栄養サポートチーム(Nutrition Support Team:NST)をご存じですか?
皆さん、いかがお過ごしですか。
言語聴覚士の八田です。
私は、在宅療養されている方のお家に訪問して、リハビリテーションを提供しています。
今日は私が病院に勤務していた時の医療チームの事。栄養サポートチーム NST(Nutrition Support Team)って何?というお話です。
私が一番最初に就職した病院は、(学生時代の実習先でもある)広島県内の公立病院でした。日本で最初に「地域包括ケアシステム」が提唱、実践されたところです。病院には、保健福祉総合施設が併設されており、私は急性期、回復期病棟勤務を経て、有床診療所(リハビリセンター)と特養の兼務をしました。老健と訪問リハ、デイサービス、緩和ケア病棟の勤務は出来ませんでしたが、結婚が決まり京都に戻る5年間大変お世話になりました。
どこの病院もそうかも知れませんが、入院患者されている方の半数近くが低栄養状態にあり、また、寝たきりの方も少なくありません。栄養状態が悪いと治療効果が得られにくいため、治療効果を高めるためには1人1人に合った適切な栄養管理を考える必要があります。
そのような患者さんの栄養を皆で考えるのが、NST!「Nutrition Support Team(栄養サポートチーム)」です!
NSTは「医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・医事課員・歯科医師・歯科衛生士」等の多職種で構成され、専門知識を生かし、主治医に対して様々な栄養療法を提案する連携チームです。
私は1年目の時に、このNSTチームのメンバーとして回診や会議に参加する事になりました。
時を同じくして、急性期病棟で脳血管障害、嚥下障害の方を担当しました。栄養管理は抹消輸液のみ。一緒に担当した理学療法士の先輩にこう言われたのを覚えています。
「おい!あの患者さんは、いつになったら飯が食えるんじゃ!このまま飯が食えなかったらいつまでたっても(運動の)リハビリ出来ないだろうが!(ボケ)」
決して口が良いと先輩とは言えませが(笑)本当に色んな事を教えてもらいました(笑)
そこから私は色々考えました。
《この患者さんが元気に会話が出来て、口からご飯を食べられるには、私はどうしたら良いのだろう?》
上司や先輩から学び、経験を重ねていくうちに、どのタイミングでどんなリハビリやサポートをしたら良いのか、少しずつわかるようになってきました。
断言します。栄養状態が悪い中でリハビリを行っても効果は期待出来ません。
院内の研修体制が整っていた事も新人の私を後押ししてくれました。嚥下と切っても切れぬ栄養サポートについて基礎から学ぶ事が出来ました。
京都に戻った時も、NSTが活発な病院に勤務する事が出来ました。病院が変わるとやり方も異なりましたが、新たな発見や学びが沢山ありました。
とにもかくにも。
「リハビリするには栄養が大事」
これは病院勤務経験で学んだ事ですが、訪問に出ている今も私がとても大切に考えている事です。
“病気が治り栄養が少しよくなったら退院でおしまい”ではありません。
私は、今、退院されてきた方々の、その先の「暮らし「話す」「食べる」を全力でサポートしていきたいと考えています。その中でも「リハビリ」「栄養」「人との繋がり」を大切にしています。
訪問に出ている言語聴覚士はまだまだ知られていない存在ですが、これからも応援宜しくお願いします!