練習の600mTTは走れるのに試合の800mは思ったように走れないあなたへ
練習の600mは〇〇秒で走れるのに800m全然ダメなんです。
というのは800mランナーに関わっているとよく聞く話です。
この問題について考えてみましょう。
そもそも練習で600mTTを取り入れる理由はなんでしょうか?
様々な理由があるとは思いますが、共通しているのは現状把握だと思います。
では、600mTTをすることで800m選手としての何が分かるのでしょうか?
少し考えてみてください。
・タイムが伸びたら成長を感じることができる。
・能力が上がっていることが分かる。
とかでしょうか。
でも、600mが速くなることによって、800mが速く走れるようになる保証はどこにもないですよね
600mを走る能力は上がっている。でも800mは速くなっていない。
ということは、足りてない何かがあるんでしょう。
要因は山ほど考えられますが、あるあるのケースを考えてみます。
・600mのペースと800mのペースの乖離
600mTTをするとだいたいみんな前半から突っ込みます。
400まで攻めて、あと200は耐える。みたいな展開になりがちです。
おそらく600mのタイムを求めるのであれば、その作戦が良いのだと思います。
そうすると、400mの通過タイムが800mの時の400m通過タイムと大きく乖離することが多々あります。
もっと言えば、200mの通過タイムはさらに乖離します。
フォームも全然違うことすらあります。
例えば1.50くらいを狙う選手の場合、400mを53〜54、600mを81くらいで通過して、ラスト200を29秒台で、みたいなケースが多いと思います(それが理想的な展開かは置いておきます)
それくらいのレベルの選手が練習で600mTTをすると51くらいで入って、27くらいで粘って78とかになりがちです。
この時の400m51秒と53秒が同じ動きで走れている選手であれば、600mは有効に使えるかもしれません。
しかし、今回のような悩みを抱えている選手は、動きが全くの別物になる選手が多いように感じます。
そうなると、なかなか600mのタイムを上げても800mのタイム向上には繋げれないのでは?と感じます。
この選手の場合は「600m81秒の余裕度が上がる→ラスト200もしっかり動かせるようになる」が大切だと思うんです。
それが600mのタイムをガンガン上げていくことで繋がるのであれば、TT形式で取り組むのが良いと思いますし、レースペースの中での動きを洗礼させていくのが必要なのであれば、TT形式ではなく、81秒の再現性を高めていくような練習が必要かもしれません。
自分の「レースペースでの苦しい場面の身体の動かし方」が再現できるペース帯を把握しておくことは大切だと思います。
長距離種目は「いかに苦しくならないか」を考えることが大切だと思いますが、中距離は「苦しくなった中でいかに動かせるか」のテクニックが大事なのではないかと思っています。
暴れるようにもがきながらも粘れる選手もいれば、丁寧に動かすことで失速を防げる選手もいます。
そこは各々のテクニックだと思っていますので、いかに技術練習を行うか。
600mTTを800mの技術練習とするためのペース設定を考え、再現性を上げていけると乖離は減ってくるのではないかなと思いますし、600mをタイムだけ追うこともなくなってくるのかなと思います。
もちろん、タイムを求めて自信を付ける作業もとても大切ですけどね。
やはり大切なのは毎回の練習の目的意識です。
あくまでも一つの考え方ではありますが、そんな考え方もあるよなー。と思ってもらえましたら幸いです。
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