ドイツの教育 現地校の国際準備クラスに入った長男
こんにちは、今回はドイツでの教育編、前回の続きです。
前回の話で取り上げた通り、我が家は子供達の学校をどうするか、を悩みました。子供の年齢によって、学校の目的が変わってきます。具体的にはPrimary school (日本で言う小学四年生の約10歳まで)では勉強だけでなく自主性・社会性・協調性・交流・芸術・文化などに重点がおかれるかと思いますし、Secondary school (10歳以降)ではその後成人になった時に目指す場所によって、学ぶ内容が違うかと思います。
どの言語で大学進学への教育を考えるか
その時の私の考え方の一つは、大学進学を考えた時にどの言語で進ませるか、でした。日本語であれば、デュッセルドルフ日本人学校を経て日本帰国、あるいはこのまま日本帰国して受験戦争に突入し中学高校受験を経て大学共通試験。ドイツ語であれば、Gymnasium(ドイツ高等学校)のIVK (International Vorbereitungs Klasse)に入れてドイツ語を半年〜1年で集中的に学習させ、その後通常クラスに入ってAbiturに向かう。英語であれば、International schoolのIBシステムを履修させる。といった感じで考えていました。なおGymnasiumでIBシステムを提供している学校もあり、私たちもコンタクトを取ってみました。以下がその返信になります。
あらかじめ知っておいていただきたいのは、インターナショナルクラスに入学したからといって、ご子息が後にレギュラークラスに編入できる保証はないということです。実際、定員に空きがあるかどうかは、常にレギュラークラスから抜ける生徒次第であり、それを予測するのは難しいのです。ご子息が当校に来る動機として国際バカロレア(IB)を挙げておられますが、当校では主にアビトゥア(Abitur)に向けて生徒を指導していることをご理解ください。IBはあくまでもオプションであり、アビトゥーアなしで受けることはできません。(翻訳)
な、なるほど、やはりドイツ現地校に行くとなるとドイツ語習得は必須の模様。
となると、やはり気になるのは子供の言語習得能力ですね。
我が家の長男
そこで今回私たちの経験をシェアしたいと思います。我が家の長男は
日本の小学校 (1年3ヶ月)
→ インターナショナルスクール (5年)
→ Gymnasium(ドイツ高等学校)のIVK (International Vorbereitungs Klasse)
と進みました。
言語習得のプロセス
ここで驚いたのは彼の言語習得のプロセスです。
ドイツのインターナショナルスクールで英語を学んでいたため、英語のやり取りには全く困りません。英語の授業はもちろん余裕。肝心のドイツ語の授業も、わからない点は最初英語で教えてくれているようで、本人としては「インターナショナルスクールにいるみたいな感じ」と言っています。さらに、ドイツ語と英語がある程度言語的に近いからか、習得が早い。細かいところはこれからしっかり勉強が必要ですが、とりあえず喋り、聞き、その言語を使って遊ぶ、というのを繰り返しています。
今後必要なこと
私は、長男には大学進学に向けた勉強をGymnasiumでドイツ語で行い、Abiturで大学入学の資格を取る道を進んでもらおうと思っています。従って、まずドイツ語を半年〜9ヶ月でB2にすることが目標です。それで来年から一般クラスに編入できるようにサポートしていきたいと思っています。なかなか大変ですが、何を隠そう、長男が最もドイツに残りたい、そのためだったらドイツ語も勉強する、ドイツ現地校にも行く、と最も強い希望を持っていた本人です。内側からのMotivationに敵うものは他にありませんので、ただそれを後押ししていこうと思います。
子育てと教育を自分でやるのか、外注するのか
ドイツの子育 時間の猶予 = 葛藤?
というのは綺麗事で、やはり子育ては難しいなといつも打ちひしがれています。現地校は8時から始まり、13時前後には授業が終わります。その後after school careはありますが、15時くらいまで。そう、日本の感覚で言うと時間がたっぷりあるんです。色んな意見はあると思いますが、そう、家で子供をみなきゃいけない時間が長いと大変ですよね。その時間をどう過ごすか、どう使うかは、自分達次第。
我が家の子供たちは皆我が強く、勉強しなさいと言ってもしませんし、怒られてもへこたれません(笑)。漫画を読んだりゲームをしたり、グダグダ過ごして、いつまで経っても宿題を始めずに、親が怒り、子供が反発し、さらに親が怒る、という負のスパイラルが生まれます。。
そういった意味で、日本のように周りみんなが塾に行っていて、自分もその環境にいて、そうするのが当然で、勉強せざるを得ない、というのはドイツに住む親としてひたすらに憧れます。そのレールに乗っけてしまえば、後は受験校をどこにするか、どういう対策をするか、などは塾の先生がやってくれます。もちろんそこにかなりお金はかかりますが、それだけの価値があるように思います。
ドイツの放課後の塾システム? Nachhilfe
ドイツにも学校に放課後に学業や交流、技能などをサポートするシステムがあります。
例えばここ、国連や国際的企業などがある場所から程近くにある施設なのですが
ドイツ語、英語、数学、を提供しています。おそらくドイツ政府の政策の一貫なのか、授業料は何とたったの15ユーロ!
他にもサッカークラブやテニスクラブなどは豊富にありますし、子育て相談所みたいのもあります。
学校の先生からもらった言葉
実は昨日次男の在籍する小学校(Primary school)の説明会・保護者会に参加していてそこで先生に相談しました。どうやってドイツ語学習をサポートできるかを考えて、Nachhilfeのドイツ語コースを予約していたのですが、担当の先生からのコメントは以下のようなものでした。
「彼は通常の授業の後、2時間のサポート(OGS)を受けているわ。それで15時。そこから週2回の追加授業はちょっと多すぎないかしら。彼のモチベーションを大切にあげて。ドイツ語を学びたいなら、むしろサッカーとかテニスとか、他の子供たちと交流して遊びながら学ぶ場を用意してあげたらどうかしら。」
ということで、新生活が落ち着いたら、地元のサッカークラブなどを見学してみたいと思っています。