#7 十五夜チームとは何者なのか yui_tang に聞いてみた【STAFESおくのほそ道】
「STAFESおくのほそ道」と題しまして、「スタフェスで働く人たちってどんな人なの?」をテーマにお届けしていきます!
これはソフトウェアエンジニアの吉藤がホストするPodcast、Radio STAFESのシリーズ「STAFESおくのほそ道」の公開と合わせて、一部内容を記事化しています。
第7回目のお相手は、yui_tangさんです。
十五夜チームについて
吉藤:
もう3年経つんですね。早いですね。
今日は、yui_tangさんが所属している十五夜という特殊な名前のチームについて、どういうことをしているのか聞かせてください。
坂本:
以前KAGUYAについて語ったメンバーがおくのほそ道に登場していると思うんですが、十五夜はKAGUYAと密接な関係にありまして。KAGUYAってかぐや姫のかぐやで、十五夜も9月の十五夜なので、共通点として月を連想できるかなと思います。
我々はそのKAGUYAというプロダクトをスタフェスの基盤として完成させるために頑張っているんですが、そこまでに至る道として既存のプロダクトのデータであったりとか、プロダクト自体であったりとかを、KAGUYAへどんどん移行していかないといけないんですね。
そのプロセスにおいて、かぐや姫が月に旅立つのが十五夜だということで、十五夜というプロジェクトチームが立ち上がっており、KAGUYAとは別に、既存のサービス基盤を移行していくための仕切り直しや、新しいプロダクトを実装するということに取り組んでいるチームです。
吉藤:
名前が雅ですよね。
坂本:
本当ですね!KAGUYAも十五夜もそうですけど、CTO のセンスですよね。命名プロセスはよくわかっていませんが。
吉藤:
スターフェスティバルですからね。七夕関連の名前が付くことが多いですよね。
具体的にyui_tangさんはそのチームでどういう役割を担っているんですか?
坂本:
チームの中では一ソフトウェアエンジニアとして、 PM の方針のもと、プロダクトをゴリゴリ実装していくというところに注力しています。
その他にスクラムマスターとかいうところも担ってはいるんですが、主にプロダクトを実装しています。
吉藤:
KAGUYAに移行していくためのプロセスとして、その道筋をつける開発みたいなことだと思うんですけど、具体的にどういう開発をしているんでしょうか?
坂本:
スタフェスってプロダクトの数が多くて、サービスとして出ているものがいくつかあるんですけど、それ以上に、想像を超える数のシステムが裏で動いているんですよね。
まず、チームや保守体制がなかなか継続していない経緯がありました。なので、かつて実装された、今は誰もなかなか見ることがないプロダクトがいくつかあって、それらのデータを整理することで、少しずつ少しずつ過去のものを削除したり、統合したりしていくという流れの中で、今我々がメインでやってるのは、「ごちクルBusiness」というプロダクトの実装です。
「ごちクルBusiness」というプロダクトが何か?ということなんですが、基本的にスタフェスは、「ごちクル」のビジネスの上で toB 向けの大口のお弁当受注をしています。ただ、サービスの中で、会社情報をシステム上まとめあげられてないんですよね。「どの法人がどれだけ発注してくれているか」がデータとして保持できていないんです。
そこで我々は、「ごちクルBusiness」というプロダクト/プロジェクトの中で、法人単位にアカウントを作って、その下に紐づくごちクルアカウントで、皆様から受発注をいただくことによって、それぞれの企業様がどのように「ごちクル」を利用しているのかという情報をまとめる動きをしています。例えば請求をまとめたりとか、担当者間の情報をシェアしたりとか。そこからロイヤル顧客と言いますか、注文頻度の高いお客様の情報を解析して、よりサービスの利便性向上に繋げていく、というようなことに取り組んでいるプロジェクトが「ごちクルBusiness」です。
吉藤:
元々「ごちクル」は、担当者のアカウント単位でしか購入できなかったということですよね。その「ごちクルBusiness」っていうのが開発が進んでいくと、結果、どういうデータ活用や利便性を提供できるんでしょうか。
坂本:
まずは請求周りをまとめることができるっていうのが一つ大きいところですかね。現状はユーザーアカウントに紐付いて請求されるので、企業様で「ごちクル」を使っていただいている場合でも、例えば請求書支払いの煩雑性がすごい高いんですよね。「ごちクルBusiness」が正式リリースされたら、例えばコーポレートカードのような、そのビジネスアカウントに紐づいた統一的な支払い方法が可能になるので、社内での請求プロセスが簡略化できます。
他には、例えば社内で「ごちクル」を使ってくれている担当者が複数いる企業様の中では、「どのお弁当が人気があるの?」とか、「この間のミーティングで頼んでくれたお弁当はどれなんだろう?」とか、そういうお声をいただくこともあるんですね。それを、ビジネスアカウント経由で別の担当者が知ることができるというのも、現状口頭でのやり取りや ”よしな” にやってもらっている状況なので、そこを実現できたりとか。
それ以外だと、「ごちクル」をたくさん使ってくれている企業様の情報っていうのを、我々がまだちゃんと認知できていないので、よりサービスの利便性向上を目指す中で、施策を打つためのデータ収集っていうところが大きな価値になってくるのかなと思っています。
吉藤:
よりユースケースに踏み込んだような開発ですよね。
「ごちクルBusiness」において、苦労した点や、ここ難しかったなっていう点はありますか?
坂本:
絶賛開発中というところではあるんですけど、「ごちクル」っていう既存のサービスに対して、機能を実装している中で、「ごちクル」自体の設計・実装に引っ張られるところがあるので、元々そういう機能が入ることが前提となっていないので、そのあたりはちょっと大変だったかなあと思います。ただ、まだまだこれから出てくるだろうなって感じですね。
現在利用してくれている方たちが移行してくれる前提で言うと、使っていただければ絶対にプラスになると思っているものの、まだまだその体験を提供できるところまで届いていないので、ここからかなというところです。
吉藤:
なるほど。「ごちクルBusiness」のリリースは半年ぐらい前でしたっけ?
坂本:
「ごちクルBusiness」のα版のローンチは、昨年の年末でしたね。
吉藤:
そこから開発は進んできていると思うんですけど、今後どういう方向に展開していきたいと思いますか?
坂本:
最初のα版でリリース優先だったので、ちょっと荒く作ってしまったもののリリースされたものがあるんですけど、今、仕切り直しで結構な部分を作り直しているっていうプロセスなんですね。
そのお陰で、足踏みとまでは言わないですけど、開発スピードっていう意味でも膝を曲げてしゃがんでいる状態なんです。なので、ここから急激に開発スピードが上がって、色々な機能提供ができていければいいなというタイミングだと思っています。
吉藤:
プロダクト開発で最初にリリースするまでのスピードを重視されてたかなって思うんですけど、諦めた部分ってあるんですか?
坂本:
めちゃくちゃいっぱいあります。技術選定とか、コードの品質とかもそうですし、常にだと思うんですけど、チームメンバーの練度や経験とのトレードオフであったり。もちろん私も含めてなんですけど。
あとは、今作り直してるって話もしましたが、既存のアプリケーションに実装していたものを今切り離して新規で実装してるんですよね。実はそれも、リリース優先で今後絶対に作り変えることが見えてるんだけれども、まずは実装をしてリリースしてしまおう、というような判断をしたっていう意味では諦めた部分に含まれますね。
スタフェスの歴史を感じる瞬間
吉藤:
「ごちクルBusiness」から転じてなんですけど、十五夜チームの今のミッションって先ほど仰っていたように、KAGUYAへのリプレイスの道筋をつけることだと思うんですけど、yui_tangさんってこれまでにスタフェス以外でもそういう経験されてきましたか?
坂本:
リプレイスの経験自体は何度もしてきていますね。
吉藤:
あるあるとか、逆にスタフェスならではの、とかありますか?
坂本:
スタフェスでは、作ったプロダクトに対するステークホルダーが、そのプロダクトに関わらないままビジネスだけが成長してきているというプロダクトやシステムがいくつもあるので、ナレッジが属人化していたり、経緯とか過去のコードが古文書解析みたいになっていたりがあるのは大変ですかね。コード自体に歴史もあるので、解析に骨が折れることはありました。それをどんどんどんどんなくしていっているフェーズです。
吉藤:
スタフェスも歴史を感じますよね。
坂本:
本当に歴史がすごいですよね。つくづく感じるんですけど、ビジネスがここまで成長しているっていうこと自体は、会社にとってはすごい可能性だと思っているので、ビジネス開拓という面でものすごく優秀な人が会社に揃ってるんだなあというところを痛感していますね。なので、プロダクトもそこに追いついていきたいという思いです。
吉藤:
確かに僕も仕事をする中で、フローの経緯を紐解いていくと、厳密に紐解くことはできないんですけど、最終的には10年以上前からこうしてますという不文律みたいなものに辿り着くことがあります。“あるもの” を疑ってかかるのが結構大変なんですけど、面白いところでもありますよね。
今後に向けて
吉藤:
最後に、yui_tangさんが個人的にこのチームで開発していきたいこととか、どういう風に進めていきたいみたいな思いはありますか?
坂本:
さっきも話しましたけど、十五夜チームでどんどんどんどん新しいプロダクトに置き換えるっていうところをやっていて、ここ最近はだいぶモダンなプロダクト開発を体験できているなと思っています。
なのでこの開発体験はもっと広く色々な人に携わってもらえるような環境になってきてるんじゃないかなと思ってるので、単純に開発メンバーを広く受け入れられたら、もっとスピード感もった開発がしていけるなあと。
今、痒いところがめちゃくちゃある一方で、手が出しづらいところも「どうすれば実現できるか」を考えるだけでなく、現実的に解決できることが増えてきているので、たくさんの人の力を投入してチームを大きくしていけたらなと思っています。
吉藤:
やりたいことは無数にあるという感じですよね。
モダンな開発というのは、具体的にどんなことをされていますか?
坂本:
最近のスタートアップだと当たり前のところもあると思うんですけど、 TypeScript 中心で開発している中で、最近チームメンバーの提案から始まったのが tRPC の使用なんですよね。REST でもなく GraphQL でもなくて、 tRPC を使っているっていうのは、チャレンジとしても面白いし、もちろん単純に便利だし、ようやくプロダクトアウトしても問題ないかなというようなものになってきているんだと自分も感じています。
そういうものも含め、まだまだプロダクトアウトしてない状態から、例えば Storybook とか当たり前に使ってますけど、最近 Chromatic っていうサービスとかも使って、 Storybook を皆でシェアして CI に組み込んでとか、やってる企業はやってるんだと思うんですけど、スタフェスでも取り組み始めてるチームがちらほら増えてきていて、開発が可視化されたりとか、 CI も充実しているので、開発しやすいなと感じていますね。
吉藤:
今日はあまり社外には知られていないような開発のお話が聞けたので、すごい良かったと思います。
またお話聞かせてください。ありがとうございました!
坂本:
ありがとうございました。
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編集者から
最後までお読みいただきありがとうございました!
yui_tangさんも言っていましたが、前回のahiruさんによるKAGUYAのお話とも繋がる内容でしたね。
インタビュー内で、「体験を提供する」という言葉が出てきたと思いますが、筆者はこの言葉がすごくストンと落ちてきました。
食べものや食事シーンが溢れている現代で、スターフェスティバルを介してサービスを利用してもらう理由って細かく挙げればいくつもあると思うんですけど、スタフェスはさらに先を見ています。
例えば、「ストレスのない購入」や「誰かに伝えたくなるほど感動した食事」、「また利用したいと思えるようなクルー(スタフェス社員)の心配り」を提供できたら。お客さまの立場から言うと、そういう体験ができたら。想像するだけでわくわくするし、心が踊ります。
ただ、その世界観を早く実現したいと思っていても、思い描くところまでいったら、またわくわくしながら新しい世界観を目指し始めるんですよね、きっと。
「ごちそうで 人々を より 幸せに」って、そういうことだと思いますし、それがスタフェスの一つの価値(バリュー)だと思っています。
スタフェスおくのほそ道、今回は十五夜についての回でした。
次回もお楽しみに!!