アルケミーホライゾン:バルダーズゲート ドラフト初心者用ガイド
はじめまして。Sug.と申します。
アルケミーホライズン:バルダーズゲート。通称バルダゲ(私の周りだけかも?)皆さん遊んでいらっしゃいますか。
「ニューカペナの街角」と「団結のドミナリア」のつなぎとして今月実装された本ドラフト、アルケミー専用パックということでやっている人がいつもより少なく、またなかしゅーさんをはじめとしてドラフトの記事がなく、MTG公式のドラフト記事もないため情報が少なく感じられます。
ただバルダゲは案外面白く、かつMTG Arenaには新規勢も一定入ってきていることから、「構築だけじゃなくてドラフトも遊んでみたい・・・!」なんて方がいたときのためにガイドのようなものを作りたく、記事を投稿してみることにしました。
スタンスとしては、
・浅めの内容にする(全カードの説明をするのではなく、コモンの一部のカードにとどめる)
・各色の特徴を伝える
・優先してピックしたいカードを伝える
といったことを意識したつもりです。
構成としては、本環境について簡単に説明した後、各色ごとの説明と色別の強さをおつたえするつもりです。
本環境について
本環境はアルケミーらしく、基本的には強カードをぶつけあう環境です。レアはもちろん、アンコモンコモンにも強いカードが散見されます。ただ明確な強カードはレア以上に固まっているため、リミテッドの楽しさも十分に味わえるセットになっています。
キーワード能力1:専門化
ここからは本環境固有の能力を説明していきます。まずアルケミーの特徴を生かした専門化という能力があります。専門化を持つクリーチャーが、ソーサリータイミングで専門化コストを払いその色のカード or 土地を手札から捨てることで、専門化後のカードに変身します。
捨てるカードの色の専門化になるため、一つのカードにつき5枚の効果があります。とてもじゃないけど覚えていられません。でも大丈夫です、相手側は勿論プレイしてる人もだいたい覚えておらず、専門化する前に読み直します。メイン1フェイズで相手がやたら時間を使っているときは、専門化カードの効果を確認していると思ってまず間違いありません。
カードを一枚捨てないと専門化できないこともあり、専門化能力は総じて優秀です。専門化能力を発動後のクリーチャーは総じてその色の特徴を持ったクリーチャーに変化するので、楽しい能力です。
専門化能力はソーサリータイミングでの起動なので、専門化直後に除去するとディスカードと専門化のマナコストを支払ったまま死にます。捨てたカードを含めると簡単に1対2交換ができる(されてしまう)ので、相手が明らかに構えているときは専門化のタイミングを敢えて見送る、という選択肢も重要になってきます。専門化タイミングも駆け引きの一つとなるため、それを含めて楽しい能力と言えます。
キーワード能力2:二体掛り
本環境の肉は総じて低マナ域で弱く、高マナ域で急に強くなる特徴があります。序盤は他の環境と同じように2/2/2や3/2/3 or 3/3/2が並びますが、4/4以上のクリーチャーがかなり少な目です。そういった環境にマッチしており、戦略の幅を広げてくれるのが、二体掛りという能力になります。
二体掛りを持つクリーチャーが初めて攻撃に参加したときのみ、そのクリーチャーと同じカードが二体掛りを失った状態で手札に加わります。この能力は一度だけ起動可能で、手札に入ったカードも含め双方の二体掛りの能力が失われます。カジュアルに言い換えると、攻撃さえできれば、一度だけコピークリーチャーを手札に加えられる能力と言えます。
そのため、二体掛りを持つクリーチャーをコントロールしている側はなるべく攻撃させたいですし、防御側は攻撃を無効化させたい(例:2/1二体掛りクリーチャーに対して2/3を立たせることで無駄死に = 攻撃のインセンティブを無くさせたい) or なんとか二体掛りさせる前に除去したい というインセンティブが働きます。二体掛りにより、横並びさせてライフを詰め切るという戦術を取ることができます。この能力も本環境を面白く複雑にしている能力と言えます。
キーワード能力3:出来事
みんな大好き(?)エルドレインの王権からの再出能力です。出来事持ちのカードは通常のカードとして唱える他に出来事を先に唱えることができ、出来事を唱えたカードは追放領域に置かれ、元のカードを唱えられるタイミングと同タイミングで唱えることが可能です。要は先に出来事能力を唱えると、1枚のカードで2回呪文が唱えられるということです。
本環境の出来事カードもコモンに複数枚入っており、かつ大抵がプレイアブルなものになっています。色が合えば優先的にピックしていきたいカードと言えるでしょう。
専門化・二体掛り・出来事の能力に共通しているのは、どれも「使用時にスキがある」という点になります。専門化・二体掛りはいずれも強力ですが、除去されると大きくアド損します。出来事能力も対象不適切(対象先に効果を与える出来事能力を唱えたとき、インスタントタイミングでその対象を除去すると呪文の対象先が無くなるため、カードが追放領域に行かず墓地に行ってしまう)を狙うことでアド損ができます。つまり、本環境はインスタント除去が活きやすい環境になっています。
それでは各色の解説に移っていきます。
白:
アドを取りまくってアドで押し勝つ色です。本環境で最強の色です。肉質は全体的に少し弱めですが、除去、ドロー、防御となんでもできる色になっています。
貴族の不面目はまさに本環境を定義する一枚です。リミテでは意識すれば自分の場にクリーチャーを残すことは容易で、一マナで3点4点のダメージを与えることができます。おまけに能力も失わせるため、相手の計算を狂わせることもできる味わい深いカードになっています。
白の魅力は層の厚さです。前述の不面目に加え、コモンのカードは8割くらいプレイアブルです。
よって本環境のピック方針は、まず白を狙う、難しいようなら他の色にシフトするが基本になります。指針として、本記事では以下の定義をします。
サインA: 1パック目4巡目(通称1-4)以降で見かけたらその色は空いている可能性がかなりある
サインB: 1-6以降で見かけたらその色は空いている可能性がある
つまりサインA:強くて人気があるコモン、サインB:そこそこ強くて人気があるコモン、ということになります。人気が無いけど強いコモンというのもある(この環境にもあります)が今回は割愛します。
白のサインA(1-4以降で見かけたらラッキー)
これらは下手なレア・アンコよりも初手級です。1-4でこれらをみかけた場合、最初の3枚でレア枠・アンコモン枠2枚が抜けてない限り上家(自分のすぐ右となりの人)は白をやっていない可能性が高いです。勿論、1-5以降に流れてきた場合は更に強いサインとなります。
白のサインB(1-6以降で見かけたらラッキー)
これらも強カードかつサインになります。白3/2/1はフォーゴトンレルムにもいましたが、本作でも変わらず強カードです。白のサブテーマとしてブリンクがあり、こいつをブリンクすることで再ドローが可能です。その時点で2枚手札にアドバンテージが付くため、多少の不利を跳ね飛ばします。
そして不動のユニコーン。白の蛇口(中盤以降土地が余った場合のマナ消費方法)として爆発的な役割をします。白はアド効果でクリーチャーが横並びしやすい中で、全体+1/+1修正+警戒で常に有利戦闘を行うことができます。警戒はつかないものの戦闘中にバットリとして+1/+1を使うこともでき、うっかい相手をこれで刺せることもたまにあります。あと8マナあれば重ね掛けできることは頭の片隅に入れておくと良いです。
白は他にもレンジストライク5点、なんでも宝石マンこと幽閉、ゆっくり展開だときわめてウザイナーガなど本当に強いカードが多いです。白をピックする際はサインA・Bが人気化しやすいため、これらを優先的にピックしていくことが重要です。
黒:
黒は極めて個人的な感想ですが、白より多少弱め+多少攻撃性がある、という印象です。それでも色的には緑と並んで2位というところでしょうか。また黒も除去、妨害、ドローなど幅広くできます。
黒のサインA(1-4以降で見かけたらラッキー)
なんだかんだ言ってもボムレアが多いこの環境では確定除去はドチャクソありがたいです。宝物で実質1マナ浮くのがありがたいですね(不面目やヒポグラフのコストに使える)。当然人気があるため、1-4以降ではサインとなります。
黒のサインB(1-6以降で見かけたらラッキー)
まずはアルケミーで入ったギルド公認のこそ泥。2/2/1で2点クロックを刻みつつ、相打った後はワンドローしてアドも失いません。口述するマイコニドの1/1が弱点(弱点ではないが)。使われるとうざいカードです。
よろめく怪異は本環境でもひたすら強いです。タフネス1~2が多めな環境のため、1対2交換やマナアドバンテージを取ることができ、こいつに至っては初出のフォーゴトンレルムより明確に強いです。ちなみにフォーゴトンレルムでも上位コモンです。考えるな、取れ。
続いて下水病です。打たれて舌打ちするカード筆頭です。起死回生で出したボムレアにこいつを打たれるとテンションだだ下がりです。インスタントで打てるのも良い所なので、見かけたらピックしておきましょう。
緑:
本環境の緑はランプが主体になります。強カードが多いためマナクリに除去を打ちたくないため、マナ加速からの強カードドーンドーンが戦術としてワークします。全体的に肉質が良くない環境のため、5~6ターン目にぶちこまれるファッティは非常に強い存在感を与えます。
とは言えファッティからピックするのではなく、ランプ方針を固めた後にファッティ、という流れがきれいなように思います(個人の感想です)。
緑のサインA(1-4以降で見かけたらラッキー)
無しです。緑から始める動機になるカードがコモンにはありません。緑は強いカードが多いもののプレイアブルなカードが白・黒と比べると少ないため、そういった面からもオススメできません。
アンコモンになりますが、裕福な亭主は緑に入る動機としては自然なものとと思われます。
緑のサインB(1-6以降で見かけたらラッキー)
つよつよコモンが緑には多いです。5/4/4と1対2交換を強いる+トランプル持ちでETBワンドローというアドの固まりのアウルベア兄さん、マナクリかつ1/1トークンを2体出せるアドの固まりこと地下の地下のマイコニドさん。私はこいつをアド山アド太郎と呼んでます。こいつが出るだけで3/1クリーチャーのテンションがガン萎えです。そして忘れてはいけないのが戦慄のリノームさん。スタッツ7/7/6で甲鱗乙^^と思いきや出来事付き。4マナとちょっと重いものの除去耐性がつくため出番がめちゃくちゃあります。なんだったら出来事効果だけでまあまあ使えます。そしてパワー3以下ブロック不可も効きます。パワー4が2体以上場にいる局面って案外ないです。カードのどちら側も強いので間違いなくプレイアブルです。
赤:
個人的な印象で言うならば、赤コモンはサブカラーならまあ戦えるかなという印象です。全体的な様相としてはアグロよりですが、二体掛り頼みになるため、除去によるテンポ妨害に非常に弱いです。言い方を変えるとメインにするには決定力に欠ける仕上がりになっています。
そのため戦い方としてはアドを切らさずライフを詰め切る白と組んだり、黒と組んでアクト(相手クリーチャーを1ターンパクるスペル)+サクリで詰め切るなど方法に活路があります。ただメインカラーには置きにくいかなという印象です。
赤のサインA(1-4以降で見かけたらラッキー)
無しです。フォーゴトンレルムでは赤が鉄板でしたが、他の色が相対的に強くなっているので、赤コモンから色を決めていく環境ではありません。
赤のサインB(1-6以降で見かけたらラッキー)
サインBとしてはこの2枚になります。歌い手がギリサインBといった感じです。ドラ火は本環境でも強いカードであることに変わりはないですが、ドラ火から入ると痛い目を見ます。白・黒・緑のいずれかで進めていって、2色目が欲しいときにこれらがあると参入を決めるレベルです。
青:
何もありません。なぜ青がこんな憂き目を見なければいけなかったのか。苦渋に堪えません。
白・黒・緑がアルケミー化の恩恵を受けている中で、青の恩恵はほぼありません。
ヒプノという強いカードはあるものの、その他の新規参入カードは得てして弱いです。フォーゴトンレルム自体がカードパワー低めであったため、結果的に一番憂き目を見ている色になっています。レア・神話レアはプレイアブルなカードがそれなりにあるものの、土台となるコモンが厳しいため使用が難しいです。
青のサインA(1-4以降で見かけたらラッキー)
無しです。そりゃなしでしょう。
青のサインB(1-6以降で見かけたらラッキー)
ありません。青に行きたくないんだからサインも糞もないでしょう。青に行く価値はありません。というのも味気ないので、プレイアブルなカードを紹介します。
まさかの全員フォーゴトンレルム組です。くそ重いものの6/2/5は終盤のテンポにかなり寄与してくれます。3/2/3は実質マナクリです。ファッティボムを出すために仕事をしてくれるので、フォーゴトン時より使えると見て差支えないと思います。次点で5/4/5です。4/4で割と強いサイズなので、こいつが妖術師から4ターン目で出てくるとプレッシャーは強いです。でも、ただそれだけです。
総括
いかがでしたでしょうか。色の紹介と共に強弱をざっくり述べてきましたが、環境としては以下と考えて良いと思います。
白>>黒=緑>>赤>>青
この環境でまず考えるべきなのは白をやれるかどうかです。白のカードが一定数流れてくるなら3-4勝デッキはまず作れます。白の強カードを拾うことを狙いつつ、難しそうなら黒・緑を狙いに行きます。
2色目を考えるときに考慮に入ってくるのが赤です。赤は白・黒と相性が良く、ライフを詰め切る手段を考えながらピックしていくことになります。青は基本的には1-10あたりから余ってきます。青のボムを拾った場合は相方の色のカードをピックしつつ、パーツを後半に拾ってもワークするのではないかと思います。
番外編:ボムレア対処について
前述のとおり、この環境はアルケミー基準ということもありまあまあボムがいます。ボムに対しては確定除去を当てていくのが一番なのですが、個人的に対処がしづらいと思うボムに対して私なりの方法論をお伝えできればと思います。
その1:ギスヤンキの戦士、ラエゼル
個別対象呪文に対しての耐性持ちです。1マナ専門家でアド得、専門家後は3/6二段攻撃に変身とアド山アド太郎の活躍です。17landsによるとこいつを引いたときに勝率が+15%アップするそうです。なんだそれ遊戯王か。
ラエゼルの対処法
ありません。殴らせてすれ違いで勝ちます。専門家状態だと基本攻撃のたびに自軍がやられていくので、殴り合いのライフレースで勝ちにいくしかありません。破壊不能+接死付与で倒しにいくのもありですが、相手のバットリで崩壊するためマナが寝ているとき以外はおススメできません。
ラエゼルがいるときに積極的に除去する必要があるのはこいつです。
ラエゼルが警戒つけてなぐってくるとさすがに隙がありません。勿体ないですがこいつに除去を打つのが正解になります。逆に言うと、1マナ肉で除去対象になるということはそれだけこのクリーチャーが優れているということです。
その2:砂時計の魔女団
ただのクソカードです。アルケミー本体で出てもどうせ「食肉鈎出します、-3でお願いします^^」で返されるのがオチです。だからこんなカード作る意味ないのになぜか出てきました。唱えると、アド山アド太郎が無償で2体出てきます。そりゃ海原雄山もブチ切れます。
対処法:相手が沼2枚あって次ターンに6マナ出るときは確除を構えます。
基本対処の仕様がなく、放置するとアド取られて負けです。活路は返しのターンで殺しに行くしかないです。下水病を相手ターン中に打てると一番痛い所を削れる上、返しのターンで総攻撃をかけられます。可能性は高くないですが、6マナ出るようになるターンでは警戒しておくと良いと思われます。
以上、簡単ではありましたがバルダゲの所感になります。駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。