#マイクと私(1) 声には魔法がある
土曜日のとあるビジネスコンテスト。
プレゼンターたちは、
かなり真剣な表情で、担当者の事前説明を聞いていた。
「それでは、これから、お一人ずつステージに上がって、
立ち位置とスライドのチェックをしていきましょう。
司会者の古賀さん、声かけをおねがいします」
プレゼンターの視線が、いっせいにこちらを向く。
「はい!みなさん、おはようございます〜!
今日の司会進行を務めます、コガシズカともうします。
どうぞ、よろしくお願いします!!
みなさん、今日の日のためにたくさん準備をしてこられて、
もしかすると、いまは、少し緊張されているかもしれませんが、
ステージ上で、最大限のパフォーマンスができるよう、
司会席から応援させていただきますので、
いっしょに、楽しんでまいりましょうー!!」
最大限の親しみを込めて、
声が「あたたかな光」で届くように投げてみた。
ふっと表情がほころび、笑顔でうなずいてくださる。
うん、今日のステージは、絶対に成功する!
そんな予感がした。
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司会席から見渡すと、
参加者の顔や、会場全体の様子がよく見える。
私は、声で場の空気が変わる瞬間を、
何度も見てきた。
ほろっとほぐれたり、ぴりっと引き締まったり、
期待感やドキドキで、何かがほわほわ〜っと舞い上がったり。
そんな瞬間が、とても好きなのだ。
声には、人の心のスイッチを押す力がある。
それを、私は「声の魔法」と呼んでいる。
あなたの声には、
どんな「魔法」がありますか?
2022.9.26 Shizuka