漢方薬の副作用を知って、安全に服用しよう!
漢方薬には、西洋薬に比べると副作用が少ないと言われていますが、決して副作用がないわけではありません。漢方薬の副作用は、大きく分けて以下の3つに分けられます。
生薬の作用による副作用
漢方薬の体質改善作用による副作用
漢方薬の成分同士の相互作用による副作用
生薬の作用による副作用
漢方薬は、複数の生薬を組み合わせて作られています。そのため、生薬の作用によって、以下のような副作用が起こることがあります。
消化器症状:胃もたれ、吐き気、嘔吐、下痢、便秘など
皮膚症状:湿疹、かゆみ、発疹、蕁麻疹など
循環器症状:動悸、息切れ、高血圧、低血圧など
精神神経症状:頭痛、めまい、不眠、興奮など
漢方薬の体質改善作用による副作用
漢方薬は、体質を改善する作用があります。そのため、体質改善の過程で、以下のような副作用が起こることがあります。
瞑眩(めんげん):漢方薬を服用して体調が悪化する現象。一時的なもので、服用を続けると症状は消えます。
吐き気、嘔吐:体質改善によって、体内に溜まった老廃物が排出されるため。
排尿障害:体質改善によって、水分代謝が活発になるため。
漢方薬の成分同士の相互作用による副作用
漢方薬には、複数の生薬が含まれるため、成分同士の相互作用によって、以下のような副作用が起こることがあります。
血圧上昇:麻黄(まおう)などの生薬を含む漢方薬を、高血圧の患者が服用すると、血圧が上昇することがあります。
血糖値上昇:甘草(かんぞう)などの生薬を含む漢方薬を、糖尿病の患者が服用すると、血糖値が上昇することがあります。
肝機能障害:大黄(だいおう)などの生薬を含む漢方薬を、長期にわたって服用すると、肝機能障害が起こることがあります。
漢方薬を服用する際には、以下の点に注意しましょう。
医師や薬剤師に相談してから服用する
服用前に、添付文書をよく読む
体調に異変を感じたら、すぐに服用を中止する
特に、以下の方は、漢方薬を服用する前に、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
妊娠中や授乳中の人
小児や高齢者
持病のある人
他のお薬を服用している人
漢方薬は、適切に服用すれば、健康を維持・改善するのに役立ちます。しかし、副作用の可能性もありますので、注意して服用するようにしましょう。
放置すると危ない偽アルドステロン症
偽アルドステロン症とは、副腎から分泌されるホルモンであるアルドステロンが過剰に分泌されていないにもかかわらず、あたかも過剰に分泌されているかのような症状を示すことをいう。具体的には、以下の症状が現れます。
高血圧
低カリウム血症
代謝性アルカローシス
低カリウム血性ミオパチー
偽アルドステロン症の原因は、主に以下の2つが考えられます。
甘草を含む漢方薬や市販薬の服用
腎臓の病気
甘草を含む漢方薬や市販薬を服用すると、甘草に含まれるグリチルリチン酸が腎臓でコルチゾールの代謝を阻害し、コルチゾールがミネラルコルチコイド様作用を示すようになります。これにより、ナトリウムの再吸収とカリウムの排泄が促進され、高血圧や低カリウム血症などの症状が起こります。
腎臓の病気によって、腎臓からのアルドステロンの排泄が低下すると、血中アルドステロン濃度が上昇します。しかし、腎臓の機能が低下しているため、アルドステロンの作用が過剰に現れ、高血圧や低カリウム血症などの症状が起こります。
偽アルドステロン症の診断には、血液検査や尿検査が行われます。血液検査では、血中アルドステロン濃度やレニン活性、血中カリウム濃度などを測定します。尿検査では、尿中アルドステロン/クレアチニン比や尿中カリウム/クレアチニン比などを測定します。
偽アルドステロン症の治療は、原因によって異なります。甘草を含む漢方薬や市販薬を服用している場合は、その服用を中止することで症状が改善することがあります。腎臓の病気が原因の場合は、腎臓の病気の治療を行うことで症状が改善することがあります。
偽アルドステロン症は、放置すると重症化することもあるので、早期発見・早期治療が重要です。