伝える力(池治)
おはようございます!『HOUNDS〜ミアタリ班、見参!〜』稽古場ブログ、今回は池治徹也が担当します。
この日の稽古の一場面で、演出の白井さんが演者にアドバイスをしているときに「僕の言うことって伝わってるかな?」と確認をしている場面がありました。それを見て僕は、伝えるって難しいよな、と感じました。なので今回は人に何かを伝える、とりわけ、言葉で思いを伝えるということについて書きたいなと思っています。よろしくお願いします!
伝えるって難しいと先程書きましたが、言うだけならめっちゃ簡単やと思ってます。思っていることを口にすれば、それだけ行為が成立するからです。
しかし伝えるとなると、思っていることを口にして、それが相手に届いて初めて、行為が成立するんやと思います。どれだけ喋ってもただ言うだけでは意味がなくて、たとえ言葉は少なくても思いを届ける、伝えることが大事なのかなと。
舞台上では特にそうなんじゃないかなと思います。登場人物たちがお互い思いを伝え合うからこそ作品に血が流れるし、そうすることで作品自体に込められた思いがお客さんにお客さんに伝わるし。ただ与えられたセリフを喋られても、「で、何?」ってなるじゃないですか。それなら戯曲を読んでたほうが何倍も面白いだろうし。僕たちはあらゆるものを駆使して相手に、お客さんに思いを伝えることが大事なのかなと。当たり前かもしれないですけど.…。
そんでまた難しいのが、相手に届いたとしても、それが果たして本当に伝えたかった思いなのかっちゅうことです。伝えたい思いと伝わった思いのすれ違いって、舞台上で起こるととっても興味深くて面白いんですけど、日常で起きると中々厄介....。
だから普段からよく言葉選んで喋ったり、選べる言葉を増やすために本を読んだり、思いと言葉を結びつけるためにこうして文章にしたりしてたんですけど。
今回の稽古で白井さんがされた、伝わっているかどうかの確認。とっってもええなあと思いました。や、これも当たり前かもしれないんですが、正しく伝えることばかり考えていた僕にとっては軽く衝撃が走った一場面でした。別に一言で伝えられなくても、相手と言葉を交わした結果伝わればええんやなと思いました。
そんなこんなで、今回の稽古場ブログを終えようと思います。まだまだ人生経験が乏しいので考え方も浅かったり変わったりするかもですけれど、ここは一つ言語化の練習の一環ということでご容赦を。
池治徹也でした。