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先の見えぬその道を全力で走れ

今回の稽古場noteを担当させていただきます、
ステージタイガーの脚本演出家・虎本剛です。

通し、いい感じ

本日4回目の通し稽古を行いました。
まだまだ改善の余地がありますが、ここに美術や音響・照明が加わり、極限にブラッシュアップした状態でお客様にお見せするのがとても楽しみです。

…と、今回はせっかく俳優として出演しない人間が担当しますので、
ガラリと雰囲気を変え、本作がどのようにして生まれたか時間を遡って語らせてください。名付けて

SMOKY ROADへの道のり
〜ROAD TO SMOKY ROAD〜


そもそもこの公演は「SHASEN×ステージタイガー」と銘打たれているように、当劇団だけでなく、SHASEN(日本写真映像専門学校)との合同公演になります。同学校の舞台製作コースの卒業公演であり、企画立案を含め各スタッフワークを卒業を控えた学生達が担当しています。

そこで「どんな作品が作りたいか? 作品テーマを何にするか?」という話し合いを、公演の半年以上前から学生達と行なうのが恒例となっています。

そこで今回。

失礼を承知で言わせていただくのですが…
今年度の卒業生は、自身の考えや想いを口にするのが得意じゃないメンバーが多いように思われ、話し合いといっても沈黙する時間が多かったのです。

そんな中、生徒から最終的に出た作品テーマが「友情」。
なるほど。
よく言えば王道、逆に言えばよくあるテーマです。
その狙いや意味を聞いたところ、シンプルに「友情の大切さを伝えたい」ということだったのですが…
今?
なぜ?
この学生達が?
それをテーマとしたのか?

僕は生徒達の表情を思う浮かべ、深読みしました。

それはきっと
自分達にはモヤモヤと口にできない想いがあり、漠然とした将来への不安もあり、その中で一番必要に思ったのが『同じ方向を向いた仲間』の存在だったんじゃないかと。

そして、SMOKY ROADのスタートとゴールは完成しました。

そう、この作品は
友情をテーマに、モヤモヤとした現状を描いた作品です。

だから登場人物は悩み苦しみ、それを口に出せない状態が続きます。
その背景には生活への困窮があり、先行きへの不安があります。
まるで現在の日本そのもの。

でも僕は。
大人としてその先を、未来を若者達に示したい。
モヤモヤした燻った景色を振り払い、前に進む方法を伝えたい。

それは
全力。
一生懸命頑張ること。
一歩ずつ、這ってでも進むこと。

当たり前だけど、当たり前じゃない。
昨今、頑張りを口にすること自体憚られる時がありますが、
僕はそこに強いメッセージを叩きつけたいと思います。

しゃにむに、ひたむきに、泥臭く、カッコ悪く。
成否や勝敗のその先にある、その輝きを僕は伝えたい。

うんざりするようなニュースが流れるこの世の中で、
僕の、ステージタイガーの、SHASENの、劇場での130分だけは、強く前向きなエネルギーを発し続けます。


堂林薫と灰島明里達が進む煙った道のりの先に、
お客様と僕らで作る極上のエネルギーが生まれますように!!

虎本剛



SHASEN × ステージタイガー #015
「SMOKY ROAD」
近鉄アート館

2025年
2月1日(土)19:00
2月2日(日)13:00 / 17:00(この回、おすすめ!)

詳細&予約
http://st-tg.net/_sp/smokyroad/


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