元Jリーガー渡邉大剛さん・武田有祐さんと京都の人材紹介会社社長が「サッカー選手のセカンドキャリア」について語り合いました
ということで、こちらのお二人と今回対談させていただくことになりました!
渡邉 大剛氏 @daigohwatanabe
元Jリーガー|京都サンガF.C.→大宮アルディージャ→釜山アイパーク🇰🇷→カマタマーレ讃岐
◆日本サッカー協会登録エージェント|
◆restandard ブランディングアンバサダー 学生向けウェビナー開催
re-standard.jp
武田 有祐氏 @YusukeTakeda
元Jリーガー|京都パープルサンガJr.No.23→京都パープルサンガJr.ユースNo.19→京都サンガFCU-18No.15→立命館大学No.15→カマタマーレ讃岐No.22→(株)京都パープルサンガ営業部
sanga-fc.jp
私のプロフィールも載せておきます……
毛利 信之 @stage_kyoto
1991年創業、京都の人材紹介会社の社長。全国にも稀な2代目ヘッドハンター|「良い人を、良い会社へ」がモットー|京都サンガF.C.アカデミーバススポンサー
stage-kyoto.com
ちなみに、この対談は2021年1月30日ZOOMにて行われました。1時間半にも及ぶ対談を書き起こしたところ、28000文字という大変ボリュームのある量になってしまいましたが、会話したほぼそのまま“ノーカット版”でお送り致します。
サッカー選手のセカンドキャリアの話題のみみならず、京都サンガF.C./お二人の現役時代・交友関係/人材ビジネス/サッカー代理人事情/コロナ禍のサッカー界…など多岐にわたっております。
お時間がある時にゆっくりお楽しみ下さい!
○今回の対談をすることになった経緯
渡邉大剛:初めまして。リスタンダードの渡邉と申します。
ステージ毛利:どうもどうも、初めまして。常々存じ上げております。
渡邉:ありがとうございます。私もですね。タケ久しぶり!
毛利:今日は武田さんリラックスしてますね。いつもすごい緊張してるような感じだけど(笑)
武田有祐:今日はもう一般人の武田でいくんで。リラックスモードで。もう何にも背負って無いです(笑)
渡邉:でも今日はしっかりサンガスタジアムの背景やけどな。
武田:奥さん、今日在宅で仕事なんで。汚い部屋しかなかったから(笑)
毛利:そうなんや。お二人は元チームメイトですからね。こんな形で再会するというのも面白いですね。
(渡邉大剛選手のコーナーキックorフリーキックから、最後は武田有祐選手が押し込んだシーン)
武田:思ってもなかったですね。めっちゃ嬉しいです、本当に。
武田:スタジアムとかで会うかなとは思ったんですけど。
毛利:私が大剛さんと喋りたいと勝手ながら思いまして。よくTwitterとかにいいねとかくださるんで。多分ステージという会社を知ってくださったのが多分、武田さんのツイートなのかサンガF.C.のリツイートとかあれかちょっとあれですけど。そして大剛さんとお話しするってなった時に、誰かやっぱ一緒に喋りたいなと思った時に武田さんがいいんじゃないかと思って。
渡邉:最適な人材だと思います。
武田:大げさな(笑)
毛利:最初は武田さんとのLINEのやり取りの中で「参加してくれるよね?」みたいなをいろんな要件の中にさらっと入れたんですけど、スルーされて(笑)それに対する返信がなかったらあかんのかなと思ってたんですよ。
武田:最初は話ししてる時に、毛利さんの知り合いの方の名前も出てたんで、僕は繋いで終わりかなーって勝手に思ってたんです。
毛利:いや、お互いの思惑がねなんか噛み合ってなかったというか(笑)
○大剛さんの京都新聞記事について
毛利:私、手元に京都新聞の記事あるんですけど。
渡邉:ありがとうございます。昨日でした。
毛利:昨日の京都新聞の朝刊に大剛さんのインタビューが掲載されているのですが、誌面半分とはかなり大きい扱いの記事ですね。
渡邉:結構反響がありまして。恐れ多すぎます。
武田:ちょっと開いた時に2度見しましたもん。えっ、このタイミング?みたいな。
渡邉:タイミングすごかったね。
毛利:この記事を書かれている国貞さんという方は、サンガのずっと担当やられている方ですよね。
渡邉:そうです。
毛利:どういう経緯でこの取材の話が来たんですか?
渡邉:えーとですね。その「ルート人」っていう京都新聞さんのコンテンツの1つがありまして。(京都新聞の)記者の方が、本当にいろんな業界のランダムで誰でもいいんでインタビューをして載せるっていう企画があるんです。
それで国貞さんがそれを会社から依頼された時に、「大剛君って引退してなんかこんなことやってたなー」っていうところからご連絡をいただいてね。「取材ちょっと受けてもらえるかな?」みたいなことを言われたんで、「ぜひ僕でよろしければ。いつでも大丈夫です。」っていうところからもう本当にお話を頂いたのが10日ぐらい前で、実際にインタビュー終わったのが多分1週間くらい前の話です。
毛利:なるほど。じゃあほやほやの素晴らしいタイミング。東京まで取材に来られたってことですね?
渡邉:そうなんですけれども。国貞さんが今、京都新聞の東京支社の方におられまして。おととしの10月くらいから東京オリンピックがあるって言うことで転勤されて、今こちらにお住まいと言いますか。
毛利:なるほど。
○それぞれの現在の状況/引退の経緯
毛利:それぞれの近況ですが、大剛さんからお願いします。
渡邉:分かりました。今の仕事に就いた経緯は……2018シーズンでカマタマーレ讃岐を退団して、そこから引退することになったんですけれども、引退をして、じゃあセカンドキャリアどうしようかなーって自分の中で考えた時に本当に何か具体的に何も決まってなくてですね。そんな中でも大宮時代にお世話になった方が埼玉に沢山いらっしゃったので。そういう人たちの近くに行って相談しようっていうのがまずきっかけだったんですね。
その頃はもうサッカーちょっと嫌いになってたので、サッカー以外の仕事やりたいなーとか。あと一般社会で仕事をして視野を広げてみたいなっていうのはありまして。
そんな中で、じゃあ何を仕事にしようかなーって、なかなか決まらずに相談してる時にある人に「まあせっかく大剛がここまでサッカーの世界でキャリアを積んできたんだから、それを全て手放すのはもったいないんじゃないかな」っていうことを言われましてね。
自分も一般社会で何が出来るのかとか全くわからない状況だったので、サッカー業界のなかでやりたい仕事を考えた時に「エージェントの仕事やってみたいな」っていうのがありまして。2019年の5月からJFAの仲介人に登録をして、そこからセカンドキャリアがスタートしたんですね。
ただ一応組織には所属してるんですけれども、フリーランスみたいな形で活動してたので、給与とか全くなくて、自分でお金を生み出さないといけない状況だったんですよね。
「これはちょっと苦しい。来年になってもこの状況だとさすがにまずいな。」と思ってる中で、今の会社に出会いましてね。それがきっかけですね。
品川CCっていう神奈川県の一部に所属してるチームなんですけど、そのGMと出会って。僕はもうサッカー引退したんですけれども、「もう一度その大剛のサッカー選手としての力とか経験をチームに還元して欲しい。」って言われた一方で「ビジネスマンとしてのスキルだったり経験というものをリスタンダードで積んでいって欲しい」と言われて、僕も「是非お願いします。」っていうところからリスタンダードでのお仕事が始まりました。
毛利:ということはリスタンダードさんからは固定給っていう形での契約ですか?
渡邉:はいそうです。固定給という形で頂いております。
毛利:それでは武田さんはどうですか?
武田:僕も一昨年に讃岐の方でサッカーを辞めるという決断をするとき、もともと腰が悪かったので、それがそのシーズンのもう夏ぐらいから一切プレーしてないような状況だったので。その時から、まあ来年はやらないだろうなーっていうところから考えてはいたんです。
けど僕もやっぱり、そのサッカー以外に何がしたいかっていうところはやっぱり分からなかったですし、まあそのいろんなビジネス書じゃないですけど、動画とか見たりして、こういう職業があるんだと思いつつ、調べてもやっぱりそこに熱はなかなか出てこないという状況でした。そこで、「来年からサッカーはやらないです」っていう話を現在もサンガにいらっしゃる育成部長の本田さんだったり、元チームメイトで今サンガの運営やってる波夛野寛だったりに話をしました。
今はSPという育成の組織がサンガにはあるんですけど、その前身のジュニアのあった時代の生き残りとしてそこからジュニア→ジュニアユース→ユースと京都サンガF.C.にはお世話になってたっていうとろから、サンガのためにだったらスタートとしては熱も出てきますし、そこから何か見つけられればという軽い入りからでした。
元々は営業とかそういうものがやりたいということはなく、チームの方には「指導者は今のところ考えてなくてそのフロントの方で何か力になりたいです。」と伝えました。
というわけで、当初は運営だったり広報でという話だったんです。しかし、その時は人員の状況もあって、「とりあえず営業からスタート」ということになりました。僕からしたらそんな選べるわけでもないので、なんでもやりますというところが現在の営業に所属した経緯です。
毛利:お二人はこういったお話はどこかのタイミングでお話されましたか?
武田:特にはしてないですね。
渡邉:なんかこうやって聞くのは初めてですね。
毛利:大剛さんは何かと発信されてる人なんで、私はよく存じ上げてはいました。さっきのお話で、ちょっとサッカー辞める時に燃え尽きじゃないですけど、若干モチベーションが下がったって仰ってましたけど、それって具体的にはどういうお気持ち・状況なんですか?やっぱり小さい頃からサッカーやり続けて、30代になり、これからさらにサッカーを続けていきたいという気持ちが減少するようなことですかね?
渡邉:サッカーを続けたい気持ちは、讃岐に契約満了告げられてもあったんですね。実際に現役続けたくて、トライアウトにも参加しています。
その後、チームからのオファーを待ってる状況だったんですけれども、自分の中での線引きとして、J1かJ2のチーム以外のJ3より下のカテゴリーだったらやらないって言ってたんですよ。
ただ、実際には年が明けてなかなかチームから声がかからず、J3のチームからは興味だったり、オファーみたいなものはいただいたんですけれども、自分の中での線引きがあった中で、あそこのチームには行かないなっていうのがあり。
そうしていくうちに、1月の20日前後ぐらいからどのチームも次のシーズンに向けて始動していたし、そこでオファーがないってことは、自分はもう現役続けたいけどできないんだなっていう風に思って"渋々"引退を決めました。
自分がプレイヤーとして「必要ない」って言われてるのと一緒だっていう風に僕は考えたんです。先ほどの「ちょっとサッカーが嫌いになって」って言ったのはそういったことですね。プレイしたい熱がなくなったっていうよりは。
毛利:なるほどねぇ。
さて、私の簡単な自己紹介を忘れてたんでさせて頂きます。私自身は家業が人材紹介業っていう日本にも稀な家系でして、その二代目なんですけど。この仕事は6年ぐらいなんですが、私この仕事に就くっていうことは経営者を引き継ぐっていうことなんで。
主には製造業のクライアント(例えば自動車メーカーさんとか、京都にも沢山ある機械系メーカーさんとか)に対して、設計の技術者だったり、管理部門の人だったり、最近だとAIエンジニアを紹介したり、その対価として紹介料を頂くというのがざっくりした仕事内容です。
ところで、私達が関わる案件もそうですが、正社員としていわば「何事もなければ定年まで働ける」っていう前提で会社に入っていかれるのが世の中の多くの人だと思うんです。
サッカー選手って、複数年契約っていうのは2年とか3年とか、もしかしたら5年というのも最大でもあるのかもしれないけど。基本は毎年結果出して、次契約結べるかって話じゃないですか。「なんてシビアな世界なんだ」っていつも思うんです。
二人はずっとそんな厳しい状況でやられてこられたわけですけど、どんな気持ちでそういう契約とか仕事のあり方に慣れてこられたのですか?すごい興味あります。
渡邉:そうですよね。僕本当に学生時代もバイトの経験もなくて。高卒からプロに入ったんですけれども、働くっていうことを本当に知らなかったので。プロサッカー選手の業界の1年1年の契約と言いますか、先がないというのが本当に当たり前だと思っていました。一歩外に出てみてやっぱりすごくシビアな世界だったんだなっていうのが改めてわかったんですけれども。
一方で、結果を出せればステップアップの移籍があったり、それが年俸に反映されて返ってくるっていう、結果に対してのリターンがすごく分かりやすいなっていう世界だと思うんですね。
このサッカー界の外、「一般社会」って言うと、ちょっとあれですけれども、サラリーマンの方っていうのは(極端な話)どんだけ頑張っても頑張らなくても、給与は確約されるというのが、良くも悪くもあるかなっていう風に思ってました。「めちゃくちゃ自分頑張って結果出したけど、給料は変わらないんだよなー」ってなるとモチベーション的にはちょっと難しい部分があるのかなっていう風にも思います。でも、そういう性格の人は歩合のある企業さんに勤めたり、とか成果給のあるところに行くというのが合ってるのかなとも思ったり。その一方で安心感っていうのはありますけどね。
毛利:現役引退されるっていうころは、ご家庭というか、ご結婚されたり、お子さんがいらっしゃる方が多いという状況があって、二十歳ぐらいの頃とは違うところを求められるというところもあるのかなという気がするんですけれども。そこの切り替えがすごく難しそうだなあという気がします。
渡邉:それはもうほんとおっしゃる通りですね。
武田:最後の毛利さんの所に関して言うと、僕は逆に「そろそろやめるだろうな。」ってわかる期間が長かったわけです。いきなり満了告げられたり、チームがないっていう状況、いきなり180度変わるようなことがなかったので。そこの感じ方はちょっと違うかもしれないですね。
半年間だったり、それぐらいかけて周りを説得するじゃないですけど、分かってもらうし、就職先も探すしっていう状況があり。ニュートラルなところではそのような急激な切り替わりはなかったイメージですね。
毛利:武田さんは、シーズン半ばぐらいで「今シーズンで引退します。」と自分から言いにいかはったんですか?
武田:周りには誰にも辞めるとは言ってなかったです。最後の最後までオペをするかで悩んでましたし、検査がずっと続いてたので。
その夏に何があったかと言うと、腰のところから足に力が入りづらくなったり、足に電気が走って痺れたりいう症状が出たところから練習はストップして。1ヶ月2ヶ月3ヶ月と検査する中でもう何も結果が明確な結果が出ずちょっとヤキモキして、色々な治療をしてたんですけど、やっぱりヘルニアでした。
プロのトレーナーさんだったりお医者さんが周りにはいて下さったんですけど、治療は難航して、最終的にオペするかしないかということになりました。
ただ、「オペをしても半年はまずできないし、フルコンディションに戻るにしてもそれの倍以上はかかる。」と言われました。その2、3年前にヘルニアで手術して約半年強休んでたんです。その後からやっぱりプレイの中で自分が以前は動けてたとか、これができたのにって思ってるプレイのズレがすごいあったりしたので。やっぱりそこからもう1回オペして長い時間かけてやり直すていうモチベーションが本当に持てなかったのが一番大きかったかなーっていう。
毛利:今回の京都サンガF.C.で言えば、安藤主将が最後は引退を決められましたけど、もっと期間が短かったシーズン終わりで急にいっていうことだと聞いていますが、比較的そのプロセス的には近いと言う気がしますが。
武田:「もうええかな。できない。やりたくてもできない。」と言ったら大げさにはなりますけど、それに近いような感覚では僕も安藤さんもあったんかなとは思います。
毛利:大剛さんは、この怪我でプレーできひんっていうようなものっていうのはなかったですか?
渡邉:めっちゃあります。最初が僕が24、25歳、それこそ京都にいた時ですが、2009年に左足のアキレス腱を断裂しました。夏に怪我して、そのシーズンはもう復帰無理で次のシーズンから合流できるようにリハビリを開始したんですけれども、その時本当に初めて大きな怪我をして、なんとか復帰出来ました。
もう一つは讃岐の時です。2016年の夏に讃岐に加入したんですけれども、9月ぐらいにハムストリングの肉離れをしました。その時に膝の違和感があったんで、MRIを撮ったら右膝の前十字靭帯が切れてるって言うのが判明しました。
普通だったら即オペっていう所だと思うんですけれども、肉離れが治ったらとりあえずリハビリやってプレーしげみますって言ってたら、プレー出来たんでそのままやって。
ただその次の年の最後の方にいきなり膝の半月板を怪我して、それはもうさすがに痛すぎて手術しないといけないってなって手術したんです。
以前アキレス腱切った時は、今まで出来てたプレイが出来なくなったりとかっていうのもありましたし、僕はなんかその怪我とまだ若くて向き合う時間もあったので。
毛利:小野伸二選手が、膝をあの悪質なタックルで怪我して、それ以来「今まで俯瞰して見えてた感覚がもう全く見えなくなった」みたいな記事を読んだことあるんですけど、感覚って変わるもんですか?お二人とも怪我された経験として。
渡邉:変わりますね。あとは、アキレス腱を切ってからは瞬発力とか落ちたなあと思いましたし、練習やりすぎたり疲労がたまってくるとアキレス腱すごく硬くなって痛かったり。しっかりと温めないと練習の最初の方が痛くて集中できなかったりとかっていうのもありましたし。
毛利:武田さんの怪我もそんな感じですか?
武田:そうですね。やっぱり腰は何するにしても使っちゃうところだったんで。プレーで言うと、やっぱり自分がジャストのタイミングで足出したと思っても体は1テンポ、1.5テンポぐらいズレるだったり。私生活に関しても、まぁ昨日もちょっと走ったんですけど、すごく腰は痛いですね。すぐ痛くなりますね。
ところで、さっき話に出た大剛さんがサンガで最初にアキレス腱の怪我された時、ちょうど僕ユースに所属してて。リハビリされてる時、城陽のクラブハウス側のところでジョギングしてはって、ちょうど走ってきはるタイミングと僕が来るタイミングがぴったりあった時があって、挨拶した時にめっちゃ清々しく挨拶してくれた瞬間のことがずっと残ってて、今でも覚えてますね。
毛利:そこで接点があるわけよね。
武田:僕はもうなんていうかサンガの中でもスーパースターみたいな大剛さんとまさかその後讃岐で一緒にやるなんて、微塵も思ってなかったです。
毛利:大剛さん、2019年ですかね。中山博貴さんとのトークショーされた時、西京極で私もいたんです。その時は、まだ当社がスポンサーになる前だったんですけど。やっぱり参加のサポーターの皆さん、大剛さんのことをすごく良く思ってらっしゃるんだなーってすごく思ったんです。
渡邉:はい。めちゃくちゃありがたかったですね。
毛利:あの時はもう引退してしばらく経った時だったんですよね?
渡邉:そうですね。引退して半年後ぐらいでしたね。
○セカンドキャリアについて
毛利:本題に近づいていきたいなと思うんですけど、「セカンドキャリア」ってということが、あのイベントがあった時から比べて、世の中の関心がめちゃくちゃ上がってるな、っていうのをすごく思ってまして。なんでそう思うかっていうと当時、大剛さんがJ2の讃岐で引退されて、そこから神奈川県一部リーグですよね。ディビジョンで言うと何部ですか?
渡邉:J7です。
毛利:J7ですか!そういうケースが少なかったですよね?当時としては珍しかったのかなと思ったんですけど。
渡邉:いなくはなかったと思うんですけれども、今ほどは多分なかったと思いますね。
毛利:そうですよね。だからすごく好印象に残ったんですけど。今2020年コロナ渦のシーズン終わってっていう状況で、このシーズンオフとかなんかすっごい変化を感じたんです。J1、J2でまだ普通にやれてる選手、怪我とかもせずに「ピークこれからでしょ?」みたいな人が結構、今下位のディビジョンに移籍されるケースが多いなと感じていて。私が一番よく耳にするのはの"クリアソン新宿"なんですけど。セカンドキャリアに対するみんなの考え方が変わってきたんですかね?
渡邉:僕は現役の時、やっぱりセカンドキャリアとか一般社会のことをほとんど関心なかったのでわからなかったんですけれども。毛利さんが感じてらっしゃる通りだと思いますね。
サッカー界の中にもやっぱりセカンドキャリアだったり、あとはサッカー以外の部分に対する関心っていうのが広まってきて、実際にまだJの上のカテゴリーでもできるような実力がある選手がちょっと先を見たりして、そこのカテゴリーではなくクリアソン新宿選んだり、まあうちのチームに来たり、他のチームに入ったりとかもそうだと思うんですけれども。そういう思考の選手が増えたなあってすごく思いますね。
毛利:ですよね。コロナ関係あるんですかね?
渡邉:どうなんですかねー。今コロナでお客さんなかなか入らないと思うんですけれども、Jリーグでやっててもなんか楽しくないって思ってる選手ももしかしたらいるかもしれないです。でも実際はコロナの影響ないんじゃないかなと僕は思っています。
毛利:仮にコロナで球団の経営が厳しくなったとしたら、年俸が下がるとか、契約年数が短くなるということが起こるとします。すると、サッカー選手としての将来が不安みたいなところから、今の元気なうちにデュアルキャリアを考えようという人が増えるのかなと推測出来るんですけど、それは関係ないんですかね?
渡邉:選手の年俸がどこまで影響を受けてるかわからないです。ただ、僕は今シーズンのシーズンオフの移籍ってあんまり動かないかなって思ってたんですけど、いざ開けてみると結構そんなことないなーって思いました。
エージェント仲間の人に聞いても「いや、めっちゃ動いてるね。」って言うのを聞いたので。どのクラブも財政的にきついと思うんですけれども、今年多分凄い頑張ったんじゃないかなって思います。
なので、選手の年俸もあまり関係なかったり、契約年数も関係なかったり。でも自分でそっちを選択したって言う選手が多かったんじゃないのかなと思いますね。
武田:コロナが関係するかっていうところの一つの要因としたら、去年は4ヶ月ぐらい中断期間があったことで、家にいる機会が増え、情報がいっぱい入ってきて、考え方が色々触発されているのはひとつあるかもしれないですね。
毛利:ファン目線で言うと、ファンていい加減なものだと思っていて。例えば自分達は仕事だとかにも副業だとかサポ活動とか、いろんな活動しているじゃないですか。でも、「選手が練習以外の時間になんかちゃうことやってるみたい。ちょっとサッカーに集中してない。」とか言う人もいるじゃないですか。
その練習以外の時間でいろんなことを吸収したら、プレイにも活かせるんちゃうかってむしろ私は思う方なんですけど。
選手の中でもやっぱり「現役時代そういう他の事考えるのは邪道やろ?」みたいな考えもやっぱりあるんですかね?
渡邉:これだけはもう本当に人によって全然違って。ずっとシーズン中サッカーのことを考えて、練習終わってからアフターで身体のメンテナンスするという人もいれば、全く切り離して、もうサッカーからは離れて過ごすっていう人もいるんで。
ただ切り離して好きなことやってるって言う人だけを見たら、やっぱりファンサポーターの形が思うように「サッカーだけに集中しろよ!」と。それで結果が出てればあれですけど、なかなかそういうわけにもいかないとは思うんで。なかなか難しいですよね。そこの考え方はその人の体にもよったりもしますしね。同じ行動をしてても、結果に左右される部分も強いと思いますね。
渡邉:ピッチでこう例えばFWが点取れなかったりしたら、そんなんやってんと練習せいって言われるじゃないですか。それって本当にじゃあシュート練習を1日の中で2時間も3時間もやったら良くなるかって言うと、コンビネーションの部分も含めてまあ量と質のバランスっていうのもあると思いますし、毎日2時間とかっていう練習量の中で体のケアに当てる時間もちろん必要ですし。
ただ一週間の中でどこかしらで隙間時間とかあるんで。その中でサッカー以外のことに時間を当てられる選手ってめちゃくちゃセンスあると思いますし、僕もめっちゃ大事なことだと思いますね。
僕は現役の時、それをしてこなかったので。やっぱりこれは引退してから、もっとそういうことやっとけばよかったなって思いますし、今こういうお仕事やらせてもらってるなかで、現役の選手に伝えていきたいっていう風に思ってますね。必ず引退の時期が来るんで。
やっぱりアスリートのセカンドキャリア問題っていう風に言われてる中の問題の一つは、アスリート自身がそういったところに関心がなかったり、準備ができなかったりっていうのは一つあると思うんで。もちろん受け皿としての企業側がアスリートをどう採用するかいうところもあると思うんですけれども。アスリートにできるところはまず自分が準備するっていうところかなと思います。
本田選手とか長友選手でもバリバリやりながら、事業もたくさんやられてますしね。もちろんアンチもいると思うんですけれども、応援してくれてる人は多分圧倒的に多いと思うんで。
それって彼らだからできるって言うわけではなくて、本当に日本にいる多くの現役の選手ができる事だと思うんですね。それって事業規模とかの問題ではなくて、やるかやらないかの差だと思うんで。
毛利:なるほど。
渡邉:そう思ってます。
毛利:武田さんは現役時代、怪我とか云々の前に全般的に、空いた時間とかでこうなんか将来こんなことをしようとかって思ったりしてましたか?
武田:一時期ありましたね。なんかちょこちょこ。資格取ってみよっかなーって思ったり、辞めたあと何したいかなーっていうのは本当に考えてはいた時期はありました。サッカーをやるやらないは関係なく、絶対にそのあとの方が長いんで。
生きていく上で、何か自分がやりたいことに魅力を感じたいなあと考えてたんですけども、やっぱりサッカーをしてると本腰ではそっちにいかなくて。本気でっていうのはなかなかなかったですね。
毛利:今これだけ「セカンドキャリア」って言われてるんで、現役の選手も今のうちに何かしら考えとかなあかんなって、多分思ってると思うんですよね。
ただ私が思うに、ちょっと範囲が大きすぎるじゃないですかセカンドキャリアって。これこれこれというメニューがあるとかじゃなくて、何してもいいんやけど、何したらいいかわからへんみたいなとこがあるのが一番大変やと思ってるんです。
例えばお二人の今の立場から振り返ってみて、現役の選手時代に、クラブなのか周りの知人なのか、こういう事言ってもらえてたら良かったなとか、こういうことが入り口で参考になるんちゃうか、みたいなことって何かありますか?
たとえば、私の大学時代で就活の時期に、大学主催で企業説明会とかやってくれたりするので参加したり、自分たちがリクナビとか登録したりして就職活動してしますけれども。それってなんかなんとなく、周りから「そろそろやらなやばいぞー」的な圧があってなんかようわからんけど、とりあえず就職課に相談に行くとか、一応大学にそういう機能があるから、駆け込めるっていうところもあるのかなって思うんですけど。
今セカンドキャリアビジネスするぞって言って人、私を含めて結構多いです。しかし、それが実際選手にどう響くかっていうところが考えられてないのかなって正直思っちゃうケースが多いんですけど。どうやったら選手達に伝わるのでしょうか?
渡邉:そうですね。
Jリーグの中に選手協会っていう労働組合があるんですけど、何人か事務局の方がいらしたりして、一年間の中でJ1からJ3まで54クラブ、全て2回ぐらい訪問してるんですけれど。訪問して何をしてるかって言うと、セカンドキャリアについて結構話ししてくれたりするんですよ。
例えば、指導者なりたいって思う人だったら、ライセンスの資格を取得する合宿がいつ何時からいつ何時まであるんで、参加申し込みはこの時間にしてくださいとか。資格取りたいって思ってる選手がいたとしたら、じゃあ英検の教室とか就学の支援金出しますとか。なんでも結構色々ある中で、自分たちにプレゼンをしてくれるんです。
でも、受け取る選手が「なんかまた来た。めんどくせえな、1時間。」とかっていうぐらいで、多分選手の捉え方が視座高くなかったなっていうのはやっぱりあるかなと思います。
武田:そこですよね。やっぱり。自分達に言われてると思ってないぐらいの感覚で、「時間が過ぎて終わらんかなあ」ぐらいの感じやったから。当事者として聞いてる人は本当にごく一部少なかったかなあと思います。
渡邉:あとはその選手協会を通じて、どういった職業についたかなどの事例があったと思うんですけれども。そういう事例がちょっと少なかったりしてたのでやっぱり身近に感じられなかったっていうのがあって。
でも毛利さんがおっしゃられた大学の就職活動の例って、学生皆経験あると思うんですけれども、ケツが決まってるって言うのは結構大事だなんて思うんですよね。
選手みんなそうだと思うんですけれども、1年でも長くやりたいって思ってるはずなんですよ。10年でも15年でも20年でも。選手の場合、これがこう一つ問題なのかなって思うんですね。
僕みたいに急にまだやれるだろうって思ってても、いらないって言われたらそこで辞めざるを得ないんで。ケツが決まってたら「35歳までに自分は現役を続けよう、そしたら引退しよう。」って思うと、多分逆算して準備ってちょっとし始めると思うんですよ。
結果的に引退が1年2年延びたら、それは続ければいいと思いますけど。準備してることによって、実際引退したあとのことを考えてる期間があるので、考えてないよりはいいんじゃないかなっていう風に最近ちょっと考えてましたね。
毛利:そのお尻が決まってないっていうのは、前もって準備ができないですね。直近で言えば中村憲剛さんが40歳で引退されたということで。その本当のところはご本人のみぞ知るということですが、おそらくインタビューを聞く限り、どんなことでも40歳でやめようって決めてらっしゃったのかなと。勿論ご本人の努力があってのこそですが、自分の引退時期を決める方っていうのはかなり幸せと言うか、かなり恵まれたパターンですね。
渡邉:めちゃめちゃそうだと思います。ほとんどの選手が40歳までできないと思うんでJリーグの平均引退年齢が26歳って言われてるんですね。それより長くできる選手ってまあ平均で言うとはすごいなーっていう風にも思うんです。
けれどもに26歳に決めろっていうわけではなくて、なんとなくやっぱり一つ30歳をラインにするっていうのはありなんじゃないかなと思います。30歳ってまだ全然できると思うんで、その後また32なのか33なのか35なのか40なのかっていう風に、一回線を引いてそこからちょっとずつ伸ばすってすれば逆算して考えられるのかなーって思いましたね。
毛利:しかし結局今お話し聞いて思ったのは、選手本人に響かなければねいくらまわりがガヤガヤ言っても仕方ないんでしょうね。
武田:そうですねー。やっぱりサッカーをしたい熱がねやっぱり一番あるんで。そこと並行して考えるってなると中々難しいし、どう響かせてあげたらいいのかっていうのもなかなか難しいんです。
取り組みとしたら、水戸とかが、昨年とかはコロナでなかなかできなかったんですけど、スポンサー企業だったり関係の企業とかに選手を派遣して実習体験みたいなものを行ったりとか。フロントスタッフと選手と企業の人が一緒に集まって何か一つのディスカッションじゃないですけど、ちょっとした就労体験みたいなそういうのはちょっとしたキッカケだったり社会の肌を感じるぐらいのきっかけにはなるんで。選手からしても僕は魅力的な取り組みだなと思いました。企業さん側としても、多分そこにはすごい良い影響があるとは思うんで。
そういう感じで、サッカー界とか社会とかがうまいこと何か混ざっていければ。段々と時代と時間とともに考え方も変わっていかへんかなー、っていうふわっとした感じがあります。
毛利:大きいのはこの数年で急速にはSNS例えばInstagram、Twitter、YouTube、最近だとCloubhouseっていうのも出てきて、発信が気軽にできるようになったから、セカンドキャリア・デュアルキャリアに向けたような準備もやりやすくなったのかなと思うんです。
今大剛さんは選手のセカンドキャリアをお仕事としてやられてるって聞いてますけど、実際どんな感じの今動きをされてますか?
○体育会系人材のキャリアについて
渡邉:動きとしてはですね。まだ会社はあの中途採用とか僕みたいにアスリートのデュアルキャリアで採用している在籍している選手もいるんですけれどもですね。
メインは体育会の学生の就活キャリア支援が主な事業なんですね。サッカー部の男子の体育会の子を東京の企業さんに紹介するっていうところなんですが。
その中で僕が主にやってることは、各大学のサッカー部の皆さんに(今はコロナなんで)オンラインでセミナーをやらせてもらってます。セミナーの内容は、僕がその「元プロサッカー選手」っていう部分と「サッカー選手のエージェントのお仕事」やらしてもらっているのでそのお話、あと「ビジネスマン」としてと最後には「社会人サッカー選手」としてっていうこの四つの軸からみんなに話をさせてくださいということで集客してるみたいな感じですね。
毛利:なるほど。関東の大学さんとか多いんですか?
渡邉:全国ですね。僕はサッカーでの人脈を生かして、「〇〇さん、〇〇大学の〇〇監督紹介して」とか。あとは実際に自分の同期だった奴が今関西の大学のコーチやってるとか。それで「監督さんにちょっと繋いでよー」というところからアプローチをかけてね。
人材紹介会社でそういうセミナーとか集客する会社って、大学によっては「うちは結構ですよ」って結構あしらわれたりするんですけれども、僕のキャリアはやっぱり人とは違う強みがあるんで、意外と「いいですよ。」っていうの言っていただけるので。そこでID(連絡先)を獲得してというところですね。
毛利:それは会社の中では大剛さんしかできないような動きですよね。
渡邉:そうですね。ただ実際はまだ去年の8月ぐらいにようやくそれがスタートして15ぐらいの大学でしかやれてないんで。今月も一つ愛媛の大学さんでオンラインセミナーをやらしていただいたんです。
ちょっとずつ広げていきながら。でも自分の人脈のネタも尽きてきますんで、紹介してもらったりとかをしながら、どうやってアポ取りしようかなっていうのを自分も学びながらやらせてもらってます。
毛利:紹介する先は、もうすでに会社が開拓しているクライアントがあるんですか?
渡邉:そうですね。ある程度あるんですけれども会社としてもクライアントの数をもっと増やしていかないといけないよね、って話をしています。
毛利:体育会専門の人材紹介会社って、認識されてる感じはどれぐらいあるもんなんですか?
渡邉:僕が知っているのでは、本当何社かしかないんですけれども東京で言うと「前のめり(Maenomery)」っていう会社。
武田:あぁあぁ。
渡邉:聞いたことある?
武田:この前ちょうど回ってこられて。すごい人ですね。パワー持った。
渡邉:代表は星野さんって言って。元々サッカーやってて。その人だね。
渡邉:あと何だったかな。今ヨーロッパにいる酒井宏樹選手あとマリノスからジュビロに入った大津祐樹選手2人が代表でやってる「Football Assist(株式会社ASSIST)」だったかな。
今二人はいわば顔で、その下で動かしてる人がいるんですけれども。そこも体育会系の学生の人材紹介とかっていうのをやってて、他にも何社かは聞いたことありますね。
毛利:大剛さんとこで言うと、大卒の方を新卒採用のフェーズで企業にはめ込むわけですよね。一人当たり紹介料はいくらみたいに値段を決めてらっしゃるんですか?
渡邉:えーと、値段はそうですね。ある程度決まってるんですけれども、学生によって若干の上下があるかと思います。あと企業さんによっても。
毛利:体育会系出身で中途の方も扱われてるんですか?
渡邉:そうですね。扱っています。
毛利:その学生たちのウェビナーは無料でやられるんですか?
渡邉:そうですね。
毛利:そこで集客してから、興味あったら連絡ちょうだいよみたいな感じですか?
渡邉:そうですね。
毛利:私、サンガさんと2年前ぐらいに初めてセカンドキャリアの話とかちょっとしたんですよ。取締役の細川さんと一緒に話してまして。
渡邉:ほっそん。細川さん。
武田:懐かしいですね、その呼び名。
毛利:懇意にしているKDDIの社員の方からの紹介で。その時ちょうど前の社長の時で、これからサンガの色んな収益源を模索していかなあかんなみたいな動きがあり。セカンドキャリアっていうのが一つ可能性としていいんちゃうかと。
僕はその時思ったんですけど、京都サンガの場合当時J2じゃないですか。安藤選手も石櫃選手も先日サンガでの引退を決められました。あと闘莉王選手もそうですけど。サンガで引退するっていう人が少ない。サンガを退団した後に全員の経歴を完全には追えているわけじゃないし、サンガとしてセカンドキャリアのビジネスって、トップチームの選手に関しては結構難しいんちゃうかっていう話にもなったんですよね。
その後、細川さんからアカデミー部長の本田さんを紹介して頂いて。本田さんが結構熱心で、思いつくアカデミー卒業生みんなに連絡を取って頂いて。全員に直接電話したかはわかんないですけど、恐らくいろんな人を通じてだと思うんですけど。「誰か仕事困ってる奴おらへんか?」と。そしたらサポート欲しいと言って、2人名乗りをあげてくれた人がいたんです。(その2人とは面談をしたり、実際に企業に紹介したんですけど、最終的に他の道を選ばれました。)
一方で思ったのは、これだけサンガアカデミーで出身者沢山いる中で、声をあげたのは2人やし。例えば武田さんもそうですけど、大学で立命館大学行ったら、みんなそれなりのコネクションもあるし、新卒で結構良い企業に入社される方もいると聞いたんですよ。そういう点では、セカンドキャリアがバリバリビジネスになるのは難しいなと。その時はまだ京都サンガのスポンサーをやってなかったんで、結局あんま絡めなかったんですけど、その後スポンサーになっちゃったし。
渡邉:スポンサーになっちゃったし(笑)
毛利:その時思ったのは、緩やかなつながりの中、地元で働きたいとかサンガのスポンサー企業につないでもらえる可能性があるみたいなことはまあ悪くないのかなっていうぐらいで、今後がっつりセカンドキャリアにまつわることがビジネスになりそうかっていうのはちょっとまだ読めてないんですけどね。
渡邉:そうなんですね。ステージさんとしては新卒採用とそれとも中途の方が多いですか?
毛利:会社的には新卒はほとんどやってなくてですね。
我々ってすごい大きい規模の会社じゃなくて、5人ぐらいでやってる家族経営の会社っていうのもあって。扱う案件も数多くやるよりも、エグゼクティブな方だったり、技術者でも特別な日本で何人かしかいないジャンルの方を取ってきてくれといった依頼が多いので。勿論、案件によって差はあるんですが。
noteなどに散々書いてるように、サンガ愛もあるんですけど。ただサンガ愛だけではやっぱりスポンサーやんのはちょっと会社的には難しいんです。
元々私の父が(京都サンガF.C.のスポンサーでもある)堀場製作所の人事部長だったんですけど、そのコネクションが少し古くなってしまったということがあり。父は73歳なんでもう今同世代の人事部や採用担当の方で現役でやってる人ほとんどいないので。
私なりに京都の企業さんとのコネクションがあらためて深まればいいなと思って。そういうところの方が大きいんですよ。
ところで、大剛さんは新卒の体育会系学生を対象としたビジネスが、売上の何割ぐらいですか?
渡邉:僕は集客と面談もちょっとするんですけれども。対象がやっぱりサッカー部の子なんで、プロサッカー選手の話とかやると「プロになれるにはどうしたらいいですか」って聞いてくる学生さん結構多いんですよね。なので、そういった子達をちょっとでも就活のマインドに仕向けるっていうのは僕のやらなければいけないところで。
がっつり就活したいですっていう学生さんは僕が面談というよりは弊社のリクルーターがもう面談をいた方が早いので、実際にその学生さんの性格とか行きたい企業を絞るとか、業種どこがいいっていうのを一緒に探していくっていう作業なんですね。なので、割合的に言うと多分そんなにないですし。
でも、去年は結構集客できたんですよ。ID(連絡先)獲得が多分400から450ぐらいできたんです。
毛利:そんなにできたんですね。すごいですねぇ。
渡邉:会社というチームのおかげで何とか頑張って成果出たんですけれども。そこからじゃあ実際に企業さんに紹介できたっていうのは多分本当1%ぐらいかもしれないですね。
毛利:なるほど。入り口のところを担当されてるんですよね。どっちかって言うと仕事は分業的な感じですね?
渡邉:そうですね。僕リスタンダードの社員と言うよりは、“業務委託”っていう形でやらしてもらっていて。最終的にはもう本当に集客から面談やって、アカウント企業も自分で開拓して、どこどこに送り込むっていうのができれば本当にいいよねって話はしてるんですけれども。そこまでいくのは結構時間かかるので、一歩一歩階段を上りつつ、どこかしらで“業務委託”っていうか「こういう系の学生はここ」という風に他の人材紹介会社さんに紹介できればそれはそれで面白いかなって思ったりもして。
○サッカー選手の代理人としての仕事
毛利:ところで、代理人業務っていうのはどんな感じなんですか?具体的に何人か抱えてらっしゃるんですか?
渡邉:僕が今抱えてるのは2人なんですけれども。Production9っていう会社に所属させてもらってまして。僕と僕の先輩の二人で主にをやってるんですが、弊社として抱えてるのは多分10人ちょっとぐらいだと思います。
毛利:どういうディビジョンの選手ですか?
渡邉:J3とかが多いですね。会社としてはJ2J1の選手もしてるんですけど、僕が持ってるのはJ3の選手2人。
日本の場合ですと、代理人は選手の年俸から何%といった形で手数料をもらうんです。けれども僕の抱えてる選手そんなに年俸高くないです。まだ手数料もらってないんですよ。いわゆるボランティアといますか、そのような感じですよね。
毛利:代理人のビジネスモデルをあの有名なJEBの田邊伸明さんのTwitterとかインタビューで書かれてるの見てまして。基本年収からの数%、プラス移籍金取れた時は場合によっていくらか入ることもあるにせよ、そんなネイマールやメッシみたいな金額の人抱えているのが普通じゃないから、その仕事で稼ぐのもなかなか大変やなーって思ったんですけど。
渡邉:はい、もうほんとおっしゃる通りです。海外と日本の代理人の報酬の受け取り方が違いまして、海外の代理人では移籍金が中心で選手からもらわないんですね。選手が移籍した時に発生するその移籍金もしくは違約金の数%を頂くんで。それこそネイマールが移籍した何百億の10%とかでも何十億とかなんでめちゃくちゃいい仕事だなって思いますね。
毛利:それって、代理人が何人か関わっているんですかね?
渡邉:多分関わってると思いますね。
毛利:いつか選手の代理人をやってみたいなって気持ちはあるんですけど、そんな簡単に儲かる仕事じゃなさそうですね。あえて参入するジャンルではないと思いつつ。
渡邉:でもほんとそうです。でもできるはすぐできるんですよ、毛利さん。やろうと思えばできるんですよね。儲かるかは別にして。
毛利:なるほどね。武田さんは結構有名な代理人の方がついてたっていう?
武田:有名?そうですね。あのあれです。ハリルホジッチを連れてきた人です。
渡邉:それ知らんかった。めちゃめちゃ有名や。
武田:大野祐介さんっていうんですけど、アスリートプラスというエージェント会社をやられています。
毛利:武田さん、最初大野さんから声かけてもうたのはなんでやったっけ?
武田:それはもう大野さんの事務所に入ってたその選手からの紹介じゃないですけど。そういうのが多いですね、あの事務所は。
毛利:この選手は伸びまっせみたいに言ってくれた人がいたんですか?
武田:普通に「代理人紹介して欲しいと言ってる子いるんですけど」と知り合いの選手が紹介してくれるというような入りから。大野さんの下のマネージャーで選手の一番近くマネージメントしてくれる人がいて。その方とまず面談して、選手本人がその会社の方針だったり、やり方に賛同できるんであれば「是非お願いします!」という形ですね。そんなに門は狭くないです。
毛利:代理人やられる方は、今もうトップの選手とこれから伸びそうな人とをある程度をたくさん抱えわけじゃないですか。その中で誰が伸びるかみたいな話なんですか?
渡邉:やっぱりそうですね。色々青田買いをしてとこもあります。20代でも今の選手結構早い段階から代理人ついてるみたいですね。
僕も若い時付いてなかったんですが。本当にもう京都でちょっとレギュラーとして出るようになってから代理人の方からアプローチあったので。
毛利:ちなみにどこのエージェントと契約されたんですか?
渡邉:JSPっていう会社で。
毛利:超有名な!
渡邉:そうですね。多分日本で本当にベスト3に入るぐらい大きな会社の。
毛利:サッカー界を牛耳ってるエージェントさんじゃないですか?
渡邉:よくご存知ですね。そうです。ボスからアプローチあり、他にも何人かのエージェントさんからお声かけいただいたんですね。
毛利:JSPさんに興味があるんでこっちも情報収集してて。やっぱりそのマージンが多いというと聞いてるんですけど。
渡邉:そうですね。
毛利:私の勝手な理解ではJSPさんは結構、民間企業でも大企業に近いのかなとか思ってて。
渡邉:そうです。
毛利:本当にJSPさんいたら結構職失うことはない。とにかく“人事異動”的に色々動くけど、安心感があるのかなと思ってるんですけど。
渡邉:はい。
毛利:選手側としてはどんな気持ちですか?JSPさんから声かかったっていうと、マージンが高いのが嫌やなっていう人もいるでしょうけど、どっちかって言うとプレーする機会が広がりそうっていうイメージなんですかね?
渡邉:僕が契約した時にJSPが高いか高くないかとかも全然わからずに契約したので、それくらいが普通なのかなと思ったんですが、契約した後に高かったんだなっていう風に思っていたんです。
しかし、そのぶん契約交渉でももうひと押しがめちゃくちゃ効くんですよ。「なるほど。もうこれ以上無理かな?」っていうところからさらに上がったりしたり。やっぱりお世話になって良かったなっていう風に思いましたし。
これも自分の主観ですけれども、大宮アルディージャ退団したのって契約満了だったんですよ。それがもう31歳だったんで、まだどっかしらJリーグでできるだろうと思ってたんです。しかし、JSPがどこも持って来れなくて。
それで韓国に行きました。その時はJSPでもやっぱだめなんだとか、やっぱ自分次第だなっていうにその時思いました。ただ、35歳とかになって実際にそこからチーム見つかってる周りの選手もいたりするんです。“人事異動”でどうにかなるんじゃないかっていうところも含めて、やっぱ力を持ってるのかなーと今は思ったりもしますね。
毛利:韓国行かれる時はエージェントなしで行かれたんですか?違うとこに変えられたんですか?
渡邉:JSPがアテンドしてくれましたね。韓国のエージェントグループ会社と提携してると思うんで。
毛利:なるほど。
渡邉:韓国でのサポートはそこの韓国人の方がちょっとやってくれたりとか練習見に来てくれたりとかしてくれてました。
毛利:代理人に関するこの辺の話は個人的に興味があって。ただ、正直1、2時間っていうレベルでは完結しないなって。
大剛さんからすると、私ばっかり聞いてる気がして。大剛さんとか武田さんの立場から、人材紹介会社ステージもしくは京都サンガスポンサーといういろんな観点で何か私がお伝えできることあったらとも思うのですが。
○これからの新卒体育会人材はどうしたらいいか?
渡邉:はい。わかりました。
そうですねぇ、関西で知り合いの方で娘さんとかが大学生なんで「ちょっと大剛、協力できる?」みたいな話が去年あったりしたんで、それってうちよりステージさんの方がいいのかなと思ったんですが。ただ新卒はほぼやられてないっていうことだけでしたので。自分の考えてることとギャップあるなって、さっきお話しながら思ってましたね。
毛利:新卒を全くやってない訳じゃなくて。たとえばある大阪のオーナー系の中小企業さんですが紹介した方を沢山採用して頂いているクライアントがあります。
ある時、たまたま京大のアメフト部・ギャングスター所属で、父親の知り合いの料理屋でバイトしてる学生が、留年を3回ぐらいしてしまって相談に来られて。錚々たるギャングスターのネットワークでもさすがに3回留年するとなかなか就職が厳しくなったっていう方がいたんですよね。
その人は大阪のすごい進学校を卒業してすごい優秀で、京大出てて経歴ピカピカの人やったんです。大阪のクライアントの社長の姪がその同級生ということもあって、よく知っておられたんです。物凄く欲しいと仰ったので、紹介したということがあります。結局は違う道に行かれたのですが。
渡邉:そうなんですね。
毛利:僕が何年か前知り合ったある若者(実は中学高校の後輩だったのですが)からは京都大学の体育会の組合みたいな全体を束ねている組織っていうのがあると聞いたんですよ。彼はそこのトップをやっていて、そいつ自身は一切実際の体育会の部活で活動はしないんですけど(笑)、機会あったらご紹介出来たらなと思ってるんです。
あと今、バスケットの京都ハンナリーズの社長になった方が私の小中校の一つ先輩で、一緒にサッカー部でプレーしてた人なんです。その先輩も京大のギャングスターから電通に入って、スポーツビジネスやってパリーグマーケティングなどでも仕事されていて。
サンガスタジアムの運営会社VIVAの社長さんも小中高の先輩ですし、スポーツ界であったり、色んな方との情報交換という場は設定出来ます。
渡邉:ありがとうございます!是非とも。
毛利:武田さんとは、最近よくやり取りをしてますけど。どうですか?今働いて1年経って。
武田:そうですね。ちょうど現実とギャップみたいなとこは比べるものさしがなかったんで、言うのは難しいんですけど。夢中になって頑張ってたり、楽しかったなあっていうのは極端には少なくなってます。やっぱりビジネスっていうどうしても企業だったりクラブの看板として表に出たり、やり取りしたりするていう中で、なんか本音と建前があるというか。なかなか思い通りにいかないっていうか。まだまだ1年目ですし、やりたいことができないのはもちろんなんですけれども。
毛利:それにしても、このコロナでやっぱりいろんなJクラブがかなり厳しい状況じゃないですか。そん中でもやっぱりサンガさんはその辺りの揺らぎが、そういう風に見せてない部分ももちろんあると思うけれども、圧倒的に少ないと感じます。やっぱり支える企業の規模がすごいなってますね。
ところで、大剛さんは今の品川のサッカーチームは運営も携わっておられるのですか?
○これからの渡邉大剛・武田有祐
渡邉:運営は携わってないです。
毛利:大剛さんは将来的にはサッカーチームを立ち上げようとかを運営したいとかっていう気持ちもあるんですか?
渡邉:サッカーチームの立ち上げの夢は全くないですね。僕はいま大宮に住んでるので、埼玉の方なので、将来的に自分が力つけてアルディージャのクラブの運営の方に携わるていうのは面白いのかなーって、漠然としたイメージですけれどもあるんですが。でも本当にサッカーじゃないといけないっていうのは全くないですね。
何かしらのビジネスやりたいなっていう夢はあるんですけど、もう何でもいいなって思って。逆に何かを定めないといけないのかなっていうのはあるんですが、サッカーにこだわっているわけではないですね。
毛利:武田さんの野望はずばりサンガ社長ですか?
武田:そこまで先はまだ見えてないですね。やりながらも何が本当に自分がしたいのかっていうのは模索中ではありますし、クラブに入って、まず今は営業という立場で関わってますけど。異動とか絶対ある中で色んな部署に入って今やりたいことが見つかるのか、それとも…まだちょっと模索中ですね。
漠然とですが、本当に「人のために」じゃないですけどもう単純に、サッカーしてる時もそうですけど、「人の笑顔が見たい」っていうのがあるので。そういうことを何かしら周りを巻き込んで実現出来ればな、と思ってます。
毛利:なるほどね。なんかちょっとお利口さんな回答でしたけど(笑)
武田:ガチガチのこれが本音なんですよ。
毛利:経営に携わっている者としてコメントすると、将来どの部署になってどんな仕事やるかわからないと思うんですけど、やっぱり営業でめちゃめちゃ成果出したら、その後が楽やろうなとは思いますね。めっちゃ営業で成果出した人やったら、武田君の言うことはもう黙って聞き入れますよ。
とにかく迷ったらとりあえずスポンサー増やして、売り上げ立てたらもうね。(極端な話ですが)武田さんが役員になって、松永さん(取締役/営業本部長)が部下になるってことはあり得る。億単位の個人スポンサー、例えば祇園の金持ちとかと知り合って、それをサンガに引っ張ってきたら、もう一気に一気に武田さんは出世しますよ。自分が主導権が握れるから。
私のことを言うとね、昔10年ぐらいサラリーマンやってた時に、普通じゃありえないくらいめちゃめちゃやりたい事ばっかりやらしてもらったんです。
海外(イタリア・ミラノ)に駐在させてもらったり、新規事業を立ち上げを経験させてもらったり、勿論そんなことはないんですけど、「30代まで1円も稼いでへんやろ。お金を使ってばっかりで、会社に利益をもたらしてへんやろ。」って揶揄されるぐらい会社で好きなことやらせてもらったんです。
そんな時親父によく言われたことが「結局そこで売り上げ立てへんとやっぱり会社では生き残っていけへん」ってことなんです。結局異動が多かったのは面白いことやらしてもらうけれども、結局数字・売上がやっぱり立てれないと、ダメ出しをする人達に異動させられたりするんですよ。半沢直樹みたいなドロドロした世界というのがほんまにあって。だからやっぱり何よりそこですよね。黙りますよ。売り上げたら。
渡邉:営業を頑張ることですね。私も肝に銘じておきます。
毛利:偉そうですみません。でも、絶対そう思いますよ。
話変わりますけど、今Clubhouseっていうアプリでもどこでどんな人と繋がれるかがわかんないから面白いですよね。しかもほんと今週ぐらいじゃないですか。(対談は2021年2021年1月30日に行なわれた)
今既にClubhouseやってる人と話してるのは、今一気に話題になってきて、いろんな人が入ってくるんやけど、その頃にはもう先行者利益がなくなるんで、多分この一か月とか下手したら数週間が一番面白い時期ろうなぁと。
昨日ももう眠いのに朝4時ぐらいまでちょっとだべってたんですけど。夜寝れへんからちょっと携帯開けたらピヨって、いぬゆなさんが招待してきたんで、喋ってたんですけど。まあなんかそんな色々と繋がりができたりするんですよね。
渡邉:確かにそうですね。
毛利:大剛さん、今選手とか元選手とか例えば監督とかコーチとかでどなたが親しいですか?弟さんである(横浜FCでプレーされている)渡邉千真さんはもちろんそうだと思うんですけど。
渡邉:そうです。弟は親しいですけど、弟よりも親しい選手もいると思いますし。それこそ、安藤(淳)、あんちゃんとは同い年で京都いた時もめっちゃ仲良かったんで、引退する前に実は電話もらってて。「こういう状況(怪我の影響)でもう多分引退せざるをえへんわ。」みたいな感じの連絡もらいましたし。讃岐時代の先輩、後輩もいますし。タケもそうですし。大宮でも結構連絡取ってる人とかもいますし。
監督はそんなにないです。けど、一番監督で連絡してるのは北野さんですかね。やっぱりSNSとか、あとは何かこうちょっと仕事のことで紹介してほしいって言う方がいたので、そういうお話をちょっと北野さんに相談したり。
毛利:北野さんですかぁ。私北野さんのブログのファンです。
ちなみに大宮やと誰が同じぐらいのタイミングだったんすか?
渡邉:それこそ(去年までサンガでプレーしていた)加藤順大は大宮でやってました。同い年ですし。あいつもなんかあのまま変わってるんで。色々と現役時代からビジネスやったりとか。今回マッチャモーレ京都山城ですか、監督兼選手だったり、サッカースクールとかってやってたりして。
まあノブ(加藤順大)に連絡したり、連絡来たりとか。年末のタイミングでセカンドキャリアどうすんのとかって言って。「うち品川CCのGMと話するわ」とかなんかいろいろあのそういうのあったりとかしたんですけどね。
あと今オーストラリアでプレーしている長谷川悠っていう選手なんですけど、大宮で一緒だったんですが。彼も去年ちょうど一年前ですね。セカンドキャリアどうしようかなーっていうので相談受けたりとかして。まあまあ、色々ありますね。
毛利:大剛さん、やっぱりなんかすごい話しやすい。初めましてでも話しやすいですし、人望がすごいある気がしますね。
渡邉:本当ですか?
毛利:はい。さわやかですし。
私こないだ思ったのが、千真選手と大剛選手が兄弟やっていうことを若いサポが意外に知らないんですよ。
渡邉:ああ、そうだと思いますね
毛利:ちょっとアピった方がいい気がしますよ(笑)SNSで写真出すとか。迷惑にならない範囲で。ちょいちょい家族ショットとか、あいつと何々喋ったとかって言うと絶対フォロワーが増える気がしますね。
渡邉:そうですね。それは間違いなくありますね。ちょっとそういう戦略で!
毛利:二十歳ぐらいの熱心なJサポーターの子に言ったら「あぁそうだったんですね」みたいな感じでして。
渡邉:今の若い子やっぱ知らないですよね
毛利:だから是非。
渡邉:ありがとうございます。
毛利:そういえば金久保選手は?
渡邉:あぁ、順も知っています。大宮の時に一緒にやってましたし、連絡たまにとってます。今回も結構とってましたね。順からも連絡受けて。「大剛さん、京都満了になりました。」って言って連絡もらって。
毛利:僕、金久保順モデルのサイン入りスパイクとトレーニングウェアを持ってるんです。京都サンガF.C.の選手会主催のクラウドファンディングがあって。
渡邉:ありましたね。
毛利:落札したんですよ。10万円かけて。
渡邉:あぁ凄いですね。
毛利:それで「ありがとうございます。落札しました。」ってツイートを送ったら、金久保さんがリプライくれて「コロナで運動不足ですから、これで是非運動してみてください。」って書いてくれはったんで、素直にそれ聞いて、金久保順ランニングウェアで鴨川走ったりしてます。
もし機会あったら、金久保順グッズを落札した人と喋ったでー。みたいに言っといて下さい(笑)
渡邉:いやぁ、言っておきますね。
毛利:とても応援してますと。今度水戸で10番ですもんね。
渡邉:そうですね。伝えておきます。
毛利:武田さんはどうですか。最近のなんか面白いことはなんかありますか?武田さんの目から見て、曺貴裁新監督を迎えたサンガのチームの今の状況どんな感じですか?なんか非常に良い雰囲気っていうのをSNSからも「あんちゃん」の発信で拝見してるんですけど。
武田:それに限ってはね。すごい残念な話なんですが、あの事務所自体が烏丸なんで1回も城陽で練習見れてないんですよ。だから情報量としてはほぼ皆さんのSNSやそこらへんといっしょ。
渡邉:情報レベル一緒やな(笑)
武田:あの変わったのは練習始まる前のみんながちょっとずつ入ってきてる段階での宮吉と喋ったぐらいです。
毛利:宮吉選手はやる気に満ちてましたか?
武田:そうですね。「もう今年はやります!去年すいませんでした!」言ってました。
渡邉:イメージ湧くわー。
毛利:大剛さん、宮吉選手と一緒にプレイされてますか?
渡邉:ミヤやってますね。もうあいつ多分16歳ぐらいでプロ契約高校生の時もやってたんで。多分2、3年ぐらいは一緒にやってるはずですね。えっ、タケとミヤってどういう年齢差?
武田:ミヤが一個下です。僕が今年30の歳です。
渡邉:えっ、ミヤ29。そっかぁ、そういうあれか。
武田:18歳で挨拶して。17歳か。それぐらいですね。
渡邉:そっから、12年?
武田:一回りしましたね。
渡邉:感慨深いわほんまに。
毛利:宮吉選手はもう1点取っただけでファンの喜びがすごいから。
渡邉:やっぱりそうですよね。生え抜きの選手。
毛利:昔の宮吉選手の動画とかたまにYouTubeとかで見るんですけど。めちゃめちゃロングシュートとか打ったり、ゴールを決めたりとか。すっごい思い切りがいいというか。
最近凄い周りにめっちゃ合わせるけど、もっと自分のエゴ出して欲しいなって、個人的に思うんですけど。すっげぇいいパスとか出すんですけど、なんかハーフェーラインから強引にドリブルしてシュートするのを見たい。そういうのがちょっと少ないなーって思ったんですけど。プレイスタイルって変わるもんですか?
渡邉:やっぱり変わると思います。今毛利さんがおっしゃられた「もっとシュート打ったらいいのにな」とか「自分でいったらいいのにな」とかって、若い時ってそういうのが多かったりするんですけど、年齢重ねてくれてば経験積んでくるんで。いい意味でも周りのこと考えられるようになってくると、大胆さっていうのがどんどん消えてくるんですよ。
毛利:あぁ、そうか。パスコースが見えちゃったら、こっちだした方が決まりそうやなみたいに。
渡邉:そうです。それが本当はいいと思うんですけど。でも、見てる側からすると、まあそれも大事なんでしょうけど、「もっと思いっきりの良さをみたい」とか「昔はこうやったのに」っていうそういうのはめっちゃ思うと思います。
僕も京都の時にミドルシュートを調子に乗ってめっちゃ打ったのが、打たんくなったのは多分そういうのもありますね。打てなくなったっていうのもありますけど、ここで打つよりももう1個パス繋いだ方が確実やなーっていうのが見えてくるようになったんで。それが多分ミヤの領域は今そういったところなんじゃないかなと思いますね。
毛利:なるほどねー。勉強になります。
渡邉:ミヤも立場的にも多分上の方になってきたので。
毛利:武田さん、今年は優勝できそうですか?
武田:もちろん。
渡邉・毛利:おぉ。素晴らしい。
武田:もうそれしか見えてないですよ。もうジェフさんなんかは置いていきます。そろそろバイバイします。
毛利:今年はいい感じやね。選手もレギュラーなるのは大変でしょ?あんだけ選手が集まったら。
武田:そうですね。
毛利:出て行かへんかったもんね。たくさん採ったけれども。
武田:だからよく言われるのが監督に選手がどれだけついていけるか。身体的にも。そこがついていければ、たぶん来年は上のカテゴリーでやってるんじゃないかなって。
毛利:あぁ、そうか。怪我とかあったり。
武田:そうですね。体が追いつかないだったり、回復が追いつかないとかもそういうのも含めて。まあそこら辺のマネジメントは曺さんも含めて、ヘッドコーチもできる人達だとは思うんで心配はしてないです。
毛利:大剛さん、サンガの試合サンガスタジアム見に行かれたりします?
渡邉:いえ。めっちゃ行きたいんですけれども、まだ行けてないですね。
毛利:もし関西来られる時あったら、是非ご一緒させてください!
渡邉:サンガスタジアムで一緒に観戦ですね?
武田:多分毛利さんがめちゃくちゃ高い部屋を使ってくれると思うんで。
渡邉:VIPルームあんの?
武田:お部屋付ご飯付と。
毛利:VIPルームは去年はめっちゃディスカウントされた時に「これやー」みたいな感じで、その時だけ取りましたけど(笑)
渡邉:やっぱそういう観点になるんですね。経営者の方とかは。自分が使ってというよりはその自分の知り合いの人に提供してとか。
毛利:細川さんともう2年前以上から話しているんですが、細川さんはヨーロッパでスタジアムが社交の場になってるっていうのご自身が見てきはって、結構今回のスタジアムの構想にも関わってこられたっていう話も聞いて。
僕もヨーロッパを旅した時にそういうスタジアムを見てきたんで。スタジアムで「VIP席あるで~!」みたいにすると誘いやすいとかね。サッカー見て、その後食事また行きましょうかみたいなことも出来ますし。最大限それを活用していこうと。
渡邉:そうですね。
毛利:勿論コロナ対策はしっかりしてですが、昨年の最終戦15人ぐらいで見に行きました。
渡邉:そうなんですか。そんな入るんですね。
毛利:それはもう普通にバックスタンドの方だったんですけど。
渡邉:VIPルームじゃなくて。
毛利:VIPルームも15人は入るよね?
武田:最大24人ですね。コロナなければね。今マックス12で。
毛利:私もなかなか今はめったに東京へはいけないですけど。何かこういずれイベントがあったりしたら。
渡邉:東京来られる際、是非ご連絡いただければと思います。出て行きますよ。
毛利:ありがとうございます。サンガユースの前監督だった前嶋さんっていう方が今年横浜FCのヘッドコーチになられたんで。
渡邉:そうなんですか。
毛利:サンガのバス広告をやらしてもらった時のU-18監督が前嶋さんです。前からTwitterなどで一方的に知ってて、ちょっとこう個人的にすごく気が合う人で、喋ってて仲良くなったんですけど。今度また横浜FCの試合見に行かしてくださいって言ったら、「是非!」と。サンガさんを通じて、こう色々広がって嬉しいなみたいな。
渡邉:横浜FCは弟もプレーしているんで。
毛利:あぁ、そうですね!
そろそろお時間ですかね?お忙しい中、ありがとうございました。
渡邉:とんでもございません。こちらこそありがとうございました。
毛利:またじゃあスタジアムでお会いできたら嬉しいですね。
渡邉:はい。
武田:是非是非お待ちしております
毛利:武田さん、日々色々サポートしていただいてありがとうございます。
武田:いえいえこちらこそありがとうございます。もっとできるように頑張ります。
毛利:今日は楽しかったです。
渡邉:本当に良かったです。
毛利:よろしければこのZOOM飲みは気軽にできるのかなと思いますんで。またちょっと頃合いを見てもまたできたらと思いまして。
渡邉:はい、わかりました。
毛利:またその進捗もあると思いますので。今日は本当に貴重なお時間ありがとうございます。
渡邉:はい、ありがとうございます。