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フルカラー3Dプリントを使う理由

「積み」- 模型製作には必ず発生してしまうもの
僕自身も鉄道からガンプラ、船舶、航空機、戦車などなどあらゆる模型を買っては積み続けている。ちょっと遠出をすると帰りには何かしらのプラモデルがトランクに入っていて「積み」が増えてしまう。全く後悔はしていない。もはや壁になっている積みを眺め、時々箱を開けて部品を見ているだけでも至福の時間である。

時々リユースショップで積みだったと思われるものが大量に売られている事があるが、僕の積みも将来そうなるのだろうと容易に想像できる。積むスピードが作るスピードを超えてしまっているので仕方がない。しかしその事実も積まない理由にはなっていない。

ところで僕は3Dプリントを使ってガレージメーカーも細々とやっていて、自分だけでは飽き足らず人の積みまで増やしている業の深い人間だ。ただ自分の積みを増やす事には何の迷いもない一方で、人の積みを助長する事には申し訳なさを感じてしまう。僕がフルカラー3Dプリントを活用しているのはここが発端になっている。

フルカラー3Dプリントを使った道路用品シリーズ

フルカラー3Dプリントの製品はある意味で完成品である。完成品で販売されている鉄道模型やフィギュアは積みにはならず走らせたり飾ったりされるはずで、僕のフルカラー製品群もその位置づけを狙っている。購入頂いた製品はランナーから切り離すだけですぐに使う事ができる(ランナーすらない製品もある)。従来では完成品として出すには組み立てや塗装といった工程が必要で個人には手の届かない領域であったが、フルカラー3Dプリントを使う事でそこに迫る事ができるようになった。

1/150と1/80の花輪 (製品サンプル)

フルカラー3Dプリントだからこそできる表現もあり、例えば透明と色付きの部分を一体で造形し手では組み立て塗装できないような模型を作る事もできる。このあたりは完成品を設計するというよりは新しく作っていく要素の方が大きく、ある意味では自分の積みを増やしてしまっている(そのためなかなか完成しない)。

透明と色付きの一体フルカラー3Dプリントによる電話ボックス (製品サンプル)

僕自身の積みには無頓着でも人にはそうでもないのは、製品として送り出した自分は完成した後の愉しさも味わっているからではないかと思っています。完成させた後まで含めて「製品」と考えていて、決して安くはない製品を手に取って頂いたからにはしゃぶり尽くして欲しいという思いがあります。長く愉しめる様に写真の様に真夏のダッシュボードに置いたり耐久性も気に掛けて作り込んでいます。
※あくまで試験で長期には耐えられませんので通常の模型と同様にお取り扱いください。

ダッシュボードに放置される製品

自分は積みまくる一方で、即売会などのイベントの直後にSNS等で早速使われているのを見ると狙い通りと画面の前でガッツポーズしていたりします。

「積み」からは箱を開けた時に圧倒される独特の感じがあり、その良さは僕が送り出している製品にはないものです。その代償に得ている積みになりにくい手軽さをこれからも重視していきたいと思って製作を続けていきます。

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