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ありがとう、サトシとピカチュウ

サトシとピカチュウの物語が終わった。
――あぁ、時代が変わるのだ。

小学1年生の時にポケモンがはじまった。
まわりはみんなポケモンに夢中だったし、私もその一人。
サトシとピカチュウと共に育ったわたし。
大きくなっていつしかテレビを観ることはなくなったけれど、最終回は、観なければならないという謎の使命感に駆られた。

最終回で感じた、エモい瞬間をここに残しておこう。


記憶が蘇る主題歌

まず、めざせポケモンマスターから始まったことに驚く。
懐かしい映像と、懐かしいオープニング。
これは間違いなく我々世代に向けたものだと悟った。

エンディングは、サトシとピカチュウが走っている見覚えのある映像。
え、これタイプ:ワイルドだよね…?!
一瞬で当時の記憶がよみがえる。

エンディング直後のソニーミュージックのCMも、なにあの字幕と映像…泣かせにきてるよね。
なんて…なんて、エモいんだ。


懐かしいサトシのポケモンたち

サトシとピカチュウの物語は26年続いたそうだ。いろんなポケモンに出会って、仲間になって、旅を続けてきたのだろう。
その途中過程をわたしは知らないが、最終回には懐かしい顔ぶれがたくさん見られた。

ピカチュウはもちろん、リザードン、ピジョット、フシギダネ、ベイリーフといったサトシと旅をしてきた歴代のポケモンたち。
あいにく金銀の初期あたりまでの記憶しかないのだけれど、それでも十分懐かしさを感じた。

それから、カスミとタケシが最初にすこし出てきたのも懐かしかったな。
また一緒に旅をしてたのね、エモ・・・


ピカチュウを追い続けるロケット団

ムサシとコジロウとニャースもなんと健在!
(ソーナンスはうっすらとしか記憶にない、すまん)

紆余曲折あったようだが、まだピカチュウを追いかけている様子がなんともいとおしい。
そして、登場のこのセリフ。

なんだかんだと聞かれたら 答えてあげるが世の情け
世界の破壊を防ぐため 世界の平和を守るため
愛と真実の悪を貫く ラブリーチャーミーな敵役
ムサシ! コジロウ!
銀河をかけるロケット団の2人には
ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!
ニャーンてニャ!

おぉぉぉ!!20年以上経っても、わたし、覚えてるー!
この分かるような、よくわからない感じの絶妙な自己紹介、忘れられない。

悪役だけど、どこか憎めない彼ら。
根っからの悪じゃない、ちょっとポンコツで、彼らにもドラマがある。
ニャースが喋れるようになった話とか、号泣しながら観たもんな。


ポケモンに目を輝かせていた6歳のわたしは、いまや32歳だ。
26年でサトシの顔はだいぶ変わってしまった。でも、よく考えたらわたしのほうがずっと、もっと変わっている。
ピカチュウを抱いてみたいという幼いわたしの想いは、今は3歳の娘が受け継いでいる。
アレクサで当時の曲を流しながら、8cmシングルを一枚ずつ集めていた頃を懐かしむ。



わたしたちはサトシとピカチュウとともに、新しい時代のはじまりを見守る。
物語から少し離れた場所で、それぞれの旅を続けながら。



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