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赤い月の香り-千早茜-

小川朔が、正しい執着を「赦し」と言ったとき、
なぜだか泣きたくなった。


また、気になって購入した。
また、あの時間を過ごしたくて。
野暮だってわかっている。
続編に期待して、がっかりするのはいつものことなのに期待した。

悪くなかった。
面白かった、変わらずきれいで、息のできる小説だった。

どうして
最後の言葉があんなに、
心を刺したのかわからないけど
刺された。

自分が赦されたかったのだと分かった。
私はきっと赦されたかったのだ。

孤独を愛して、愛すしかなくて
一人に慣れて、人を嫌って
人といることの居心地の良さも、幸せも知っている。
でも、いつか嫌われると思っている。
確信に近いくらい、いずれどんな人もそうなると思っている。
心から私を赦す人なんていないだろうと、思う。

一人の楽さと、一人の怖さの狭間で今日もひっそり生きている。

大丈夫ではないけど、大丈夫なんだ。
そんなにヤワでもないのよ。

おしまい。

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