製造の面白さってなんだろう?
自分がなぜ製造に携わり続けるのだろうと、疑問に思うことがよくあります。おそらく製造におもしろさを感じているのでしょう。その一方、製造業の仕事って大学を出た人には人気がないようです。
僕自身も大学院を卒業して、建築関係の仕事に1年くらい従事したのですが、諸事情により地元の燕三条に戻り製造業の仕事に従事することとなりました。
主にステンレスを使用した製品を手掛けているのですが、多種多様な材質にも対応し、製品を出荷しています。どんな材質かと言えば、ステンレスのほかに塩ビやアクリルなどに代表される樹脂、アルミや鉄製品も手掛けています。世の中の需要はステンレス以外の需要も強くあるようで、様々な材料の品物を製作しています。
さて、本題ですが「なぜ製造って面白いのだろう」ということです
建築の仕事は確かにものつくりという点では同じですが、規模感がまったく違います。建築は自分より大きいものですが、製造は巨大な機械等を除いて、自分よりも小さいものです。
自分よりも小さいものだからこそ、身近に感じることができます。製造している様々な製品はほとんどが表に出てこないで、機能を支える部品で縁の下の力持ちです。
そうやって考えると、自分たちの生活を支える縁の下の力持ち的な存在である部品を作って、社会を支えるって面白いなと気が付きました。
製品を形にして、生産し続ければ社会を結果的に支えることとなる。とても分かりやすいじゃないですか。
形になったものが、どのように活躍しているかはわからないけど社会を支える一部品になるのはやりがいがあると僕は思います。
無形ではなく有形だからこそ社会を支えている実感が沸きやすい
建築でも同じですが、手に取ることのできるスケールでの製造は社会を支えている実感はわきやすいと思います。
建築だと設計して建てて、これからどのようにこの建物は役割を果たしていくのだろうと、長期的な視線を持たなければ社会を支えているというのは分りません。よって建築はそれ自体が有形であって、社会を支えていることは無形で実感が沸きにくいといえます。
一方、製造業は手に取ることのできる大きさの部品が縁の下で支えることにより、社会を下支えしていることは明らかです。部品は欲しい機能を実現するために考えられ、設計されます。その部品がないと機械は意味をなさない。つまり動かないわけです。
そういったことから、社会を支えているのは明らかなわけです。したがって、建築よりも製造業の方がやりがいを感じ取りやすいという感覚はあります。
ただし、いまここで比較しているのは建築と製造業であり、他の分野で有形の方がやりがいを感じやすいことを結論づけるという意図はありません。判例として、音楽などは観客との一体感を感じたときにやりがいを感じたり、人に元気を与えたりすることができる点では無形のことについてやりがいを感じているわけです。
僕個人の感じることであり、安易に一般論にしないようにしてもらいたいです。
製造業って面白いよ!
結局、なぜ製造を続けるのかと言えば、この言葉に尽きます。
幅広い知識を製造に生かせる。
幅広い人生経験を製造に生かせる。
製造に携わることによってどのようにものが作られているか苦労がわかる。
その結果、もののありがたみがわかる。
製造に興味のある方がいらしたら、ぜひものを製造することについて語りたいものです。