先行き不透明な現代 〜学位は必要なのか?〜
学位をとるメリットとは
Dr.、M.D.、Ph.D.、MPH
これらの学位が必要とされるのかどうなのか。
昨今の日本では、これらの学位があっても待遇が変わらない、ということで「学位を取るための数年間がもったいない、それならその期間に稼いで資産形成」みたいな風潮が結構あったりします。
確かにまあ理解できるような気がします。
ChatGPTに聞いてみました。
一般的には、学位を取ることによるメリットは、以下のような点があるそうです。
専門知識の獲得: 大学で学位を取得することで、特定の分野における専門知識やスキルを獲得する機会が得られます。これにより、その分野における理論や実践に関する深い理解を身につけることができます。
職業上の要件: 特定の職業や職種に就くためには、学位が必要な場合があります。例えば、医師や弁護士など、高度な知識やスキルが要求される職業では、学位取得が必須とされることがあります。
職業上の競争力: 同じ職種や職場において、学位を持つ者と持たない者とでは、就職や昇進の機会において競争力が異なることがあります。特に高度な職種や専門職では、学位取得者が優先されることがあります。
知的成長と人間形成: 学位取得過程は、知的成長や人間形成においても重要な役割を果たします。研究や学問の探求を通じて、問題解決能力や批判的思考力、コミュニケーション能力などを向上させることが期待されます。
社会的評価と認知: 学位は社会的な評価や認知を受けることがあります。一般的に、学位を持つことは知識やスキルの証明と見なされ、個人の社会的地位や信頼性を高める助けとなります。
確かに、これらの要因や影響はあるかと思います。
ただし、すべての場面で学位が必須であるわけではなく、個々の状況や目標に応じて必要性は異なります。
それでも、上記2・3にも記載されているように、日本でもドイツでも、学位がなければ到達できないポジションはあります。
例えば
大学病院のスタッフ(例: 助教、講師、准教授、教授)
市中病院の部長・科長
と、まあここまで言ったところで、鋭い方はこう思うかと思います。
「あまり旨味なくない?」
そうですよね。
今や大学は、教育・臨床・研究の3柱を、教職者・医療者の膨大なる自己犠牲によって賄われ、かつ経済的に給料が良くない場所、というレッテルを貼られている感さえあります。
海外でポジションを取る、仕事を勝ち取る
今後増えてくるであろう需要として、海外に移住する、海外で働く、といったものがあります。グローバル化の波は止まらず、同じ医師であっても労働条件や給与が国から国で異なるという情報が拡散され、競争する能力と意志がある人は日本を飛び出していって挑戦しています。
言語ができないから難しい。
言語を勉強してから行ってみたい。
このようにまず言語を最初の課題とする人はとても多いと思います。
果たして言語が喋れれば、それで万事OKなのでしょうか?
実際はそんなことありません。海外で求められるのは、経験(業績)であり、資格であり、学位です。これらがハードスキルとして求められ、それを支えるソフトスキル(言語能力、コミュ力、交渉力、メンタル、規律を遵守する能力)があります。
例えば、自分が勤めているドイツのボン大学病院ですが、循環器内科でOberarztになるための必要条件は以下とされています。
1. Privatdozent(学位)取得: 大学時代のDoctor titelに加え、原著論文を8本書き、それをまとめて教授陣に発表する、学生に指導をする、などの要件。
2. 専門医取得: 内科・循環器内科の専門医。医師会が開催している専門医資格を満たすために、通常は6年程度の修練期間と、その後の試験をパスする必要がある。
3. カテーテル治療: 待機・緊急いずれにおいても、自身で治療判断および完結できる。
自分の場合は1の学位取得は、ドイツではまだ取れていないのですが、日本で学位 (M.D., Ph.D.)を取得していることと、ドイツにきてから原著論文を8本以上出版していることなどから、免除とされました。
ドイツを始め海外では、Oberarztか否かで給料も権利も大きく変わってきます。
逆に、学位や専門医などの資格がなければ、万年専修医です。
同様の事が、他の専門職にもある程度言えると思います。
先行きが不透明なこの時代、AIがまさに入り込んでくるこれからの時代、
回り道して面倒な思いをして身につけた杵柄(学位・資格・ソフトスキル)や経験こそ、自分を助けてくれるものになるのかもしれません。
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