【マスク着用で新規感染者ゼロ】旧東ドイツ・イエナのコロナ対策とは?
ヨーロッパで新型コロナウイルス感染が拡大されてから様々な対策措置が取られてきた。1.5mのソーシャル・ディスタンス、外出規制、マスク着用など。
ドイツの現在の感染者・回復者・死者数
現在のドイツのコロナウイルス感染者数は、147,103人、回復した人は、95,200人、死亡者は4,862人である。
2020年4月21日14時の時点(ドイツ現地時間)
マスク着用はコロナ感染拡大を防ぐのか!?
他のヨーロッパの国に比べて感染者の死者数が少ないことが取り上げられているが、中でも2週間前にマスク着用義務を決めた旧東ドイツに位置するテューリンゲン州の街、イエナの取り組みに関心が集まる。なんと、過去11日間で新規コロナ感染者が出ていないようだ。
4月21日時点で、ザクセン州、メクレンブルク=フォアポンメルン州、バイエルン州でも義務化が決まっており、来週月曜日からは首都ベルリンでも公共の交通機関の中ではマスク着用義務が施行される。
ntvにイエナ市市長であるトーマス・ニーチェ氏(Oberbürgermeister Thomas Nitzsche)が同市の取り組みを語った。
(以下はイメージ画像、別メディアへのインタビューです)
その中でニーチェ氏は、同市が早い段階で他国の高リスク地域の状況を観察し、オーストリアからの帰国者約80名を隔離させたこと、(そのうちの13名はコロナウイルス陽性だった)ウイルス拡大を防ぐためにマスク着用はソーシャルディスタンス、衛生ルールとつながっていることなどを話した。また、マスク着用義務に至るまでの経過として、病院などの医療施設に優先されるため、11万人の市民全員に国からマスクが用意することはできないとわかっていたため、イエナ市民に自分でYoutubeのビデオを見ながらマスクを縫うことをお願いするキャンペーンを開始。
その中で再びマスクを使えるようにどのように洗うべきかも説明。マスク着用施行の1週間前に着用義務について発表したところ、批判もあったものの、90%の人が賛同。1週間という限られた時間を考慮して、複数のステップを踏んだ。
自分でマスクを縫う方法・動画
最初に、仕事の都合上1.5mの距離を取ることができないサービス業者に義務が課された。それから4月6日に着用義務が市民にも拡大された。ここでは、交通機関、スーパーマーケットが該当する。この段階では、テストの段階として見られていた。その間には企業でも距離を取れない、衛生条件を持っていない企業にも該当するようになった。さらには、市がマスクを着用しているかどうかコントロールしているが、これまでに罰金を課されたものは一人もいないとのこと。
何故イエナ市民がマスク着用義務をフォローしたかは、ニーチェ氏によればマスク着用義務は、全ての人を守ることであり、それは、嫌なものと思われていないことが大きい。また、活気のある自分たちで行動する市民社会があるからとのこと。
同氏によるとこれまでのコロナ対策への結果として、過去9日の間(4月17日時点)に、マスク着用義務との直接的な関わりがあるかどうかに関しては慎重ではあるが、一人も新規感染者は出ていないようだ。当初は高リスク地域からの帰国者と関係し、多くの感染者が確認されたが、これまで前向きな貢献ができているとのこと。
「私たちは政治的大転換(ベルリンの壁崩壊・東西統一)を乗り越えてきました。(イエナの)街が今の状態であり続けられるために、
今、市民には、不注意にならないことを呼びかけることしかできません。」
(ドイツの他の都市のキールとシュツットガルトでもイエナのモデルを行うべきかの質問へ)このインタビューの最後にニーチェ氏は、市民が協力でき、マスクを縫う準備ができている場合この対策を推奨するとした。国が全国民にマスクを配布することはできないためだ。マスク着用義務はあくまで十分にマスクがある場合のみ意味がある。
トーマス・ニーチェ(Thomas Nitzsche)
1975年テューリンゲン州生まれ
ドイツ自由民主党議員
2018年7月からイエナ市長を務める(Oberbürgermeister)
参考リンク:
イエナのマスク着用義務(2020/04/17発行)
https://www.n-tv.de/politik/Neun-Tage-keine-einzige-Neuinfektion-article21719701.html
イエナで過去11日に新規感染者が出ていない(2020/04/20発行)
https://www.sueddeutsche.de/gesundheit/gesundheit-erfurt-maskenpflicht-auch-in-erfurt-erste-massnahmen-gelockert-dpa.urn-newsml-dpa-com-20090101-200420-99-765676