まことくん

専門学校に通っていたころ、友人の繋がりで一人の男の子と知り合いました。
まことくん」という2個下の彼は、大学で環境について学んでいました。

まことくんはちょっと雰囲気が暗いけど、切り口の面白い話をする奴でした。
友人を含めて三人でよく喫茶店で集まっては夜遅くまで話していました。
他愛もない話を何時間もする。
しょうもないボケで笑いあえる友人。
幸せな思い出です。

自分は専門学校に通う中で落ちこぼれて精神的に参っていきます。
しかし、まことくんは「大丈夫、今が辛いだけだよ」と言ってくれていました。
それに対して「まことくんにはわからんよ」と言っていた自分。
そんな自分にも気にする様子もなく、ご飯に誘ってくれるまことくん。

いつもの喫茶店で三人で話していました。
きっかけは些細な事でしたが、自分ともう一人が言い争いになりました。
まことくんは黙って聞いていました。
結局、その後気まずくなって会わなくなりました。
しかし、まことくんだけはずっとLINEで連絡をくれていました。

「最近どう?学校行けてる?俺も頑張ってるよ。」
「久しぶりに二人に会いたいなぁ」
「こないだ●●にばったり会ったよ!」

それに対して、「まぁまた時間合ったら会おうよ」と返してました。
そんな関係のまま自分は学校を卒業し、国試浪人へ。
国試浪人となった自分は三重へと帰りました。

バイトをしながら国試の勉強をする日々。
この時にあのシゲさんに出会います。

シゲさんから言われました。
「友達には会える時に目一杯会っておけ」
「俺の友達はもう死んでる奴もおるんや」

この言葉を聞いて真っ先に浮かんだのがまことくんでした。

すぐにまことくんに連絡をしました。
一向に既読にならず。
電話にも出ない。
嫌な予感がしてきました。

仕方ないので喧嘩していたもう一人に連絡をしました。
するとそいつも連絡がつかなくなっていることを知りました。
二人でまことくんに繋がってそうな人を探してなんとか現状がわかりました。

まことくんは事故って入院していました。

すぐに病院へ二人で行きました。
病状などはわからなかったですが死んではいないことはわかってました。
病室に入ると、漫画を読んでいるまことくんがいました。

やっと3人で会えたね

まことくんの第一声はそんな抜けた言葉でした。
二人でかなり責めましたが、まことくんは笑っていました。
二人が揃ってるのがみれたから元気出たよ」とも言ってくれました。
その日は帰りに二人でラーメンを食べに行きました。
あの日、なぜ言い争いになったのか。
それはもう覚えていませんが、どうでもよくなりました。

先日、まことくんから連絡がきました。

結婚することになったよ。

おめでとう、まことくん。

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