参加者全員に回答してもらってから、解散するようにしています。
アンケートの項目については、短時間で回答が出来るようにする為、記述式ではなく、出来るだけ選択式の質問項目をメインにするようにしています。
◆イベントを実施した事で変化した事
全社会を実施したことによって、会社にどんな変化があったのか、before / afterをご紹介します。
【before】
スタクリが各出向先ごとに孤立している印象
STANDはあくまでも派遣元で、STANDの社員である自覚があまりない
内勤や他のスタクリとほとんど関わりがなく、チャット上で名前を見る程度
会社主催のイベント参加や協力して欲しい事がお願いしずらい空気感があった
【after】
顔を合わせて「同じ釜のメシを食う」ことにより、仲間意識が生まれて、相談事や雑談がしやすくなったし、されやすくなった。
会社のイベントに積極的に参加してくれる社員が増えた。
内勤同士も仲良くなった
スタクリ同士でも飲みに行くようになった
アンケートでは前向きな回答が多く、次回の開催に参考になるような意見や、会社運営への要望など、経営層としても参考になるものが多々ありました。
運営に対して労いの言葉もたくさん頂いて、とても嬉しかったです!
◆さいごに イベントディレクターをやって得た事
私個人としては初めての経験で、悩む事も多かったのですが、全社会のディレクターを担当した事で、より社員全員と話す機会が増えたり、目上の人にお願いする事も多かったので、今まで以上に信頼関係や、関係構築が出来る良いキッカケになりました。
ささいな相談や雑談なども個別でしてもらえる事が多くなって、会社の一員として存在を示す事もできたなと感じています。
イベント終了後には、
・本番に強いのは流石だね!(当日の司会もやったので!笑)
・まいまいが頑張ってるから協力したいと思ったよ!
・〇〇さんがまいまいのこと褒めてたよ〜!
と嬉しい言葉を頂く事もでき、モチベーションにもつながりました。
冒頭でもお話しした通り、全くの異業種から未経験で入社してもうすぐ2年になるのですが、そんな私が会社全体の会議や社内イベントを企画&ディレクションする立場になり、自分なりに成長を感じています。
そしてこの経験を経て「良い意味で上司を上手く使う事」「意志を持って物事を進めること」も社会人として必要不可欠なスキルだと身をもって実感しました。
また、実際に社員からの意見を吸い上げて、「PM座談会」の実施や、ゲームをしながら社内交流を深める「すたんど酒場」という企画も生まれました!
この勢いで、社員の意見を取り入れたイベントや、来年は他社様を交えた人事交流会なども出来たらと思っています。
今後もイベントを通して、社内にも社外にもSTANDの魅力を発信できる一員でありたいです。
長くなりましたが、この記事を読んで少しでもイベントの幹事を任されたあなたの背中を押す事ができていたら嬉しいです!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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