マイメロから学ぶことがある
AbemaTVでアニメ「おねがいマイメロディ」の1期&2期を全て視聴した。
無料配信期間の関係上、
2週間で2年分のストーリーの一気見である。
話数にして全104話、1話約24分なので14日間かけて104×24=2,496分間を捧げた計算になる。
このような大作を無償で楽しむことができるなんて、何とありがたいことだろう。
途中、さすがにちょっと疲れた瞬間もあったが、ここまで長時間向き合った作品が終わるとちょっとした“ロス”でもある。
宇垣アナの「マイメロ論」やマイメロママのキレのある格言がネット上で話題になったこともあり、マイメロがただのファンシーなキャラクターに留まらない存在ではないと認識している人もいるかもしれない。
作品についてざっくり説明すると
ビジュアルこそ正統派女児アニメであるものの、個性豊かなマスコットや人間たちが大暴れする、不条理でナンセンス、シュールなギャグが飛び出す“カオスアニメ”である。
単なるヤバアニメとして紹介してしまうにはもったいないので違う視点から話がしたい。
マイメロ達はマリーランドという人間たちの夢で出来た世界に暮らしており、
ひょんなことから人間界に現れる。
天下のサンリオキャラクターが登場するだけあって、メルヘンな世界観がかわいい。
ねずみのフラットくん、ひつじのピアノちゃん、はりねずみくん、
ぞうの国王&王妃などマリーランドの住人は基本2頭身でまるっこいフォルムが愛らしい。
マイメロはヒロインである夢野 歌ちゃんの家に居候することになるのだが、
人間のキャラクターたちも非常にキュートだ。
夢見がちでポエムが得意な美紀、ボーイッシュでスポーツ万能、関西弁を話す真菜、
顔を合わせればからかってくるがいざという時には助けてくれる駆といった歌ちゃんの幼なじみ、バイオリン奏者であこがれの存在である柊先輩、2期から登場する柊先輩の弟・潤やクラスメイトたちが登場。
クロミの“悪魔魔法”の仕業でしょっちゅうトラブルが勃発するが、
ヒロインが巨大化して暴れまわったり、校舎を埋め尽くすほど大量のマイメロが発生したり、クロミが人間になったり(ちなみにこれは号泣回)、とにかく自由なストーリー。
女の子がかわいいのは当たり前として男の子もめちゃくちゃかわいい。柊兄弟は不仲で、潤くんは兄に対抗してロックなギタリストを目指しているんだけどちょっとポンコツであほの子だけど顔がいい。猫耳みたいなくせ毛だし。変身シーンの衣装がすごく、どなたかの“趣味”ですよね…?という最高のクオリティなのでぜひチェックしていただきたい。
駆も女の子ばりに可愛らしい顔立ちだしひたむきでいい子なのに定期的に女装イベントが発生してしまうなど不憫キャラで良い。人間も絶対にかわいく描くぞ!という意気込みを感じる。柊先輩はイケメンハイスペを鼻にかけていて個人的にいけすかなかったが作中でも上位のいじられ具合で好きになった。
親子の関係、兄弟の確執を扱った回や友情、ラブコメもあり。人の心の動きを丁寧に描いている。
悪役のクロミが実は健気で一途な一面があり、いい子ぶっているけど腹黒いマイメロという対比も面白い。
冷静に考えてマイメロ、諸悪の根源では?と思わんでもないシーン多々。
マイメロの天然ゆえにたちの悪い行動を知ると思わずクロミに同情したくなる。
そんなマイメロも意外に表情が豊かで、川に放り投げられたり、掃除機に吸い込まれたり、時にはぼろ雑巾のように扱われておりファンシーキャラクターとは思えない不遇なシーンも。
マイメロ、ぶりっこだし役立たずな時も多いけど、絶対キレないし、定期的にお世話になった人に美味しいと評判のタルトを作って配り回るし、夢野家(3姉妹+父)の家事をワンオペでこなしたり、歌ちゃんの誕生日に5日かけて巨大ケーキをつくったり、真菜のペットのカエルにも動じることなくかわいい〜って言うし、誰に対しても基本的に優しく、仲良くあろうとするところはすごい。
マイメロみたいに、疲れたときは紅茶を淹れてひと休みできる余裕を持ちたいものだ。
今まで視聴のタイミングを逃し続けていたため今回の配信はまたとないチャンスだった。
この「おねがいマイメロディ」シリーズの監督が「プリパラ」シリーズ、「魔入りました、入間くん!」を担当された森脇真琴さんと知り、ますますリスペクトが深まる。
わたしはシュールとメルヘンを愛しているので…