死神の精度

告白された日には、一晩はその人のことで頭がいっぱい。




映画や本を読んだ後には、余韻が必要で、エンディングまでみて、後書きまで読んで、ネットでレビューまで読む。


「死神の精度」/伊坂幸太郎

黒崎一護、髪の色:オレンジ、瞳の色:ブラウン、職業:死神

とは違くて

千葉、姿形:人間、趣味:ミュージック、職業:死神

20分程度で読める6つの短編から構成されていて、読者は主人公の死神:千葉の見届け人としての役割を通して、物語に参加する。千葉が物語を動かすことはなく、短編の主役は別々に登場する。

短編としの完成度も高い。

タイトルの「死神」のもつ印象とは裏腹に非常にライトな描写で読みやすく、それでいてテーマでもある「死」についても、一考できるような作品であった。

小中学生にもおすすめできる本だと思う。

面白いのは、余白の部分で、物語の結末を描き切らないことだ。

それまでに十分、結末が分かる描写があり、皆までは語られない。

読者それぞれが、その余白を感じながら参加することのできる1冊。


#読書感想文

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