フェアトレードコインで描く未来の社会
2020年7月より、フェアトレードコインをはじめました。
フェアトレードのお店で使える決済で、お店とお客さんから良いつながりが生まれることを目的としています。
このフェアトレードコインをなぜはじめたのか?
どんな社会を目指しているのか?
そんな想いを綴ってみたいと思います。
経済性追求の代償
私たちの毎日の「お買い物」。
その時に「どんな選択をして買い物をするか」で、私たち自身が未来の選択をしています。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんね。
たとえば、もし私たちが「とにかく安いもの」を選んだとします。
お客さんが安いものしか買ってくれないということになったら、お店は安いものを仕入れなくてはならない状態になりますよね。
そのためには、できるだけ安く作る方法を考え、できるだけ安く運搬する方法を考えることでしょう。
でも、生産をする人にも最低限の生活がありますから、安く作るにも限界があります。
できるだけ安く物を作るには、安全を無視したり、環境に配慮できず、働く人のことなど構ってられなくなるかもしれません。
利益を求め、後先を考える余裕もなくなるかもしれません。
ちょっと極端かもしれませんが、こういうことって起こりえますよね。
もちろん、生活の中にも、適切な安さがあることは必要です。
しかし、過度な安さの代償は、人や環境に影響を及ぼしてしまいます。
いま社会では、経済性が優先される中で生み出された社会課題が山積しているように感じます。
もう一つの選択
エコやオーガニックなど、カラダに良いものや地球に良いものに関心が集まっています。
私たちが普段の生活でモノやコトを選ぶ時に、選び方が変わってきています。
エシカル消費などと呼ばれていますよね。
そこにもうひとつ、その商品の成り立ちや背景、事業者の想い、作っている人たちの生活などに意識を向けてみませんか?
商品を「買う」ということは、お金を払って持ち主(所有者)が変わることです。
そうやって大量生産された必要なものを合理的な理由で買うこともたくさんあります。
一方で、
ということを考えたときに選ぶ商品には、原材料や手に取るまでの過程、その後も含めた商品の成り立ちなどが知りたくなります。
それを教えてくれるのは、つくっているメーカーの人や商品を売ってくれるお店の人です。
そのメーカーやお店の人とのつながりが、新しい物語とのつながりを生み出してくれることもあります。
私たちは、製品を買うということを通じて、様々な学びが得られ、社会のことを考えるきっかけになります。
そうして私たちが商品を選んで買うことは、そうした世界のことや原材料や環境へこだわっている生産者さんやメーカーの方々などを応援することができるのです。
そんなもうひとつの選択が、フェアトレードなのです。
フェアトレードは高い?
フェアトレードの商品は高そう・・・なんて言われることがあります。
でも一方でいろいろな物が、何だか安すぎると感じることもありませんか?
安いけれどもすぐに使えなくなるもの、安いけれども健康を害するもの・・・それは、本当の安さなのでしょうか。
フェアトレードの商品は、オーガニックや環境に配慮されたものが多く、品質もとても良いものばかりです。
もちろん好みは人それぞれですが、探せばたくさんの商品があります。
たとえばオーガニックの野菜でも、やっぱり少し高いですよね。
その分、つくることに手間がかかったり、丁寧に育てられたりしていますし、生産者さんがちゃんと暮らせる部分も含めて、買っている人がサポートをしているのです。
もう、誰かが犠牲になる社会は、終わりに
頑張っている生産者さん、事業者さんがたくさんいます。
でもそうした方々は、ちょっと不器用で真面目で、合理的で便利なことに少し距離を置いています。
私はそんな頑張っている人たちを応援したいのです。
買う私たちの幸せを願い、社会や未来のことを想い、日々努力しているそうした生産者さんや事業者さんと、それを求めている人がつながることで、社会は大きく変わっていくと思っています。
お互いが目指す未来が同じであれば、そこにちゃんとした価格と価値で取引される市場があって良いと思います。
それがフェアトレードの市場であり、フェアトレードコインで実現したい世界です。
ただ、すべての人と、すべての商品で、それを考えられるといいですが、それはかなり難しいことです。
でももう、
誰かの犠牲によって成り立つ世界は、終わりにしませんか?
私たちの日々の買い物で、何を選ぶかで、誰かを応援し、誰かの未来を続けられるのです。
ぜひ、みなさんと一緒に、より良い社会を描いていくために、フェアトレードコインを育てていただけたらと思います。