全国トップレベルの舞踊団が子どもたちに伝えること:舞踊家の「18の心得」から学ぶ、自愛のはなし
全国舞踊コンクールの児童舞踊部門で過去8連覇を達成、今も入賞し続け、常にトップを走りつづける超強豪の舞踊団体が、わたしの故郷・岐阜県に在ります。
そんなわたしも、5歳〜14歳くらいまで所属していました。
(ちなみに、わたしはバレリーナになりたい!という夢があったわけではなく、大好きな姉が所属していたので「わたしも!」と、気づけば入会。わたしの舞台人生のスタートはここからはじりました。わたしと姉の幼少期の関係性は、「となりのトトロ」のサツキとメイをイメージしてもらえたら…笑)
今思い返すと、カリキュラムが豊富な団体で、幼児〜社会人が所属し、全国レベルの舞踊家を育成するクラスから、地域の公民館で行うカルチャースクールのようなクラスまで、生徒のモチベーションやポテンシャル(家庭環境も含む)に合わせてクラスを選べました。バレエだけでなくミュージカルにも取り組み、海外公演も行うほど。文化教育・舞踊家教育にかなり熱心な団体だったなぁと思います。そして調べたらなんと今年50周年…す、すごい。
彼らは、自らをバレエ団とは名乗らず、「舞踊学園」と名乗っていました。
全国トップレベルの舞踊家を育成しつづける舞踊学園で、子どもたちがまず1番初めに学ぶこと。
それは一体なんだと思いますか?
バレエの基礎
ストレッチの仕方
リズム感
それとも…解剖学
ではなく、
ある、「18の心得」
でした。
一流の舞踊家を育成する団体なのに、解剖学でもバレエの基礎でもない、この「心得」を、どんなことよりも1番初めに学ばせること。
このアプローチは、舞踊家、表現者とは何たるか、を語っているようにも感じます。
表現者とは。
舞踊家は、踊ることで表現し、伝え、心を動かし、感動を生み出す。
…では、感動を生むにはどうしたら良いのだろうか。
「人の感動を生むには、
自らが感動していないといけない」
これは、その舞踊学園の初代学園長の言葉です。
彼は子どもたちに何を伝えたかったのだろうか。
バレエを学びに来たのに、なぜか基礎より先に最初に学ぶ、「心得」。
そして、初代学園長の言葉。
「人の感動を生むには、
自らが感動していないといけない」
表現するとき、人に何かを伝えるときに、
最も重要なことはなんなんだろう。
それはどんな学問やテクニックを学ぶことよりも、
最も優先し、学び、取り組まなければいけないこと。
「自らの心が感じて動く状態でいること」
自分の状態を整え、何に心が動かされるのかを知ることで初めて、人に向けて発信できる状態になれる、という教えであり、
同時にそれは、「自らを愛しなさい」と伝えたかったのかもしれません。
表現者たるもの、自らを愛さないままのうわべの表現をしてはならない。
「本物であれ」と。
今はもう舞台の上で踊っていないわたしも、
人生という舞台の上で踊りつづけているのかもしれない。
あなたも誰かにとっての舞踊家で、表現者なのかもしれない。
「心得」
1.いろいろな立場になって考えます
2.親切が心得の中心です
3.信用を第一とし信じ合います
4.微笑みと感謝が大切です
5.間髪を入れず実行します
6.常に努力を忘れません
7.自信を持ち自惚れません
8.よく解釈し良い面を見ます
9.見栄を捨てます
10.明るくはっきり伝えます
11.威張らず卑下しません
12.機会をしっかりとらえます
13.素直さを忘れません
14.悪を許す大きな心を持ちます
15.自分の型を押し付けません
16.できる約束をし必ず守ります
17.きちんとした姿勢をします
18.自らを前に押し出します
(後記)
結果、ダンサーの道を進みつづけなかったわたしですが、なんだかうまくかなかったり、生きづらさを感じた時、この心得がふと降りてくる。
「ああ、わたしこの18個のうち、これとこれを忘れていたんだね」と、わたしの生きる指標として存在してくれている。
そして忘れてしまっていた項目や、グサッとくる項目は、自分の状態や環境、時期によってまったく違ってくるからこれもまた不思議。
心が動く状態でいるためには、まず自分を知り、愛することから。
「本物であれ」
今日のnoteは、そんな自分への備忘録も兼ねて。
おしまい。
明日も良い旅を!
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