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真似るから、新しいものを創り出す

1.はじめに

こんばんは、己を開拓すると書いて拓己です。
今回は、以前書いた「学ぶは真似る」から実際に紹介した作品になります
ウルトラマンデッカーを見てみて、思ったこと学びとなったことを書こうと思います。その中には、令和だからこそのメッセージがあると思ったのです。それでは、始めていきましょう。

(C)円谷プロダクション ウルトラマンデッカーより


2.新時代を打つということの厳しさ

さて、前回も話しましたが、このウルトラマンデッカーは、平成ウルトラマン三部作の
一つ、ウルトラマンダイナを基にデザインされています。その詳しい経緯は、僕が書きました「学ぶは真似る」で書きましたので、そちらを参考にして頂ければと思います。

話を戻しますが、このデッカーは、ダイナを基にしているため、物語もダイナと同じような内容だったり。前作トリガーで指摘されていました、新時代のダイナとまたうっているのかと思っていました。

しかし、デッカーは違ったのです。
まず、ウルトラマンデッカーの基となるダイナから共通しているタイプチェンジなど根本は変えず、他はまったくダイナではない。
デッカーとしてのストーリーが展開されていました。

以前のトリガーは、まずNEW GENERATION OF TIGAとウルトラマンの中でも、絶大の人気を誇り、今もなお幅広く愛される
ヒーロー。ウルトラマンティガを基に令和のティガを作ろうとしたのが
前作ウルトラマントリガーでした。

しかし、これが中々に、ティガを越えることも、さらに前作ウルトラマンゼットを超えることも出来ませんでした。さらに厳しいことをいうと、ティガもゼットも素晴らしい作品であり、誰よりも愛される作品に贈られる「星雲賞」を獲得している素晴らしい作品です。

そう、ウルトラマントリガーは、この「星雲賞」を獲得出来なかったのです。何故ここで厳しいことと書いたかと言うと「ウルトラマントリガー」を愛するファンの方もいることを想定して伝えたいと思ったからなのです。

作品には必ず愛するファンが、応援してくれる仲間がいます。
しかし、このウルトラマントリガーは、あることを打ってしまったために、どうしても厳しい目で見られてしまうのです。

それは何か。このNEW GENERATION OF TIGAというキャッチコピーにあります。
新時代のTIGAとして打って出たい気持ちは、大いに分かります。
しかし、このキャッチコピーは、TIGAを超えるもしくは、TIGAと同じ結果を残すことが前提なのです。

さらに、TIGAにはある賞があります。
そう「星雲賞」です。
この星雲賞を獲得する作品でなければ、新時代のTIGAとは言えないのです。
どんなに反対の意見があったとしても、新時代を作り出すということは、作り出されている功績を超えること。もしくは、違うものを創り出すことでしか創り出すことは難しいのです。ただし、違うものを作ると言っても
そこにハプニング。つまり、驚きがなければ、以前の功績につぶされます。

これがいわゆる。偉人の功績を超えることと私は類似していると考えているのです。例えば、新しい携帯を作ろうとします。しかし、その携帯がスティーブ・ジョブズが作ったiPhoneに性能で負けてしまったら、人々はやはりiPhoneが良いと選ぶでしょう。

これと同じなのです。新時代のTIGAと打ってしまったことでTIGAよりどうかと見られてしまう。さらにティガの功績を超えることが出来なかった、そのことでトリガーも良い作品である。しかし、ティガは超えられない。と認識されてしまうのです。

さらに、トリガーはキャラクター設定に様々なオプションを付けたことでキャラクターの味が濃すぎてしまうこと、合わせてウルトラマントリガーのデザインがティガとはまったく違うデザインあるために、「これがティガなのか」という反発の声も生まれていたことも事実としてありました。

子供たちに愛されるキャラクターを目指すことは大切です。しかし、ここにも新時代のTIGAとうったことで、どうしてもTIGAの登場人物やウルトラマンティガと差を付けられてしまうのです。

一部の意見と捉える人もいると思いますが、その一部の意見が「トリガーは素晴らしい作品」と認知を変えていたら「星雲賞」も夢ではなかったのではないでしょうか。このようにトリガーには、ティガという超えなければいけない壁があり、さらにその壁を新時代のティガとうったことで、壁を高くし、常にティガを超えることを前提に見られてしまったのが「ウルトラマントリガー」にはあったのではないか。と私は思うのです。
このように新時代のTIGAとうって出たことで
様々な場面でTIGAと比較されたのが、ウルトラマントリガーでした。

トリガーもまた子供たちの人気も多く愛される素晴らしいヒーローです。
しかし、トリガーには必ずTIGAが後ろにいた。その十字架を背負い厳しい中を生きたヒーローでもあるのです。

新時代のTIGAとうったことで厳しい中を生きてきたトリガー。作品のキャッチコピーとしては、「失敗」となります。
しかし、その失敗を全てカバーしたと言っても過言ではないのがウルトラマンデッカーだったのです。

(C)円谷プロダクション ウルトラマントリガー ティガ共演より

3.トリガーから学んだことを活かしたデッカー

さて、前説にて、トリガーの「失敗」をカバーしたのがデッカーと言いました。何故、オブラートに隠さず言うのかというと
デッカーはトリガーを残しつつ、しかしデッカーとして一つの作品を作っているからです。それは、デッカーがダイナの後継であるヒーローということを現わしていることにも当たります。

ダイナは前作ウルトラマンティガの七年後の世界として描かれた作品でした。しかし、ウルトラマンを助けてくれるチームの名前が以前のチームを引き継ぎつつ、違う名前に変わっていたり、ガッツ⇒スーパーガッツ
ティガでは基地が海にあったのが、地上に変わったりと、ティガから時代が変化していることも現わしている作品だったのです。

しかし。ウルトラマンデッカーは、違いました。デッカーもダイナと同じようにトリガーのその後が舞台となる話です。
そこでは、トリガーを支えた組織、ガッツセレクトは解散となっていました。平和が続いていた時、突如敵が攻めてきたことにより
ガッツセレクトは、再結成します。そこで使われているメカや基地はガッツセレクトの物をそのまんま使ったのです。

そうです。ここがデッカーがトリガーをうまくカバーした点に当たると私は考えたのです。まず、ウルトラマンシリーズにおいて
同じ組織名や同じメカをそのまま使うことは、ほぼないことです。しかし、デッカーは、トリガーと同じチーム、同じメカを使ったことによって、ハプニングつまり、驚きを起こさせたのです。

ここで視聴者の目は一つ惹かれることになります。さらにこのデッカーは、登場人物の設定がダイナと被ることがほぼないです。これは、ウルトラマントリガーでありましたティガと酷似した登場人物の設定によってティガとの比較が生まれたこと。さらにオプションを付けたことで、さらに比較されてしまったこと。その失敗から学んだだと私は感じたのです。そう、登場人物つまり、そこにいる人物にとって、一番に惹かれる個性を一つに定めたとも言ってもよいでしょう。

そして、ここが一番のトリガーから学んだこと言っても良いこと
新時代のダイナとうらず、ダイナの後継者と打ったことにあります。
そうすることで、ダイナとの比較を無くしたと言っても良いことを、スタートから打って出たと言っても過言ではありません。

デザインをティガとは別物にしたことの失敗から学ぶ真似ることで、ダイナと似ているデザインにしたこと。
そのことにより、ダイナの後継者だと認知されたのです。
さらにそこに、新時代のダイナなんだろうと思っていたファンの皆、視聴者に対し、ハプニングを起こすことでこの作品は、トリガーとは違うというワクワクとダイナをどう絡ませていくのかという期待が膨らんでいったのです。

作品も人付き合いも、「次が見たい!」「また会いたい!」と思わせるハプニングが必要なのです。そのハプニングを起こしたのが
ウルトラマンデッカー、真似るから新しい作品を創り出すことを実践している作品と言えるのではないでしょうか。

(C)円谷プロダクション ウルトラマンデッカーより


4.令和だからこそのメッセージがある

ウルトラマンという作品には、昭和、平成、令和と時代においての様々なメッセージが込められています。
このウルトラマンデッカーにも令和の時代だからこそメッセージが込められていると私は考えています。それは、AIとのバディシップです。

主人公 アスミ カナタには、カナタをサポートする相棒のAIユニットHANE2(ハネジロー)がいます。直感的に動くカナタに対し、理論的に肯定して動くのがハネジローです。二人は時に言い争いにもなりますが
お互いを認めている素晴らしい関係にあります。

私はここに、令和だからこそのメッセージがあるのだと考えています。
それは、AIとのバディシップ。つまりAIとの信頼関係ということです。
令和の時代に入り、配膳AIや、様々なロボットが生まれる中
接客AIも生まれるようになりました。その中で問題として考えられているのが、人の仕事の減少です。多くの仕事がAIやロボットで解決する時代になったとき、人はどのように彼ら/彼女ら、つまりAIと接していくべきか。

難しいことではなく、人と同じように
お互いに言い合いながらも、お互いを認め合うバディのように関わっていくことが大切であると、私はこのウルトラマンデッカーを見て思ったのです。

令和の時代だからこそのメッセージと、令和の時代にどうウルトラマンを現わしていくのか、今後のウルトラマンデッカーのハプニングに私は期待しています。

それでは次の学びでお会いしましょう。

(C)円谷プロダクション ウルトラマンデッカー 第四話 カナタ(ウルトラマンデッカー)とHANE2が操縦するガッツグリフォンとの連携より
(C)円谷プロダクション ウルトラマンデッカー 第四話 アスミ カナタ(演:松本 大輝) HANE2(ハネジロー)の場面より


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