仕事の思い出
体がまだ元気だった頃は医療資格を活かして仕事をしていた。
その中で長くしていたのが透析室での仕事だ。
臨床工学技士としても、正看護師としても行っていた。
技師としては毎朝の機械の準備と血液回路の組み立などがある。透析中は患者さんの対応が主で同時に機械のチェックなどがある。終わってからは次の透析の準備と機械の消毒をする。
患者さんの容態は時々刻々変化するので目が離せないし、適切に対応しなければならないから気は抜けない仕事だった。
それに並行して機械のチェックなどをするのだがこれは自己診断などもついているから緊急な処置はほぼ無い。たまに故障することがあるが透析中の事故はたまにだから一瞬パニくるがその後は冷静に対応できていたと思う。
よくあるのが水漏れだ。
透析というのは無菌で作った透析液という薬剤を使って文字通り透析という物理現象を使って血液の浄化を行なっているのだが、この透析液は大量に使用している。
故障なんかで一つのコンソールから水漏れがあるとあっというまに水浸しになってしまう。
その際は患者さんには他の空いているベッドに移ってもらい透析の続きをする。
ここからは技師としての仕事になる。故障箇所を同定して手持ちの備品でなんとかなりそうなら早急に部品交換をして無理そうなら即座にメーカー、業者に連絡をして対応、修理を依頼する。
ま、そんなに難しいことではないからこちらとしてはその後のスケジュールに響かないようにすることに腐心したものだ。
また、透析中のみならず透析をしていない時、即ち夜間に何かしら異常、故障があることもある。
実際会ったのが夜間に透析液供給装置のRO水の供給ラインの外れがあり機械室のみならずその外にあったエレベータまで水浸しになった。この際は大家が気付いて連絡があったから即座に対応しに病院に向かったものだ。
故障、事故は基本付き物だからそのことを責めてもしょうがない。大切なのは同じことを繰り返さないように情報を精査し、スタッフで共有して改善案を考えるのが重要だ。
上記を読んでわかっていただけただろうが透析に携わる技師は水の浄化に精通していなければならない。透析液という生体に影響を与える薬剤を病院内で作らなければならずその管理を一手に引き受けているのが臨床工学技士となる。
私が技師になろうと思った時は全く考えてなかったことだったし気づかないうちに水に詳しくなっていた。
やれ水素水だ、高エネルギー水だなんてものはちゃんちゃらおかしいとしか思えない。
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