中学受験について考える
東京在住、未就学児の子どもがいる我が家。
子育てについて夫と話すと、たびたび出てくるのが「中学受験はしたほうがいい」という言葉。東京育ちの夫は自分の成功体験も理由のひとつだ。
わたしは地方出身で中学受験未経験。しかし、自分の子育て観や経験も交えて夫と話すうちに、それもひとつの選択肢かなと前向きに考えていた。
衝撃の一冊
娘は3歳で、受験なんてまだまだ先の話。ただ、情報収集癖のあるわたしは、これまでも中学受験関連の書籍を何冊か読んではいた。
娘は早熟なタイプだから向くかもしれないなぁ、なんてのんきに考えていたわたしに雷が落ちたのがこちらの本。
中学受験を経験していない親にこそ読んでほしいと思う衝撃の一冊だった。そしてこの本を読んで、子育ての本質を改めて考えさせられた。
著者は教育ジャーナリストのおおたとしまささん。3つの家族の受験エピソードが実話をもとに描かれている。特に、学校名と塾名がともに実名なのがものすごくリアルで、残酷。小説のようにあっという間に読めてしまうが、ノンフィクションということにゾッとした。
この本を読んで思ったのは、何のために中学受験をするんだろうということ。目的を夫婦でしっかり考え、そして子どもときちんと握り合っていなくてはいけない。当たり前のことだけど、長い受験期間で必ず揺らぐ。だからきちんとその本質的なところを親がしっかりぶれずにいなくては。
あぁ、自信無いな…と正直思った。
本当に大切なこと
本を読んで、夫と感想を交えて話をした。いろんな意見を交わし、思ったことや感情を言語化するうちに、受験云々ではない夫婦の価値観がはっきりしてきた。わたしと夫、それぞれの理想や大切にしたいことには大きなずれがないことが分かった。それがなによりの収穫だったし、忘れないように定期的に話し合おうとも思った。
そして、ずっと何となく抱えていた思いが言語化できた。
中学受験をするしないにかかわらず、子どもにとって根本的に大事なことは変わらないということ。
わたしはこれに尽きると思っている。どんな子育て本を読んでも結局はそこに行きつく気がする。逆に、親ができることなんてこれくらいだとも思う。
我が家の方針
我が家は、変わらず中学受験をする方向で考えている。もちろん、選択肢や情報をきちんと集めたうえで本人の希望を尊重する。
中学受験はあくまで手段であって、目的をどこに置くかによってゴールは変わる。親として、家族として、それぞれ日々のいろんな選択についてそれぞれが自分の頭で考えて、話し合って、進んでいきたいと思う。
そんなことを改めて考えさせられたこの書籍。
巻末の著者解説にあるこの言葉を忘れないでいたい。