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物理チャレンジ(JPhO)2024を振り返って

1 初めに

 久々にそこそこ長い期間をかけて頑張った事なので、自分用にも残しておきたいと思って書いてみることにした。
 物理の勉強をちゃんと始めたのは、高2の冬1月だった。12月に鉄緑名物のクリスマス模試(英数)があったので(という様な言い訳を自分にして)、それまでは好きな数学の勉強ばかりしていた。クリ模試が終わって、ディズニーに行ったり受験前最後だと思って遊びまくって、今からは物化をやろう!と意気込んでいた。初めての一冊に選んだのは名問の森で、これが本当に良かった。なんだかんだ4月くらいまでノロノロ2周したけれど、分からないことを1つ1つ丁寧に潰しながらやってとても力がついた。(高2鉄緑物理1/4くらいサボって遊んでたから、かなり痛い目を見た(^_^))
 物理チャレンジに出ることを決めたのは、4月の初めくらいだった。名問の森2周で得た圧倒的な自信から、なんとなく行けそう!って思って物理の勉強の目標に設定した。その頃初めてやった予選の過去問は80/100くらいで自信がついた。後からただ簡単な年だったことに気づいた(^O^)。名問の森が終わり、その頃から難系に手を出した。確かちょうど予選が始まるくらいに1周が終わった。

2 予選

 物理チャレンジの予選は、実験レポートとマークシートでの理論試験という2つの総合評価を持って本戦出場者が選ばれる。この実験レポートがなかなか鬼畜で、物理チャレンジが他の科学オリンピックに比べて人気がない理由のおそらく一つだ。本戦会場で、これから無くすかもという噂を聞いたが真相は分からない。でも、レポートのおかげで学年とか地域のばらつきがいい感じに出てる側面もあると思うし、悪い制度でもない気がしてる。
 今年のテーマは、「身の回りの運動を調べよう」でネタ切れだろ!とは思いつつ、自由度が高くて割と気は楽だった。まとまった期間を取れるゴールデンウィークに最初から最後までやろうと決めた。人のいない午後3時くらいに電車に乗って振り子を置いて動画を撮り、振り子の挙動から電車の加速度グラフを作ることで、そこから走行距離のグラフを作るというようなことをした。それから得た駅間距離が実際の距離と合っているか確かめるみたいなことを考察に書こうとしたものの誤差が30%ほどになってしまい、残念な結果になってしまったが最後まで書き切った。無事4日ほどかけて書き切り、その後何度か読み直して微修正をして、期限10日前くらいに提出した。他のみんな期限ギリギリに出しすぎ!!
 そして、7月の期末試験ど真ん中の日曜日に理論試験があった。ちゃんと寝たけれど、少し緊張してしまい凡ミスを量産してしまった。Xを試験が終わり覗くと、自分より点数高い人ばかりで萎えた。本戦通過は確率50%くらいかなと思った。
 そこから10日ほど経って、外を歩いていたら母から家に本戦通過の資料が届いたと電話があり安心した。それから少しして成績開示が公開されてレポートABにめっちゃ驚いた。

予選の成績

独創性で押したレポートだったので、独創性⭐︎⭐︎で嬉しかった。理論は想像よりだいぶ低かったけど結果オーライ!こうして結果が出るのと同時に、せっかく出るならいい賞を取りたいと欲が出てきて、急いでホームページでチャレンジガイド1、2を注文して始めた。本戦1週間前くらいにようやく片付いたが大学範囲に踏み込んでいる分かなり難しかったし高校物理とは違う頭の使い方も必要だった。
 本戦は理論試験5時間で300点、実験試験5時間で200点の計500点満点という激重セットで実験が普通に全体の点数に影響を及ぼすから無視できない。一緒に本戦に出場が決まった学校の友人が、学校の物理の先生に頼んでくれて実験の過去問キットを買ってくれることになった。しかも2つも!本当に幸運だし、感謝してもしきれない。そして学校に2回行き、実験練習をすることが出来た。古いキットは壊れた部品(特に電池で動くもの)が入っていることがあったので、これを読んでいる人で買おうとしている場合は是非注意して欲しい。理論試験の過去問も2週間ほど前から解き始めたのだが、3年分といて230〜240/300くらいは安定して取れたので銅賞は狙えるかも!と少し感じた。

3 本戦

予選の結果が来てから1か月経ち、あっという間に本戦の日は訪れた。前日は緊張で、やや寝付けなかったが5時間くらいは寝ることが出来た。本戦の会場は兵庫の相生駅で昼前の集合ということもあり、6時前に起きた。こんなに早く起きるのは久々でなかなか辛かった。東京駅にて駅弁を探した。母にどれ選んでもいいよと言われたのでお言葉に甘えて、凄く美味しそうなハンバーグ弁当を選んだ。めちゃくちゃ美味しくてやる気がみなぎった。

行きの新幹線で食べたお弁当

 そんなこんなで、相生駅に着いた。お茶ゼミの講座で一緒の子がいてテンションが上がった。行きのバスは2人で喋ってとても落ち着くことが出来た。
 会場のspring8に着くと、直ぐに実験試験が始まった。本当に集合して2時間ほどで試験が始まるのであっという間だった。いざ始まると、独特の緊張感があり最初の1時間ほどは自分のペースに持って行けず悪戦苦闘した。なんせ第一問から設営がめちゃくちゃめんどくさくて40〜50分くらいは解答用紙は白紙だった。最悪なことに、2時間程して第一問が終わろうとしている時に実験の間違いに気づき、急いでやり直した。40分くらいロスしてしまった。そんなこんなで、試験が終わった時解答用紙20枚中5枚が空欄でお通夜モードだった。しかし、灘の友人が難しかったと言ってくれてとても安心した。
 1日目の夜は結局そいつとその同部屋の子とずっと話していた。2人とも頭が良すぎて虚無だったが気持ちを切り替え挽回を狙った。この夜は本当に寝付きが悪かった。緊張で2時半に目が覚めてしまい、もう一回頑張って寝て無事朝を迎えた。2日目は8時過ぎからいきなり理論試験だった。朝ごはんもあまり喉を通らず、緊張感の中試験を迎えた。第一問は振り子の連成振動とニュートリノを掛け合わせたような問題でこの手の問題は東大模試の過去問で解いたことがあったが、それとは難易度が違い過ぎて全く解けず最初の1時間を棒に振ってしまった。その焦りが逆に集中力を生んだのか、第二問と第三問は完答し、第四問の途中で時間切れになった。行列の計算など親しみが有ったので数学的な所でショートカット出来たのが大きかった。そうしてあっという間に試験は全て終わり、その後レクリエーションを楽しんだ後、いきなり解説会があり解いたばかりの理論問題や前日の実験問題の解説などがされた。初めは耳が痛くて、友達とラインしたりして誤魔化していた。でも、問題の背景はとても面白くて元々聞く気はなかったが結構聞き入ってしまった。夜は、少し4階のエレベーター付近でUNOやトランプをしているのに混じった後、また部屋で同じメンツでベラベラ喋った。試験が終わり気が楽で楽しかった。夜はとてもよく眠れた。
 3日目は主に、spring8の見学と小さなブースを回るphysics liveの2本立てだった。spring8は流石の大きさに圧倒された。全体を1周するという見学ルートで見応えがあった。超伝導の研究者の話など中々おもしろかった。続いて、physics liveについてみんなが思っている事を僕がここで代弁する。あそこ回るのに2時間半は流石に要らない!途中リタイアがめっちゃいた。そんな感じで3日目の夜になった。この夜は昨夜までとは変わって、お茶ゼミの友人の部屋で5人でトランプしたり将来の話をしたりした。あと、表彰式嫌だねとか傷を舐め合った。絶対徹夜するぞ!と5人で結託した。みんな3時くらいに流石に眠りそうになり、外に散歩しに行った。その後なんだかんだで僕は1時間ほど寝てしまった。

箸を貰い損ねてみんなでカップラーメンの食べ方を考えた時の1枚
散歩の様子(画質悪いのしかなかった)

 そして、気がついたら最終日を迎えていた。この日は午前からいきなり表彰式だった。寝ていたので朝食は自動キャンセルとなり、荷物を整理し宿舎を後にした。表彰式の会場に着き、もう結果が出るのかと我に帰りより緊張感が増した。1時間睡眠とは思えないほど目は覚めていた。ついに式は始まり、第一チャレンジ(予選)の表彰が全て終わり、あっという間に第二チャレンジ(本戦)の表彰が始まった。自己採点は320/500くらい行けばいいな(理論205実験115)という感じで銅賞くらいは行ってくれと強く願った。しかし、優良賞と銅賞で名前は無く、銀賞来たかも!と心臓が速くなった。そして、銀賞で自分の名前を見つけとても安心した。灘の友人も銀賞でここは仲良く引き分けという具合になった。(実力的には僕が圧倒的に負けているけど、、)

銀メダルと副賞の本2冊

 そうして無事全ての日程が終わり、友人4人と新幹線に乗り帰った。目標以上の結果が出て良かった。本戦はかなり本格的で楽しかったので是非興味を持つ人が今後増えて欲しい。

 結果が後から家に郵送されてきた。両方とも予想通りくらいだった。部分点はかなり緩めに付けられてそう。難しくしすぎた反省、、?

第二チャレンジの成績開示

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