世界の王室の歴史と世界最古の王家は日本の皇室という史実
王族とか貴族というと、自分には全く関係のないことだと興味を持たない人も多いのではないだろうか。
かくいう私もその1人であり、自分とは全く関係のない世界なので今までに特段興味を持ったことはなかった。
とはいえ、せっかくのテーマなので最低限のことは知っておいてもいいだろうということで、調べてみると案外面白いことがわかった。
ということで、世界の王室の歴史についてまとめてみた。
世界の王室事情
まず、世界約200ヶ国ある中で、1人の支配者が統治する国家形態である君主制を採用している国は28ヶ国ある。
王室があるということで、イメージをするのはヨーロッパの国々だろう。
実際にヨーロッパで王室を持つ国には、イギリス、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、オランダ、ベルギー、スペインなどがある。
小国でいうと、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン、モナコにも王室がある。
17~18世紀のフランスのように君主が絶対的な権力を握っているという時代もあったが、王室があるからといって絶対的な権力者が統治しているという時代ではないことは周知の事実だ。
イギリス、北欧、ベネルクス三国などでは議会が王権より優先され、王族が君臨すれども統治せずという、いわゆる立憲君主制が定着している。
では、世界の王室にはどれくらいの歴史があるのだろうか。
世界の王室の歴史
結論からいうと、世界最古の王家は日本の皇室である。
伝説上、天皇家の初代神武天皇の即位はBC(紀元前)660年とされている。
また、2022年現在、確認できる資料から6世紀以降は王朝が交代した証拠がない日本は、少なくとも1500年以上の長い歴史を有している。
かつては、エチオピア皇帝家はメネリク1世を始祖としてBC(紀元前)10世紀から3000年続く世界最古の皇室とされていた。
ところが、エチオピア帝国が1974年にハイレ・セラシエ1世廃位により消滅した。
この結果、日本の天皇家が世界最古の王家となり、ギネス世界記録でも認定されている。
ちなみに、世界で2位の王室を持つ国は、ヨーロッパで最も古い王室を持つデンマークである。
ゴーム王(936~958年)を初代として、現在まで54代の女王が在位しているので、その歴史は約1100年ということになる。
この結果から見てもわかるとおり、世界で最も長い歴史を持つ王室は日本で、しかも第2位のデンマークに400年以上も差があるということがわかる。
また、日本の皇室は長い歴史において世界で唯一、万世一系を貫いている。
要するに、血筋が途絶えてないということで、これは純粋にすごいことだろう。
世界の王室の歴史長さランキング
第1位が日本であることは書いたので、それ以降のランキングを紹介していこう。
初代の神武天皇から令和の今上天皇で第126代続く、世界最古の王室は日本にある。
ゴーム王(936~958年)を初代として現在54代の女王が在位していることは上述したとおりだ。
北欧の歴史を大きく捉えると、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンを併せたカルマル同盟、すなわちデンマークを盟主とするヨーロッパ最大の3ヶ国連合王国からスウェーデン、ノルウェーが独立へ向かう歴史だ。
そんな歴史の中で、幾度も撤退を迫られながらも、しぶとく生き永らえたのがデンマーク王室の歴史である。
3番目の歴史の長さを誇るのはイギリスである。
エリザベス女王、ウィリアム王子、キャサリン妃の話題が日本のメディアで報じられるので、多くの人が王室のイメージを抱く国として最初に挙げるのではないだろうか。
そんなイギリス王室は、1066年フランスから上陸したノルマンディー公ウィリアムがノルマン王国を創始して原型がつくられた。
その名残りからイギリス王室では当初フランス語が話されており、英語が使われ始めたのは1272年即位のエドワード1世の時代からとなっている。
その後、イギリス王室は1688年の名誉革命で絶対王政からいちはやく、君臨すれども統治せずの近代的立憲君主制へと移行している。
日本のメディアで取り上げられる理由として、イギリスの女王は、イギリス連邦王国に属する全ての国の国家元首も兼ねていることもあるだろう。
イギリス連邦王国に属するのは16ヶ国ある。
イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ジャマイカ、バルバドス、バハマ、グレナダ、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ツバル、セントビンセント・グレナディーンといった国々だ。
留意して欲しいのは、わかりやすくイギリスと記載したが、正確にはグレートブリテン及び北アイルランド連合王国である。
4番目に王室の歴史が長いスペインは、1931年に共和制が成立したが、1975年に王制が復活した。
国王はフランス王家の支流ブルボン家の直系である。
2014年にはスペイン国王ファン・カルロス1世が退位し、新国王フェリペ6世が46歳で即位した。
ヨーロッパの王室は万世一系の点から、日本人の理解を越えた経緯を辿ってきている場合がある。
その最たる例が、世界第5位の王室の歴史があるスウェーデンだろう。
1523年に王室の歴史が始まったとされているが、その歴史は少々複雑だ。
14世紀末のカルマル同盟以来120年続いたデンマーク王権の支配に反旗を翻し、スウェーデンを独立に導いたグスタフ・バーサが興したバーサ朝スウェーデン王国の創始年が1523年である。
その1523年が起算となっているが、その後はなんとか紡がれているとはいえ、何回も王朝は交代している。
ノーベル賞の授賞式でもメダルを授与するスウェーデン国王が属する現在の王室は、1818年に始まったベルナドッテ王朝である。
ただし、開祖は当時ヨーロッパの覇権を握っていたナポレオン・ボナパルト配下のベルナドッテ将軍である。
ゴットルプ王朝のカール13世に世継ぎがいなかったため、ナポレオンの推薦もあって、カール・ヨハンと改名したベルナドッテ将軍がスウェーデン議会によって同国の王位継承者に選ばれたという経緯がある。
その後、1818年にカール14世ヨハン(兼ノルウェー王カール3世)としてスウェーデン、ノルウェー連合王国の王位につき、ベルナドッテ王朝を開くという史実がある。
このように約500年の歴史があるとはいえ、非常に複雑なのがスウェーデン王室だということだ。
まとめ
日本の皇室は、万世一系という側面からもギネス記録があるというのは事実だ。
ただ、1500年以上の歴史があるという中で、何事もなく紡いでいくというのは至難の業であることは理解できるだろう。
日本の皇室でも、スウェーデンほどまでとはいわないが、第26代の継体天皇のときに同様の史実がある。
継体天皇は、血統上からは迂遠であるにも関わらず、第25代武烈天皇が後嗣を残さずして崩御したため、大伴金村、物部麁鹿火といった有力豪族の推戴を受けて507年に即位した。
その後、なぜか19年も経過してから大和入りした翌年に勃発した磐井の乱の鎮圧に成功したという事跡があるのだ。
時代でいうと、507年〜534年あたりである。
つまり、この継体天皇以降は王朝が交代した証拠がないので日本の皇室が確実に世界最長とされているということだ。
ここに伝説の初代神武天皇が加われば、即位されたとするのがBC(紀元前)660年なので、軽く1000年以上が上乗せされるということになる。
日本という国は、そういう側面もある国だということを知っておくのも悪くないだろう。
ちなみに、6位から10位は1700年代後半から1800年代中盤にかけて誕生している国々だ。
第6位:タイ(約240年)
第7位:バーレーン(約240年)
第8位:オランダ(約200年)
第9位:ベルギー(約190)
第10位:トンガ(約180年)
いずれも、6〜10代目くらいが現在の王としているという状況なので、こちらも参考にして欲しい。
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