商用で利用する Niantic Lightship VPS の手順や注意点などをまとめてみました。
はじめに
Niantic Lightship VPS は、Wayspotに登録されたVPSのみ商用の利用が可能です。(プライベートスキャンしたVPSは開発時の検証やテストでのみ使用することを想定しており、公開するアプリケーションで使用することは、基本的に不可です。)
今回、Wayspotに登録されていないロケーションを使ったVPSアプリケーションを作成する前に必要な作業や必要な期間について説明します。
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事前準備
Lightship Dev ポータルのアカウント
LiDAR搭載のiPad または iPhone (VPSのスキャン時に必要。)
Wayspotの登録確認
Niantic Wayfarer beta または、Geospatial Browser で、使用したいロケーションが既にWayspotに登録されているかを確認します。(Geospatial Browserの場合、VPSスキャン済みのWayspotしか確認できないと思います。)
Wayspotの申請
Wayspotに登録していなかった場合、Wayspotの申請を行う必要があります。申請の方法は2つあります。
1. フォームから申請
以下のリンクにあるWayspotの申請ページから申請を行います。
https://nianticlightship.zendesk.com/hc/en-us/requests/new?ticket_form_id=5876290365723
1度の申請で複数のロケーションによるWayspotの申請が可能です。
メールアドレスは、lightship.devポータルで登録したメールアドレスを入力してください。
Wayspotの推薦テンプレートのCSVをダウンロードを行い、CSVに以下の情報を書き込んで保存。CSVファイルを申請時にアップロードして送信します。
2. Geospatial Browserから申請
Geospatial Browserの地図上でクリックした場所に対してWayspotの申請が可能です。手順は以下をご確認ください。
https://lightship.dev/ja/docs/ardk/vps/creating_vps_wayspot.html#wayspot-requirements
Wayspotの登録基準
Wayspotの登録基準は以下になります。
Wayspotの登録が却下するケースについて以下のページにまとめられています。
https://niantic.helpshift.com/hc/ja/21-wayfarer/faq/2774-rejection-criteria/
Lightship VPSの基準
VPSとしてベストな状態にするための基準があります。その基準は以下になります。(Wayspotの審査には影響しません。)
申請〜承認までの期間
申請から承認までの期間は最大14日間。(以前にWayspotの申請をした際、承認までに要した日数は8日間と12日間でした。)
VPSスキャン〜アクティベート
Wayspotが登録されるとVPSのスキャンが可能になります。Wayspotに登録されたロケーションまで移動します。その後、Niantic Wayfarer beta を起動してスキャン作業を行います。
VPSアクティベートの要件
VPSのアクティベートはNiantic Wayfarer beta上で行いますが、1回だけのスキャンではアクティベートは実施できません。(ボタンが押せない。)アクティベートの条件は以下。
VPSアクティベートまでの期間
1日~2日程度。
VPSの品質について
VPSの品質はLow(Experimental)とHigh(Production)の2種類が存在します。
スキャンデータの品質が低いと判定されると Low、スキャンデータがある一定の品質であれば、High と判定される。(Niantic社のVPS生成の際、自動判定している模様。)
品質について、ベストプラクティクスに記載している通りにスキャンを実施する必要があります。(特に以下について、注意してスキャンを実施する必要があります。)
夜の時間帯や明るさが不十分な状態でスキャン→アップロードを実施してもスキャンしたとみなされない可能性があります。(スキャンした回数としてカウントされない。すなわち無効。)
品質が低いスキャンの場合もカウントされません。
アクティベートの要件で25回以上を推奨としていますが、スキャンの回数を多くしたところで、スキャンの品質が悪ければ品質はLowとして判定されます。
Niantic Wayfarer betaではWayspotに対してスキャンした回数が表示されます。一方、Geospatial Browserは、アップロードしたスキャンデータがVPSとして利用可能な品質の場合のみ、カウントされます。このため、Niantic Wayfarer beta と Geospatial Browserでは、回数に差分が生じることがあります。
品質がLowであったとして、ローカライズの時間や精度はある一定の品質で動作します。(Low判定で且つ回数が多くても精度が悪い時もあります。品質がHighでもローカライズの時間はLowと比べて、体感できるほど差は感じません。ローカライズのスピードはLowやHighに限らず、8秒〜10秒程度。)
Highの品質にこだわらず、あくまで目安程度に留めた方がよいでしょう。
VPSの再アクティベート
VPSアクティベート済みのWayspotに対して、追加でVPSスキャン→アップロードを5回以上行うと、再アクティベートが可能になります。
再アクティベートの方法は、Geospatial BrowserでReactivateボタンをクリックすると再アクティベートが受け付けられます。
反映まで2営業日ほど。(2営業日超えてもアクティベートされない場合、アクティベート状態でない可能性があります。再度、Reactiveボタンをクリックすることで、アクティベートの処理を受け付けてくれることがあります。)
再アクティベートによる品質について
再アクティーベートにより、Low→Highへの品質が変わる可能性はゼロではないですが、必ずHighになる保証はありません。
注意点として、古いスキャンデータと新しいスキャンデータに差分があった場合、古いスキャンデータは削除されます。
まとめ
Wayspotの申請~承認まで最大14日かかる可能性があり、申請内容によっては却下される可能性があります。
VPSスキャンは最低10回必要です。
VPSのアクティベートに1日〜2日程度必要です。
スキャンしたデータはアップロードしない限り、有効なデータであるか?無効なデータであるか?はわかりません。
再アクティベートを実施することで品質向上する可能性はあります。(保証しません。)
再アクティベートに2営業日必要です。
品質は目安としてHighにこだわらなくても良い。
参考
https://community.lightship.dev/t/how-to-make-wayspots-vps-a-production/3141
https://community.lightship.dev/t/there-is-no-scanned-and-uploaded-3d-data/3142
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