
”どう転ぼうが確かめに行こう”と思った
Creepy Nutsの武道館を観た。11/17(火)に配信のチケットを購入し配信終了の19(木)23:59ギリギリまで、最終日は昼休みも電車の中でも時間が許す限り見ていた。
この公演が行われたのは11/12(木)で本当は当日に見るつもりだったけど仕事で間に合わずついでに気持ちが落ちていたのもあって見られずにいた。「生で見られないならいっか。映像作品出たら買お〜」等と呑気に考えていた。
結論から言うと大間違いだった。今の彼らを今見ることが、めちゃくちゃ重要だった。少なくとも自分にとってはかなり意味があった。
きっかけはTwitterで見かけた岸田奈美さんのnoteだった。いつもの癖でリンクを開きかけた時に「あれ?え?人の感想の前に自分の感想が知りたい!」となったのだ。
多分岸田さんの記事を読んでいたらそれで満足してチケットは買わなかった気がする。あるいは観たくなってチケットを買っていたとしても、他人の感想を読んだ後では完全な一次情報としては受け取れなかっただろう。
ちなみに自分で感想書き終わるまでは読まない方がいいかも、と思って岸田さんの記事はまだ読めてない。上手い文章を読むと、実際には違っていても自分もそう思ってたと勘違いしてしまうことがあるので。
暗い舞台が映る中拍手が聞こえる。期待が高まる会場の空気が伝わってくる。聞き覚えのあるイントロが流れ、その曲名通り“スポットライト”で2人が照らし出される。
1曲目は生業かなと思っていたので意外だった。(後から考えるとむしろこの曲しかないのだけど)
歌詞も知っていたし、何度も聞いたことある曲だった。だけどこの日初めて聴くみたいに新鮮に感じた。それくらいリリックの単語ひとつひとつに実体を伴って立ち上がってくるような力が宿っていた。
1曲目で完全に喰らってしまった。暗い部屋の中、パソコンの画面に齧り付くようにして観た。ブルーライトに照らされたおでこがかち割られ、画面越しにR-指定の言葉が体内に流れ込んできた。
もうやめようや もう胸張ろうや
他の誰でもねぇ俺に言ってんだ
そうやってこの人はここまで来たんだとわかった。思ったじゃなくてわかった。そういうパフォーマンスだった。
そのあと生業、耳無し芳一Style、ヘルレイザーと心配になるくらい走り回るR-指定から目が離せなかった。1回目のMCを聴きながら、やっと嬉しさが追いついた。2人がかっこよくて頬が緩んだ。毎週ラジオを聴いているのが大きいのだろうけど、私は彼らのことを(特にオードリーANNのヘビーリスナーであるDJ松永のことを)勝手に同志みたいに感じているところがあって、だから知り合いが活躍しているのを見ているような誇らしさとむず痒さでMC中はずっとニタニタしていた。
それから、仕事を辞めなきゃなと思った。
驚きと、少しの困惑そして嬉しさがあった。自分はまだこんなに熱くなれるんだという驚きと、こんなきっかけで大きな決断をしてしまうのかという自分への呆れ。でも投げ出したくなるタイプのものじゃなくて、仕方ないなと笑ってどちらかというと好ましく感じてしまうタイプの呆れ。
このまま「本当はこんなことがやりたいんじゃないのに」とダサいことを思いながら生活のために働き続けるより自分の興味に従う方が自分らしいというか、少なくとも自分のことを認められる。前からわかっていたことではあるのだけど、2人があまりに自分に、HIPHOPにどこまでも誠実で愚直だから、私もやってみたくなってしまった。
”どう転ぼうが確かめに行こう”と思った。
-----------------------------------------------
生ヘルレイザーの気持ちよさとか、あの大空間でのオトナとか、今歌われる未来予想図とか、過去の自分と対話しているように見えた朝焼けとか、ぐっときた場面は他にも沢山あった。
本編ラストのMCについてはどうしても書きたいのでまた別記事で書く。