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『俺の家の話』(ドラマ紹介)
今回紹介させて頂くドラマは、
2021年1月の金曜ドラマ枠でTBS系列で放送されていたドラマ
『俺の家の話』です。
主演は長瀬智也、脚本は宮藤官九郎が担当。
えー、これはつい先日まで地上波で放送されていたドラマです。
本当はね、違うドラマを紹介しようと思ったんですが、
今回が一応コンテンツ紹介のコーナーがなんと第二回目にして、
最終回?と言いますか、休止と言いますか、
一旦ここで区切りをつけさせてもらうということになったんで、
まあ一回目に僕にとって思い入れのある宮藤官九郎さん作品の
『タイガー&ドラゴン』を紹介させてもらったので、
だったら最後は宮藤官九郎さんの作品をと思いまして選びました。
それに。
いや、それ以上に!
長瀬智也さんにとって芸能生活(恐らく)最後の連ドラで、
宮藤官九郎さんとの11年ぶりのタッグということもあって、
今回の『俺の家の話』しかないと思ったわけなんですよ。
本当にほんの数日前に最終回を迎えて、
ドラマの余韻に浸っている最中なんですが・・・・
最初にまず一言だけ感想言わせて。
今んとこ令和で1番面白い。
ネットでも話題になっているとは思うんですが、
最終回の展開と結末がえげつないくらいに良いんです。
とゆうのも、
あらゆる作品を見ながら、
視聴者は色んな予測をしながら物語の展開を追ってると思うんですよ。
意識的にも無意識的にも。
ワンピースでいうところの見聞色の覇気ってやつに近いと思うんですけど。
ほとんどの人がある程度の見聞色を持っているんですよ。
で、すごい人になってくると未来も見えちゃうみたいな。
まあ、それは置いといて・・・
とにかく、僕は気持ち良く裏切られました。
こんなにも予想外な展開は久しぶり。
今、良い例ないかなぁってパッと浮かんだ作品があるんですけど、
その映画言ったらネタバレになるところでした。。。
ますはあらすじを。
(TBSホームページからの引用)
演は長瀬智也、脚本は宮藤官九郎が担当。
2人はこれまでTBSのドラマでは『池袋ウエストゲートパーク』(2000年4月期)、『タイガー&ドラゴン』(2005年4月期)、『うぬぼれ刑事』(2010年7月期)でタッグを組んでおり、いずれも大きな話題となった。
今回、長瀬が演じるのは、ブリザード寿というリングネームで活躍する現役プロレスラーの観山寿一(みやま・じゅいち)。
かつては大規模プロレス団体に所属する人気レスラーで、
プエルトリコチャンピオンまでなったが、
ケガや年齢もあり今は小規模な団体で細々と試合に出ている状態。
ある日、寿一は父親が危篤だと知らされる。
父親の観山寿三郎(みやま・じゅさぶろう)は、
全国に一万人以上の門弟を持つ二十七世観山流宗家にして
重要無形文化財「能楽」保持者。いわゆる人間国宝である。
その跡を継ぐと期待されていた寿一だが、
寿三郎に反発し家出をしたのが20年以上前。
以来、音信不通だった寿一が突然、帰ってきたことに家族たちは驚く。
一方、奇跡的に一命を取り留めた寿三郎だが、傍らに立つ介護ヘルパーの志田さくら(しだ・さくら)を家族に紹介し、
彼女と婚約して遺産もすべてさくらに譲ると宣言。
実力と人気に限界を感じていた寿一はプロレスラーを引退し、実家に戻り寿三郎の介護を手伝うことに。
家族とさくらを巻き込んで、介護と遺産相続を巡る激しいバトルのゴングが鳴り響く‼
簡単にいうと、
このドラマは「介護」と「相続」というテーマが軸で、
「能」と「プロレス」というファクターがエンタメ性を高め、
介護という誰しもがいつか経験するであろう困難に芸術を家業とする家族と
それに携わる様々な人間たちの関係を描いた作品なんです。
もっと端的に言えば親子の話です。
ストーリーはね!
「能」と「プロレス」って。
やっぱり宮藤官九郎さんだなぁってのと同時に、
テーマがめちゃくちゃ真面目!
っていうのが一話を観ての率直な感想です。
ちゃんとクドカンワールドでありながら、高尚なことしてるなと。
めっちゃ偉そうなこと言うとだけど。
宮藤官九郎さん作品を見てきた人にとっては、
最初の期待感があんまり感じられなかった人もいたんじゃないかな。
でも、2話、3話と物語が進むにつれて”完全にやられた”ってなったね。
やられたってなんだよって思った人のために説明すると、
すげぇってなった。
あー、この感じ。
これが宮藤官九郎さんなんだよね。
奇抜な設定、面白いキャラクター、突拍子もない展開、
だからと言って破綻してない。
もっと分かりやすく具体的なことで言うと、
まず構造ね。
さっき話した通り、話の軸は「能」と「プロレス」。
この2つの職業を使ってストーリーが展開されていくんだけど、
これ何かに似てない?
そう、
『タイガー&ドラゴン』の「ヤクザ」と「噺家」。
「ヤクザ」というファクターが話をかき乱しながら面白みを増殖させ、
「噺家」というファクターがそれを綺麗に纏めオチをつける。
この似ても似つかない2つの職業の対立を見事に融合させたのが
『タイガー&ドラゴン』だったわけじゃない?
今回でいうと、
「噺家」が「能」になり、
「ヤクザ」が「プロレスラー」になったんだよね。
お互いがお互いを良い意味で邪魔しあい、
それでも最後は綺麗に纏め上げるという、
基本的な構造はここでも見せてくれたわけなんですよ。
これはある意味当然なんだけど、
相関関係も同じで、
西田敏行と長瀬智也さんは親子関係ってのも、
「うぬぼれ刑事」や(擬似だけど)「タイガー&ドラゴン」でも見られたんだよね。
勿論、キャストはいつもの顔ぶれで、
観ていくうちに
「あ、ここのシーンはあのクドカン作品を意識してるな」
って、
所々過去の作品を連想させるシーンが盛りだくさんで、
もうクドカンファンにとったら最高のサービスなんですよ。
わかりやすい事からわかりにくい事まで、
これまでの踏襲とも取れる要素が満載なんですよ。
絶対観て欲しいから、
良かったシーンとか、
衝撃の最終回とかについては触れませんが、
このドラマは今までの継承と進化と言っても良いほどの、
クドカンワールド全開でありつつ、
最後までとんでもない脚本力で魅了させれた作品となってます。
なので、
もし余裕があればクドカンさんの作品を全て観てからみる事をお勧めします!
さっき「介護」と「相続」の話って言ったけど、
親子の話であり
長瀬智也と西田敏行の話であり
宮藤官九郎と長瀬智也の話でもある、
そんな『俺の家の話』。
是非観てみてください。