Satisfactoryにおける列車輸送の理論輸送速度と車両間隔の考察(Ver 1.0.0.7)
どうも、お久しぶりです。スト君です。さて、今回は題名通り雑記でもMinecraftネタでもなく、Satisfactoryの列車輸送の理論輸送速度について計算、及び考察を行いました。
注意点として、解説の端折りが多いため、ある程度既プレイ者向けであり初心者向けではないことに留意してください。
また、検証したSatisfactoryのバージョンはUpdate 7 Ver1.0.0.7です。
☆2024/10/14追記
現在、正式リリースとなり仕様が変更になっている可能性がありますが、主の都合上まだ正式リリース後の内容に触れることが出来ておりません。ある程度落ち着いたら検証しますのでもう少しお待ちください。
☆2024/11/11追記
Tier9まで解放したため、正式リリースにて追加された要素を確認できるようになりました。まだ詳細に確認出来てませんが解放出来次第記事を更新する予定となります。よろしくお願いします。
☆2024/11/16追記
Update7時点の情報から正式リリースver1.0.0.7の情報に更新しました。旧文章もこのような形式で残してあります。
以下本文
1 概要
1-1 輸送手法
Satisfactoryにおいて、固体アイテムや液体の搬送は、適切な工場運営において必須であり、これが無いと成り立たないまである。さて、まずどのような輸送手段があるだろうか。これは、アイテムに限定するのであれば4種類であり、それは、1,ベルトコンベア、2,車両、3,列車、4,ドローンである。
なお、液体の場合、容器に詰めることでアイテム輸送と同一にすることが可能であるが、基本はパイプ輸送である。液体のまま搬送できるのは、パイプと列車のみである。
今回の本題は列車輸送であるが、コンベアも関係するため、まずコンベア輸送について軽く説明する。なお、今記事では車両輸送とドローン輸送については解説しない。
1-2 ベルトコンベア輸送の概説
ベルトコンベア輸送はSatisfactory最初期から最後まで使うことになるアイテム輸送手段である。そのため、初期の低性能なコンベアから、終盤に開放される高性能なもので段階に分かれ、5つ6つのTier (MK.〇)が存在している。
輸送速度は、Mk.1が60/m、Mk.2が120/m、Mk.3が270/m、Mk.4が480/m、Mk.5が780/m、Mk.6が1,200/mである。
今回使うベルトコンベアは、特に断りが無い限りMk.5(=780/m=13/s) Mk.6(=1,200/m=20/s)を用いている。
1-3 列車輸送の概説
さて、列車輸送の話をする前に列車についてある程度説明する。Satisfactoryにおける列車は、Phase3のMilestone Tier 6、「モノレール列車技術」を達成することで利用が可能となる。駅、貨物プラットフォームなどを設置し、線路上に電気機関車や貨物車を設置することで運用が可能となる。
長所としては、現実の鉄道輸送もそうであるが、大規模なアイテム輸送が可能となる点、車両輸送のようなめんどくさい工程(ルートプロット)を踏むことが無い、稼働に電気のみ用いるなどである。一方、消費電力は非常に多く、大規模なものになると10,000MWは当然のように消費するほか、コストが非常に高く、ヘビー・モジュラー・フレームやコンピューターを大量に自動生産していないとため運用は非常に大変なものとなる。なお、コスト面に関しては正式リリースにてかなりの軽減がされており、ヘビー・モジュラー・フレームもコンピューターも使わないレシピになっている。
運用するのであればMilestone Tier 6、「拡張電力インフラ」「石油の力」の燃料発電機を数十台設置し運転するのが推奨される。また、Milestone Tier 4、「ロジスティクスMk.3」「拡張電力インフラ」の蓄電装置を複数台設置するのも推奨される。
2 本題
さて、本題に入る。列車輸送、ひいてはコンベア輸送を除くすべてのアイテム輸送手段において最大の欠点となるのは、ベルトコンベアのようなMax理論値輸送が不可能である点である。そのため、安易に1,560/m 2,400/mで輸送させようとするといつしか枯渇し、工場の生産速度の低下、発電等で用いているのであれば電力不足、最悪ブレーカーが落ちることになる。
上記の現象が起きるのは、アイテムの積み込み及び積み下ろしに速度制限がある(車両輸送)、アイテムの積み込み及び積み下ろし時はアクセスが不可能となる(列車輸送)、着陸及び離陸に時間がかかる(ドローン輸送)などの要因がある。
3 計算
3-1 供給下限時間(Stn)
理論輸送速度を考えるうえで重要になるのは、アイテムの積み下ろし時に貨物プラットフォームへのアクセスが不可能となり、その間はアイテムが供給されなくなる点である。その時間は1積み下ろしに25秒である。これが理論輸送速度を下げる要因となる。
貨物プラットフォームにバッファとして産業用貯蔵コンテナを併設していることを前提とし、アイテムの理論輸送速度をx[/m]と置くと、貨物プラットフォームが停止する25秒の間に、$${25*x/60}$$個のアイテムがバッファから搬出されることになる。次に、貨物プラットフォームが停止している間にバッファから搬出されたアイテムを再び埋めるために要する時間(リカバリー必要時間(Rt))を考える。
貨物プラットフォームがバッファへアイテムの供給を再開したタイミングで、バッファには$${25*x/60}$$個のアイテム余白が発生する。
常にx[/m]で工場へアイテムが供給され、貨物プラットフォームからバッファへは1,560/m 2,400/mでアイテムが供給されることを考えれば、リカバリー必要時間(Rt)は、
$$
Rt = \frac{25x}{60(2400-x)} [m] =\frac{25x}{2400-x} [s]
$$
となる。これに積み下ろし時に要する時間25秒を足したものが供給下限時間(Stn)になる。
$$
St_n =\frac{25x}{2400-x}+25 [s]
$$
Rt、及びStnが意味するのは列車間隔$${t}$$が供給下限時間より短くなった時、アイテムの輸送速度は理論輸送速度$${x}$$より遅くなり、アイテムが枯渇することである。よって、列車間隔はこれより長くしなければならない。
3-2 供給上限時間(Stx)
次に供給上限時間Stxを考える。これは、リカバリー必要時間Rtが関与してくる。
まず、リカバリーが完了し、バッファが満たされた状態を考える。このとき、貨物プラットフォームに残るアイテムの残数$${n}$$は、1スロット当たりのアイテム量を$${y}$$と置いたとき、
$$
n =32y - \frac{2400Rt}{60}=32y - 40Rt [s]
$$
である。ここで、32スロットとしているのは、貨物プラットフォームは48スロットであるが、貨物車は32スロットしか有していないからである。
この残数$${n}$$が0となるのに要する時間が供給上限時間Stxである。よって、
$$
St_x = \frac{32y - 40Rt}{\frac{x}{60}} [s]
$$
である。
3-3 理論輸送速度(x)
最後に、理論輸送速度xを求めるが、これは供給上限時間Stxが0になるときのxの値となる。なお、Satisfactoryバニラにおけるyの値は50,100,200,500のいずれかとなる。1はそもそも自動量産するアイテムがないため考慮する必要はない。つまり、
$$
\frac{32y - 40 \frac{25x}{2400-x}}{\frac{x}{60}}=0
$$
を$${x}$$について解くことで理論輸送速度$${x}$$を求めることが可能である。
以下に各$${y}$$で計算したものを示す。
3-4 計算例
$${y=50}$$のとき(例:モジュラー・フレーム、モーター等)、$${x=1476.92}$$
$${y=100}$$のとき(例:カテリウム鉱石、ボーキサイト等)、$${x=1828.57}$$
$${y=200}$$のとき(例:鉄板、回路基板等)、$${x=2075.68}$$
$${y=500}$$のとき(例:ネジ、ワイヤー等)、$${x=2258.82}$$
ちなみに、こちらはMk.5の計算値であるが、Geogebraに各$${y}$$に対応したグラフを描画させると、以下のようになる。

赤:y=100
黄:y=200
紫:y=500
また、x=設定したい輸送速度にして計算すると、供給下限時間、供給上限時間を計算することが可能であり、列車輸送の列車間隔の参考とすることができる。(列車間隔は路線形状等、様々な要因があるため計算不可)

上の青、赤、黄、紫のグラフの交点のy座標が供給上限時間Stnとなる。
こちらもMk.5の計算値である。
4 まとめ
以上より、Satisfactoryにおける列車輸送の理論輸送速度を計算することができた。しかし、実際に列車輸送をしたことがあるプレイヤーは分かると思うが、理論輸送速度を出す=上限時間が0というのは、駅から列車が発車した瞬間に列車が到着することを意味するため、単一駅で発着するのであれば実際に理論輸送速度を出すことは不可能である。よって、複数駅を用意するか、理論輸送速度を諦め、少し速度を落として運用することが視野に入る。
また、列車間隔を正確に決めることも困難であり、以上から理論輸送速度は名前の通り理論上の値であり実際にはこれより速度は落ちる。
よって、この計算結果はあくまで参考とするのがベストである。
また、勘違いされそうだが、この上限は単一プラットフォームで2,400/mを供給する場合の上限であるため、高純度1ノード(=1,200/m)につき1プラットフォームの場合、相当に列車間隔が長い、もしくは短い場合くらいにしか効率低下は発生しないため、あまりにも長距離の輸送をする際は鉄道輸送がやはり最有力となる。結局は数でごり押すのが最適解である。
5 おまけ
液体に関してもほとんど同じように計算が可能であるため、その導出も含め以下に示す。(Mk.2パイプ(600㎥/m)、理論輸送速度はMk.1(300㎥/m)も記載)
リカバリー必要時間は、
$$
Rt =\frac{25x}{1200-x} [s]
$$
供給下限時間は、
$$
St_n =\frac{25x}{1200-x}+25 [s]
$$
供給上限時間は、
$$
St_x = \frac{1600 - 20Rt}{\frac{x}{60}} [s]
$$
理論輸送速度は、
Mk.1パイプ:$${x=518.92}$$
Mk.2パイプ:$${x=914.29}$$

橙:パイプMk.2
6 参考文献
・Satisfactory日本語wiki 自動化/自動運転輸送