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ドイツで医師免許をとるための準備 

昨今、海外移住や親子留学などが盛んに言われていますが、ドイツは医学留学の地として昔から偉人達が訪れてきた国でもあります。私は2019〜2022年にドイツ医師免許取得のために、ライン川沿にあるボン・デュッセルドルフ・ケルン・ドルトムントなどの都市がある、ノルトライン・ウェストファーレン州で、ドイツ医師免許を取得するための手続きや試験を行いました。
*注: 医師免許取得(あるいは労働許可)のための準備は州ごとに異なること、さらに刻々と変化しているため、必ずホームページを確認してください。

私が通ってきた道

最初に、私がやってきた事を簡単に説明します。それをもとに皆さん御自身が必要なプロセスの点をpick upしてください。
2017年10月 Goethe A1取得
2018年3月 Goethe A2取得
2018年4-5月 語学学校 B1 集中講座 (毎日4時間)
2018年5月 Goethe B1取得
2018年6月 語学学校 B2 集中講座 (毎日3時間)
2018年9月 語学学校 C1 夜間クラス →挫折
2018年10月 Goethe B2受験 →不合格
2018年11月 Telc B2受験 →合格 (ここ大事)
2018年11月 語学学校 医学ドイツ語講座を受講 (6週間)、Approbation申請書類の準備開始
2019年4月 FSP申請書類提出(*1) (ここ大事)  
2019年5月 FSP試験日程確定
2019年7月 FSP受験 →不合格
2019年9月 FSP再受験 →合格 (ここ大事)
2019年10月 無罪証明や健康診断書などを提出
2019年11月 職場での医師労働許可 (2年間有効) を取得、これをもって正式に治療の術者を開始
2021年1月 Approbation申請のための医学シラバス準備開始(*2)(ここ大事)
2021年6月 医学部シラバス提出 →Reject (体裁不備のため)
2021年7月 追加書類を準備、医師労働許可 の延長申請
2021年10月 医学部シラバス再提出、医師労働許可 の延長申請却下
2022年2月 医学部シラバスが外部審査の後に「ドイツ医学教育との同等性が認められない」(*3)として結果が伝えられる
2022年3月 医学部シラバスおよび追加書類の準備、再提出
2022年3月 FSP再試験 (3回目) →合格 →医師労働許可再発行
2022年6月 医学部シラバスの外部審査依頼開始
2022年8月 医学部教育の同等性が認められる (ここ大事)
2022年9月 医師免許(Approbation)発行

な、長い・・
さて斜め読みしていると分かりませんが、実際にこのプロセスを計画したり、書類を準備している人が必ず直面する疑問があります。それは…

「書類の準備って、日本語?英語?」

「どのような処理が必要なの?」

「アポスティーユってどうやるの?」

「翻訳ってどうするの?」 

必要書類を日本の行政における処理(公証人による認証、アポスティーユ)、それをドイツに郵送して法定翻訳士による翻訳と、市役所や公証人によるBeglaubigung(認証)および認証コピーの発行を行い、それを保健局や医師会に提出しました。 
 文章にすると簡単ですが、しかしこのプロセス、いくつも細かい重要なTipsがあり、費用を大幅に抑えたりプロセスを遅滞なく加速させることができます。場合によっては最初からやり直しになります。実際私は当初、ここでやり直しが必要になったり、余計な費用(行政処理・翻訳・やり直しなど)がかかったり、何よりも処理が遅くなってしまっていました。幾多の失敗を乗り越え(よく頑張った自分)、当初半年近くかかっていたのが1〜2ヶ月で完結できるようになりましたし、日本の行政処理や翻訳にかかる費用も抑えれるようになりました。以下にTipsをまとめた記事を添付します。ZoomやEmailを使った個別コンサルトという形も受け付けていますので、どうぞご利用ください。

個別コンサルトの連絡先はこちら 
Life-N-Global (ドイツ留学/移住の相談・サポート)
代表: 杉浦直美
Email: life.n.global@gmail.com

医師免許を申請するための書類と、その準備Tipsはこちら

医学部シラバスの準備はこちら
・・・用意中・・・


*1 私がFSP受験のために提出した書類

(1)申請書類 (Antrag auf Erteilung der Approbation)
(2)宣言書 (Erklärung)
(3)履歴書 (Lebenslauf)
(4)ドイツでの健康診断書 (Ärztliche Bescheinigung)
(5)パスポート (Reisepass)
(6)語学試験の証明書 (Zeugnis der Deutsche Sprachkenntnis Niveau B2)
(7)医師免許証(Zertifikat der medizinische Erlaubnis)
(8)医師の無罪証明(Führungszeugnis)
(9)医学部の卒業証明書(Abschlusszeugnis)
(10)医学部の成績証明書(Abschrift der Hochschule)
(11)卒後初期研修の証明書(Zertifikat der Residency Training)
(12)大学院の修了証明書(Zertifikat der Hochschulanschluss)
(13)大学院の成績証明書(Abschrift der Hochschule)
(14)循環器専門医の証明書(Zertifikat der “A board certified member of JCS”)
(15)各勤務先病院での就労証明書(Zertifikat der Arbeit)
(16)警察の無罪証明 

*2 医学部シラバスの作成と準備

日本の医学教育は一定以上の水準が保たれていると思いますが、そもそもドイツと日本の内容が完全に一致するわけがないんです。色々と合わない部分がある。それを補填させるために、事前に医学部シラバス以外の書類を用意しました。実際に審査された内容を一部以下に添付します。

 ということで、私が最初に提出した書類は以下になります。
(1) 医学部シラバス
(2)初期臨床研修修了証明書およびその研修内容
(3)後期研修修了証明書およびその研修内容
(4)認定内科医証明書
(5)循環器専門医証明書
(6)各病院の在職証明書
(7)ボン大学での業務証明書およびその内容

前述した通り、機関で書類発行、アポスティーユ付与、ドイツに送付、翻訳、Beglaubigung、という順序です。

*3 ドイツ医学部と同等ではないとされた日本のシラバス、私はこう対応してドイツ医師免許(Approbation)を取得した

これは最後の肝となるところです。Approbationを取れるかどうかはその後の給料・キャリア・選択肢に大きく影響します。自分が言うのもなんですが、ぜひ自分の経験を踏み台にして世界で活躍する日本人となってください。

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ぼん_Atsushi
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