『金持ちジュリエット』ショートショートnote杯
私は戸塚樹理恵
呼び名はジュリエット、金しか信じない女
小さい頃父の事業が失敗し、天から地に落ちた
家のお金事情が激変するとそれまでまるで家族の様に私に笑顔を向けてくれていた人々の私たち家族への対応の激変ぶりに心が擦れてしまった
結局金だ
私は自力で這い上がり今ではグローバル企業のCEOになった
恋なんか興味はない、結局金がなければ愛はどうせ冷めていく
しかし何故か最近心がざわついている、ある若い男の存在のせいだ
みすぼらしいスーツによれた靴、まるでお金とは無縁の男にみえる
名前は緒方ヒロミ
彼の名前をカタカナで書いてみた
ヒロミオガタ
ある日私は会社である問題が起きて遅くまでIT部門とミーティング
その場にいたヒロミオガタはいつも笑顔で献身的に仕事をしていた
私は連日の激務がたたりその場で倒れた
目が覚めた時彼の腕の中、彼を見て開口一番
『おおヒロミオ、ガタ、どうしてあなたはヒロミオ、ガタなの?』