僕にとって、ワークとライフを分けるほうが苦しかった…のかもしれない。
ライフワークバランスという考え方は、2007年に内閣府が策定したもので、一時期、社会ではとてもよく使われました。
働き過ぎが問題となり、生きることの楽しみを忘れてしまいそうになる、そんなワークとライフのバランスを整えようというものです。
私自身は、そもそもワークとライフが分かれたことがありません。
18歳で起業した頃から音楽制作をしていたので、自分の表現そのものが音楽(商品)であり、自分の感性や感覚の全てを込めていく、そのことが仕事でもありました。
(作曲の勉強もしたことがなかったので、上手に妥協してつくれない不器用な作曲家でした)
だから、音楽制作というのは、自分自身の魂から出るものを形にしていくことなので、ライフ(人生)そのもの。
それをワーク(仕事)にしていくためにいろいろな試行錯誤をしながら、音楽に関わる仕事をやっていきました。
つまり、ライフもワークで、その区別が何もありませんでした。
(これが幸せなのか、どうなのかはわかりません)
もちろん、やりたくない仕事もありました。
文句ばかり言うプロデューサーとケンカをして、スタジオを飛び出したこともありました。
作品が生まれず、苦しい時もありました。
でも私の場合、ワークとライフが分かれていたほうが、割り切れと言われたほうが、それらよりももっと苦しかったかもしれません。
そんなこんなで10年ほどかけた30歳手前に、ベンチャーを起業して日本初の音楽配信を実現した、というところに辿りつきました。
単に自分の想いを追いかけていたら、そこに居た、というのが正直なところ。
目指そうとする先に、こんな着地点があったとは知りませんでした。
始めたころには想像もできないところに辿りつきました。
これまでの間、自分自身が「どう生きるのか」というテーマで生きているような気がします。もちろん、生活するための費用を得る必要はありますが、これまでの何十という起業をふり返っても、お金を得ることを仕事の第一の目的に考えたことが1度もありません。
(ベンチャー企業の経営者なのに、すみません)
ただひとつだけ、いつも思っていたことがあったのです。
「自分が想うことは、きっと誰かもそう想ってくれるだろう。」
私はもともとあまり自信のない人間💦なのですが、
でも、理由のない確信がどこかにあるようなのです。(たぶん)
きっと、そうに違いない …… と想う気持ちです。
みなさんにも、きっとあるはずです。
でもそれが、誰かに共感してもらえるだろうとか、支持を得られそだからとか、そもそも自信のない自分にとっては、そんな打算すら湧きませんでした。
ただただ、自分自身が心からやりたいと思えることをやってきて、他の誰かも同じように想ってくれたことで、何とかこうしてここで生きているのだと思います。
本当にたくさんの人が生かしてくれた、むしろ「生きろ!」と言ってくれたのだろうと思うのです。
ときどき、趣味を聞かれることがあります。
実は、小学生の頃から困る質問です。
小さいころから音楽をやっていたこともあって、あんまり趣味と趣味じゃないものを分けたことがありませんでした。
趣味は…人生ですかね。
いつもそう答えています。
だって、楽しめばいいのですから。
そうすると、仕事や職業は何ですか?と聞かれます。
もはや職務質問・・・😂
聞いていてもよくわからないから、聞かれるのだと思います。
職業は、自分自身です。中島幸志です。
子どもに職業を聞かれたときもこんなことを言って、混乱させてしまっていますが💦、正直、肩書きを表現しようがありません。
18歳で社会に出てから、自分の感覚を頼りに、いつもどこかに辿りついています。
いつもそこに何か手伝うことがあって、それがなければ自分の想いでつくる。
いってみれば、自分自身に起業をしているようなものです。
だから、ライフもワークも関係なくって、自分の感性と価値観を頼りに、出会う人との重なりによって何かが生まれてきています。
いろいろな感覚で、そこで生まれた想いや気持ちが、共感で生まれる。
つまりそれは、共感起業なのです。
どうやら、江戸時代はフリーター社会だったようで、ありとあらゆる個人事業主がいて、お互いに社会のために役立とうとしていたそうです。
きっとその昔は、こういう人が多かったのだと思います。
社会が合理化によってサラリーマンという職業?がスタンダードになって、自分以外の肩書きで自分を名乗る(表す)ことが普通になってしまったのでしょう。
せっかくこの地球に生まれてきたのだから、すべての人がそれぞれの人生を生きることに、何か意味があるのだと思います。
私にとっては、ワークもライフも一緒。
だから、それらを分けて考えるほうがしんどいのかもしれません。
割り切るとか、どちらかを天秤にかけるとか、諦めるとか。。。
不器用だからできないのかもしれません。
・・・かといって、ビジネスで成功とか、でっかいことをする必要もなく、偉くなりたいと考えたこともなくって。
ただ、自分が自分に生きることに意味を感じられて、最後にそんな自分に「お疲れさま」と言って終わりたいな、と私は思っています。
それは、会社を起業すればできるとか、企業勤めだからできないとか、そういうことではないと思うのです。
自分自身の人生を自分のミッションで生きること。
自分の人生に起業(生きることを仕事にする意味)することが、私にとって「共感起業」という言葉で表されたのだと思います。
いろいろな生き方があっても、全ての人が、自分の人生を生きている実感を持って欲しいという想いが根底にあります。
誰もがそれに気づけば、きっと社会は大きく変わっていく。
共感起業大全を書きたかった原点は、ここにある。
そんなことを感じた日でした。