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渋谷カウントダウン2019 観測報告
あけましておめでとうございます!!
2018年のハロウィンでも観測報告を書かせていただきましたが、今回は2019年の「渋谷カウントダウン」を街頭にて観測してきたので報告させていただきます。カウントダウンはハロウィン以上に多くの商業施設、宿泊施設、アミューズメント施設、飲食店などが参画しやすい機会でもあり、魅力的な趣向を凝らしたカウントダウンイベントが様々な形で行われています。
一方の渋谷で行われるカウントダウン。ハロウィンで軽トラを横転させた4人の暴徒を逮捕したニュースが12月に入って報道されたり、規制論もささやかれたりする中、渋谷のカウントダウンは果たしてどうなってしまうのか。その実態を確認すべく、渋谷の街で観測を行ってまいりました。
大晦日でも、夕方はただの年末。
夕方から入っても、ただの年末のにぎやかなただの街で、カウントダウン感はそこまでなく、街のいたるところに交通規制用の柵が道路脇に配置されているのが確認できました。地下道ではその後の戦いに備えて座っている人々も散見されました。
21時頃からの「いよいよ感」!参加者も警察も。
19時頃からハチ公前は人が溢れるようになりはじめ、車道および歩道の交通規制が始まったのが21時頃です。人が溢れるだけでなく、様々な人々が参戦していました。
フリーハグの人たちだったり。
喧騒の中猛烈に勉強をし続ける受験生だったり。
漫画を楽しく読んでくれる人だたったり。
もう本当にカオス。
センター街ではラーメン屋さんの前でテキーラが販売されていたりしていて、来るべき24時に向けて祭りへの熱量が高まっていくのを感じました。
徐々に封鎖され、分断されていく。
ハチ公前、センター街、道玄坂。時間が進むに連れて、道がどんどんと封鎖されていき、さっき来たところに容易に戻れない状況となりました。ちょっとした怖いゲームみたい。
意図せず分断され、移動できなくなった人たちのフラストレーションは激しく、警官と揉める人、乗り越えようとする人、それでも諦めずに抜け道を探し続ける人、様々な人がいました。壁を設置した後にスクランブル交差点を映したモニターを設置してくれたのは、配慮であり、防犯であるという、2つの意図があったかもしれません。
渋谷街頭ビジョンによるカウントダウン
23:55、いよいよ日付が変わる5分前。スクランブル交差点を囲む街頭ビジョンでカウントダウンが始まりました。
綾瀬はるかさん、竹内涼真さん、池田エライザさん、菅田将暉さんからのメッセージなども挟みつつ、カウントダウンが進行していきました。
そして、ハッピーニューイヤー!!
「ハッピーニューイヤー!」、「あけおめー!」、「あけましておめでとうございまーす!」といたるところで声があがります。とても祝祭感とお祭り感の溢れるカウントダウンイベントとなりました。
「楽しみ方の単一性」と「時間の限定性」
渋谷で楽しむカウントダウン。
よくよく考えてみると、基本的な楽しみ方って「たくさんの人たちが集まって、カウントダウンしながら年越しをする」だけなんですよね。そこに付随して、飲んで、騒いでがついてくる。ハロウィンも「仮装をする」だけなんですけど、仮装にはバリエーションがあるし、撮ったり、撮られたり、仮装を中心としながらも、楽しみ方を広げていく余地を残しています。でも、カウントダウンは、時間を数える位しかやることがないんです。でも楽しい。この「楽しみ方の単一性」は渋谷カウントダウンの個性に繋がる特徴だと考えられます。
そして、ハロウィンは「10月31日」という認識はあるものの、「○○の日」みたいな名称でないからその意識が低いのか、その前の週末くらいから盛り上がりを見せます。そして、あくまで「この日・期間」に楽しむものであって、「この時間」に楽しむという概念は存在しません。この「時間の限定性」もまた、大きな特徴の1つです。
「この時間に、これをすれば楽しい」と楽しみ方がシンプルにわかりやすいからこそ、渋谷カウントダウンはハロウィンよりはるかに瞬間の盛り上がりが強く、その前後の時間軸での盛り上がりが弱い。すなわち、「瞬間最大風速性」の強い現象となっていると推察されます。
やはり主催者不在であった渋谷カウントダウン
渋谷区は「渋谷年末カウントダウンに関するお知らせ」としてお知らせを公示しています。そこにはリリースなども掲載されており、渋谷区の取り組みが表明されています。リリースの詳細を追っていくと、主催は渋谷区と渋谷区商店会連合会、が渋谷エリアマネジメント協議会からなる「渋谷カウントダウン実行委員会」が主催をしていることがわかります。また、イベントは「YOU MAKE SHIBUYA COUNTDOWN 2018-2019」として名づけられ、コカコーラをはじめとするいくつかの企業協賛を受けていることがわかります。
渋谷年末カウントダウンは、大みそかの深夜から年明けにかけて、渋谷駅周辺で秩序ある賑わいを実現するために、官民が一体となって取り組むイベントです。年末カウントダウンの実施に伴い、渋谷駅周辺で車両の通行規制等が行われ、区民の皆さんや渋谷を訪れる人が安全・安心に新年を迎えられるように、渋谷駅周辺は一部の車道が歩行者に開放されます。
実行委員会の取り組みが端的に表現されたものが上記のサイトからの抜粋ですが、主催側の唯一にして最大の提供サービスが「交通規制」であるということに気づかされます。そんなイベント、なかなかお目にかかることができません。大規模な交通規制がかかるものに「花火大会」がありますが、それにしても「花火」という主催側が提供する花火というコンテンツがあります。「イベントを主催します!」と宣言はされているものの、イベントの中核となる何らかのコンテンツを打ち出す訳ではない。あくまで「勝手に来る群集」によって生み出される現象こそが「渋谷カウントダウン」の本質であり、そんな現象を主催者として手を挙げ対応していく街の覚悟みたいなものを感じました。
「現象に協賛する」という協賛のカタチ
いくつかの企業はこのカウントダウンに協賛をしています。
企業のラインナップについては渋谷区からのリリースをご覧ください。
特にコカ・コーラ社についてはビジョンのジャックの他、フェルトでできたハットやLEDのカチューシャの配布、オリジナルの福ボトルの配布、エコステーションの設置、事後の清掃活動など、多岐に渡る方法でアプローチをされています。具体的な内容については、事後に発信されたリリースに詳しく書かれています。個人的には、ハットのグレードが昨年の紙製のものから段違いにあがっていることが印象的でした。
渋谷カウントダウンという現象において、企業は決してイベントの主にはならない・なれないと考えますが、勝手に集まり楽しむ人たちをサポートする、その向き合い方や距離の取り方など、コカコーラ社の取り組みは示唆を多く含んでいるように思います。
カウントダウンが終われば、2019年の始まり。
ハロウィンも現象であったように、渋谷カウントダウンもまた現象です。現地にいた方はわかると思いますが、半端じゃない寒さの中、「楽しむぞ」という熱気がすごかったんです。カウントダウン終わった後、熱気と共に街の色々な飲食店、クラブ、カラオケ、初詣、初日の出など。それぞれの行き先に散っていく人々を見ながら、いよいよ2019年が始まったことをしみじみと感じたりしていました。人々の体温が感じられる距離で、私自身も2019年を生きて行けたらと思います。
改めまして、本年もどうぞよろしくお願い致します。
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![すずき そうた。](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/130548236/profile_38bcd0d4c8ff1b1776db20ed686a244c.png?width=600&crop=1:1,smart)