大好きなフェスの原点であるステージに、勇気を出して行ってみた話。
鉄は熱いうちに打て、というわけで行ってきました。岐阜は各務原市にあります、農村歌舞伎舞台・村国座へ。
きっかけは前週、こちらのイベントで各務原市職員・廣瀬さんのお話を聞いたことに始まります。
私が大好きなフェスであるOUR FAVORITE THINGSはもともと、この村国座にどうやったら若い人を呼べるか?という議論の中から始まったそうで。そのため、そのフェスの原点であるステージを一度見てみたい、という気持ちが私の中にはずっとありました。
フェスの認知度が年々上がり、また開催趣旨のフェーズが変わっていったことから大規模な会場に変更することとなりましたが、2年前からはwithコロナの取り組みとして、規模を縮小して再び村国座で開催されているとのこと。
フェスの前日には同じく村国座で、作家・ミュージシャンの町田康さんによる『歌舞伎を観るということ』というトークイベントが予定されていました。これは昨年、同じテーマで開催されていたものの、お話が最後まで終わらず、今回完結編として企画されたというもの。
テーマ自体にも興味がありましたが、そのときたまたま読んでいた本に町田康さんのことがたまたま出てきたことで(!)この偶然は何か意味がある、と思いイベント参加を決めました。ようは誰かに背中を押してほしかったんですよね。
*
イベント当日、名古屋駅から名鉄電車に揺られること約40分。村国座の最寄駅は「苧ヶ瀬」という、いったいなんと読むのか分からない無人駅でした(「おがせ」と読むようです)。そこから私の地元とさして変わらないような田舎道を約30分歩き、“こんなところにあるの?”と思うような場所に、村国座はありました。
初めての場所を訪れるときはドキドキするものです。この村国座は国指定の重要有形文化財にもなっている特別な場所だからこそ、より緊張感がありました。この日はトークイベントでしたが、翌日はここでフェスが行われるのです。“この場所で?”と、きっと最初は多くの人が思うような場所でしたが、私はこのとき“あ、ここで音楽を聴いてみたいな”と直感で思います。
翌日は別の予定があったのでこのトークイベントのほうに参加してみたのですが、このときの思いが忘れられず、急遽予定を変更した私は翌日も同じ場所へと向かっていました。
トークイベントの日に開催者の廣瀬さんと、もう一人女性のスタッフの方に「明日(フェス)は来られないので…」とお話ししていたのもあり、連日の参加は正直恥ずかしい気持ちもありましたが、結果、“行って良かった”の一言に尽きます!!!!!
コロナ前は夏のフェスシーズンに3つくらいのフェスに参加していた私でしたが、ここ3年間はフェス自体からすっかり離れていたので、本当に久しぶりに音楽をたくさん浴びました。
村国座の空間も最高で、廣瀬さんが「みんなここでライブやりたがりますからね」とおっしゃっていた通り、アーティストの皆さんはとても嬉しそうにパフォーマンスをしており、観ているこちらも口角が上がりっぱなしでした。
市の職員さんたちが最初にここでフェスを企画したのが14年前のことで、それが形を変えながらもずっと続いていることは本当にすごいことなのではないか?と改めて思いましたし、廣瀬さんが最初に企画しなければこの幸せな空間も時間もなかったのだと思うと、廣瀬さんが始められたことは本当に素晴らしいことだなと思いました!
ステージと客席の物理的な近さはもちろん、ライブ後にはアーティストさんご本人が物販コーナーに立っていたりお客さんと写真を撮ったりしていて、このアーティストとお客さんの距離感もOUR FAVORITE THINGSの魅力だと再確認しました(かつて私もアーティストの方と一緒に写真を撮ってもらったことがあり、一緒に写った友人はずっとLINEの私とのトーク画面に設定してくれているそうです。)
*
ちなみに、フェスで配られていた広報誌の最後には、こんなメッセージが書かれていました。
私もこの週末は勇気を出して一歩を踏み出してみたことで、この上ない感動を味わうことができました。これからも自分の心に正直に、生きていければなと思います。