プロに褒められた話
若かりし頃、繰り返し謎の腹痛にみまわれました。
ものすごい激痛で声も出せず、うずくまって脂汗をかくくらい痛むのですが、15〜20分ほど経つと嘘のようにおさまるという、まさに謎の腹痛でした。
某大学病院であちらこちらの科を受診し、いろいろな検査を受けたものの異常は見つからず、腸の検査を受けることになりました。
お尻の穴からカメラを入れて、モニターで腸内を目視する
という、乙女にとってはとても恥ずかしい検査だったわけですが。
恥ずかしさよりも
(ベッドや検査着を汚したらどうしよう…)
という不安の方が大きかったですね。
しかし。
カメラが入り、モニターを見ていた先生が発したセリフに、そんな心配も吹っ飛びましたよ。
「おおーッ、とてもキレイですねぇ。こんなキレイな腸は見たことがありませんよ!うーん、キレイだ…ほら、あなたも見てごらんなさい!」
褒められれば褒められるほどに、複雑な心境になっていった私。
まあ、検査で「キレイな腸ですね」と言われるのは、異常なしということなので喜ばしいのですが。
未だかつて「美人ですね」とは一度も言われたことがなく、当然「綺麗ですね」とも言われた試しがなかったのです。
そんな私にとって、腸の中を褒められるというのは、なんともビミョーだったのですよ。
(病院で何を期待してたんだ自分?)
と、今ならこうして冷静になれますが、乙女だった私にとっては、ちっとも喜ばしくなかったのでした。
そんな経験があるので、もし誰かが私の見えるところを「キレイだ!」と褒めてくれるのなら、全力で「ありがとう!」と言わせていただきたいです。
そしてこの経験を生かし、褒め上手な人になりたいですね。
これが私の、プロに褒められた唯一の経験でございます…。
ちなみに謎の腹痛の原因は卵巣腫瘍ということが後日判明し、ザクザクとお腹を切られました。
昨年の10月には三度目の開腹手術を受け、どんだけ生殖器官が弱いのだ自分?と思いますが。
その話は、また別の機会に記したいと思います。
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