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「突き刺す十二月と伊勢丹の息が合わさる衝突地点」の話

歌番組に東京事変が出るのを思い出してTVを点けると、丁度彼らの演奏が始まるところだった。

群青日和(2004)というテロップが出ていて一瞬驚いたけど、そりゃそうかとも思う。受験で初めて上京した時、私立の受験シーズンだから2月頃だったんだけど、それでも「ここが突き刺す十二月と伊勢丹の息が合わさる衝突地点…!」と思ったのを覚えている。都バスから降りて、母と姉と合流するまでの心細さと緊張、少しの高揚。

キラキラ素敵に見えたというよりただ眩しかった。色とりどりに鮮やかなそれではなく黄色〜白っぽい眩しさ。3.11の前だから余計かもしれない。普段地元の生活ではまず目にしないほどの電飾と行き交う人の数。自分のテリトリーじゃない場所にいるとき特有の肌感覚にドキドキしていた。

今ではそんな新宿三丁目付近もすっかり緊張しない存在になった。というか何なら1番頻繁に行く場所かもしれない。こんな事態になる少し前に末廣亭に行くようになったのもある。美味しいカレー屋も空いてるカフェも知っている。

あれから10年経ってないことを思うと10年ってかなり長いな。

ここからは余談なんだけど、タイトルにした部分の歌詞の正しい表記を調べようとググったら、意味を勘違いしていたことが10数年ぶりに発覚した。

私はずっとこの「衝突地点」をなぜか交差点の風景描写だと思っていて、この歌詞のあとに続く「あなたを思い出す体感温度」と合わせて“信号待ちで寒くてあなたの体温を思い出す”みたいな意味で捉えていたんだけど、“歩いていると伊勢丹の入り口から温められた空気が外に出てきていて、その温かさであなたの体温を思い出す”と書かれているYahoo知恵袋を読んで絶対そっちじゃん!となった。

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