意味のないものの価値

はじめまして、スタジオおへそです。
この記事では、スタジオおへその紹介や理念などを紹介したいと思います。

スタジオなんて銘打っていますが、その実態は
映像制作会社勤務、35歳の中年男が1人で活動しています。

世の中は今、意味や意義のある事に溢れています。
「意味のある時間の使い方」
「心を揺さぶる感動大作！」
「明日から使える豆知識」など

その様子はまるで、
意味のないものや勉強にならないもの、使えないものは不要だと言っている様です。

かく言う僕自身もある種の「意味ある病」にかかっていました。
仕事で映像を制作していても「この画には意味があるかな？」
友人と遊んでいても「この時間は何か自分のタメになっているかな？」
家族とマッタリしていても「この時間ムダだなぁ」
なんて、常に考えていました。

やがて僕は自分を見失いました。
仕事はつまらなくなり、友人とも疎遠になり、家族との関係も悪化しました。
そして、自分の好きなものや欲しいものなどが分からなくなってしまいました。

そんな時に所ジョージさんの「情熱大陸」を観たのです。
所さんは「ドリップでコーヒー」という歌を収録していました。
その歌はドリップでコーヒーを入れるという超日常の風景を切り取った歌です。
そしてこう言いました。

「こんな歌、誰も感動しないでしょ。でもそこに真心があると思うんだよ」

僕は自分を取り戻す為に、もう意味を追求するのを辞めようと思いました。
そして、自分の中にある「面白い」とか「きれい」とか「かっこいい」などの感情を、ありのままに掬い上げてみようと思うのです。
きっとそれこそが、物づくりの根源であるはずです。

スタジオおへそとして、そういう真心のこもった物を作っていきたいと思います。
それがまた誰か意味に疲れた方々の心をほぐしてくれたら、それが一番幸せです。

おへそ＝もう意味はないものだけど、無いと寂しいもの