
自転車屋さんの頑固なおじさん
先日、お薬をもらいに地元の診療所へ行ったのですが、空いてる時間帯のはずが、予想外に激混み。
(そういえば自転車の空気が抜けてるし、鍵が錆びて滑りにくくなってたな…)
ふと思い立ち、受付の方に声を掛けて、近くの自転車屋さんで見ていただきましたよ。
自転車屋さんのおじさんは、頑固で職人気質で、ちょっとコワイのですが、とてもいい仕事をして下さるので、不具合があるといつもお世話になっています。
ちょうどお昼時だったので、休憩中かな?と思いつつ作業場を覗いてみると、おじさんは他の自転車の修理中でした。
「ごめんください。あの、鍵が錆びついてしまって、かけにくくなってしまって…」
そう声を掛けると、おじさんは修理の手を止めて、鍵の具合を確かめ、油のようなスプレーを吹きかけてくれました。
「直ったよ」
「ありがとうございます!あと、空気を入れたいので、空気入れをお借りしてもいいですか?」
「そこにあるの、好きに使いな」
なんともぶっきらぼうな言い方ですが、いつもこんな感じなので、空気入れをお借りして、シャコシャコとタイヤに空気を入れましたよ。
「ありがとうございました。おいくらになりますか?」
するとおじさん、修理の手を休めず、こちらを振り返ることもなく、
「大した仕事してないから、お代は要らないよ」
「えっ?でも…」
「俺がいいって言うんだからいいんだよ!次は払ってもらうから」
おじさんなりのサービス精神なのだな、と感じられたので、ご厚意に甘え、
「分かりました。ありがとうございました。また何かあったらお世話になります!」
そうお礼を言って、自転車屋さんを後にしたのでした…。
きっと、リピーターにもそうでないお客さんにも、こんな調子なのでしょうね。
今後の売り上げに繋げようとか、お客さんを囲い込もうとか、そういった計算が全く感じられないので、ワタクシはおじさんが大好きなのですよ。
作業場には、いつも修理待ちの自転車が何台も置いてあるので、おじさんのファンはかなりいるのだな、と思います。
ファンの期待に必ず応える、ちょっとコワくて頑固な自転車屋さんのお話しでした。