#6 お調子者は止まらない
(調子に乗った大学時代の続き)
題名の通りですが、大学時代に人間として成長したと思われる私は、卒業してからも止まりませんでした。
相変わらず経済的には貧しくも、心は豊かに、ありのままの人生を生き続けます。
卒業しても就職せずに、東京の芸能事務所に入った私ですが、長野の親からしたら大阪に留まる理由は皆無だったのでしょう。
「就職先が無いのなら帰って来い」と言われ、断る理由も無く、卒業と同時に長野に戻ることになります。
それでも、私の親はとても寛大だったと思います。
奨学金を自由に食い潰していた私を4年間も私立大学に通わせてくれ、家賃以外に毎月仕送りもしてくれ、無事に卒業したかと思ったら、就職せずに芸能界を目指す私に対し、一度も反対することはありませんでした。
母には「就職しなきゃ四大出た意味がない。」と独り言のように言われたこともありましたが、それでも面と向かって反対する事はなく、芸能人養成所の入会費を払ってくれました。
確認はしていませんが、両親はこう思っていたのではないでしょうか?
「農家の長男として生まれたが、息子には将来を自分で選択する自由がある。」
「できるだけ、息子のやりたいようにさせてやり、将来を潰すようなことだけはしないでやろう。」
「決して裕福ではないけど、できる限り息子の可能性を広げてあげよう。」
「自分の道を自ら選択できる年齢になったら、
選んだ道を応援してあげよう。」
そんな愛を感じていました。
しかし私は、若く、自由であるが故に、それに甘んじ、好き勝手に生きていました。
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