長く続いている運用型広告の定例会の中身とは!?
弊社は運用型広告の運用代行も行いますし、インハウス支援で、インハウス側として広告代理店との打ち合わせに入ることもあります。前職を含めてこれまで広告代理店との報告会は数十社出席しています。
そこで、取引が長く続いていく代理店と、すぐ終わってしまう代理店では報告内容に違いがあるのか?考察してみましたのでご一読ください。
まずある一定レベルの成果が出ていることが大前提になります。
取引が長続きする代理店の報告会は資料も話しも無駄がありません。一例としてどんなアジェンダになっているのかお伝えしたいと思います。
前月のクライアントの成果確認
toB、toC、ECでは成果確認は微妙に違うのですが、多くの会社は運用型広告のみで集客している訳ではありません。そのため、会社全体を通して事業はどうだったのか。目標達成したのか未達だったのか。などが焦点となります。残念ながらクライアントの全体の成果確認をしない運用者もいます。あくまで全体の中の一部を担当している訳ですので、マーケ全体で目標を達成したのかどうか確認しましょう。
マーケ担当者の目標であれば、例えばCV〇〇件を達成したとしても売上が達成されないことも多々ありますし、マーケ担当者の目標は未達でも会社としては達成ということも多々あります。
例えば保険にはANP(Annualized New business Premium)という指標があります。新契約年間換算保険料のことで、月10,000円の保険料なら、ANPは年間なので12万円になります。
そのため、目標のCVは目標クリアしたが、ANPが低くて売上は未達ということも考えられます。逆にCV目標には達しなかったが、ANPが高い加入者が多く、目標金額は達成というのも十分考えれます。
その際、ANPが高い人は男性なのか女性なのか?年齢層はどうなのか?地域に偏りがあるのかなど聞くと、ボリュームゾーンは20代だが、40代のANPが高いから40代にもっと訴求したいという話しが出て来ます。
(上記を受けて)受注している運用型広告の全般の概況
多くの場合、代理店側にもCV数、目標CPA、その月々で強化したいポイントも指定されていることもあります。
そのため、広告全体として
・目標達成の有無
・目標達成してもしていなくてもその要因
・前月からスタートした施策の進捗状況(バナーのテスト、広告文追加、ターゲットの変更など)
・全体を通して実施した施策(広告文の入れ替え、キャンペーンの追加など)
・報告会までの当月の進捗状況
を伝えます。
個別施策
全体の施策の後、Google広告、Yahoo!広告、それぞれの検索とディスプレイなど、各施策の成果を報告。
ここは特に成果の良かったところや悪かったところ、または強化したいといったところを中心に話しをします。個別施策についてはあまり重要でないことが多いです。
CVに至った広告文
広告文では拡張テキスト広告のサポートが終了し、レスポンシブ検索広告が主流となっています。レスポンシブ検索広告では組み合わせごとの成果が見えない仕様であり評価が難しい面があり、加えてオプティマイズを利用していたりとなると評価が困難になってきます。ですが、レスポンシブ広告全体として、どういった訴求のCVRが良いのか、クリック率が良いのかが分かると、運用型ではない他の広告に訴求を活かすことができるようになります。また、クライアントが想定していなかった訴求の成果が良かったというケースも多く、クライアントは新たな気づきを得ることができます。
CVに至った検索語句
短期で終わってしまう代理店の特徴として、検索語句の一覧のデータを持ってきて、説明がないことが多い傾向があります。検索語句にはリスティング広告の成果改善だけでなく、サイト改善やコンテンツの制作のヒントの宝庫ですので活用しない手はありません。
長続きする代理店は、例えば以下のようなところまで言及することがあります。
・CVに至った検索語句「◯◯」の検索している人の意図は〇〇である可能性がある。今のLPに〇〇といった文言を追加するともっと取れるかもしれない。
・競合他社名で取れてしまったが、実際の営業現場でもその会社とバッティングしているのか?バッティングしているようなら、その会社の訴求と自社の訴求何が違って、ユーザーは何を検討しているのか?
・CV数は少ないがコンスタントに取れている検索語句があれば、ブログ記事にしたり、コンテンツ追加の提案をする。
検索語句についてはアトリビューションモデルをラストクリックにしていると広がりはありませんが、データドリブン、減衰、線形などの場合はキーワードの意図を読み解くと、広告運用改善のヒントが多数出て来ます。
競合分析
検索広告上で新しく出て来た競合のサイトや、前月に比較して大きく広告をかけてきたと思われる企業の情報を伝えます。
検索キーワードが同じだけで、ターゲットが全く違うから問題ないという判断になる場合もあるし、営業からは最近よく聞くサービス名と聞けば、その企業のWebサイトやLPを調べて、クライアントとどういう違いがあるのか、どういうところが魅力に映っているのかなど、広告運用者の立場から意見を述べます。
その他
前月までの結果と、それを受けて当月実施している施策を報告します。(上手く行っていて変更が無ければ変更無しでもOKです。)
クライアントからの要望をヒアリング、Web業界やクライアントの業界で目にした気になるニュースなど。新しい提案も最後に行います。
取引が上手く行っている代理店の一例です。これらの内容を盛り込んで話しをするとクライアントの満足度も高いです。
他にも色々アジェンダはあると思います。良かったら自分の会社はこんなアジェンダでやってるなど教えてもらえると嬉しいです。