見出し画像

11/6 畦道

水曜日の授業は11/26に始まるので今日は何もない。朝からスーパーへ行き、安くなっていたパンとモッツァレラチーズ、それからハム、ベイビーリーフを買ってサンドウィッチを作った。

来年度4月から支給予定の奨学金の締め切りが明日だったので、応募フォームの設問に答えて提出した。ほとんどは帰国してから準備しても間に合うけど、これだけ申請期間が早かったので前々からwordに準備していた答えをコピペした。通っていますように。

それから郵便局にいき必要な手続きを済ませついにsimが開通した。長かったけどこれで外でも携帯が使える。夜にはチャンピオンズリーグを観戦しに行くので、間に合ってよかった。

午後6時ごろに家を出ようと考えていたので、少し早めの夜ご飯を食べることにした。昨日作った角煮が残っていて、スパイスの感じからルーローハンにしてしまった方が美味しいと思い、タレが染みた豚ブロックを細かく刻んで盛り付けた。見た目も味も、ドイツにきてから作った料理の中で一番だった。インスタグラムにあげると、本場台湾人のアンから作り方を教えてほしいと連絡がきた。逆輸入でよればと伝えたかったけど、言い方が分からなかった。

初めてのチャンピオンズリーグは波乱の幕開けとなる。試合展開のことではない。スタジアムまでの電車がストライキで止まったのだ。

わたしたちはスタジアムまで残り5キロのところで降ろされた。どうしよう。タクシーを捕まえるにしてもきっと運賃は高いし、バスもスタジアムまで行けるものは無いし、近くにLUUP的なものも見当たらない。試合開始まであと1時間半。

Google mapを開きスタジアムとの位置関係を確認する。徒歩で1時間10分とある。それも見るからに舗装路じゃなさそうなところで、本当にたどり着くかわかない。

歩くしかない!

住宅街みたいなところを20分歩き続けると、突然畦道が現れた。濃霧でどこが道になっているか分からなくて、iphoneのライトで足元を照らす。先が見えない。Google mapを見ると、おそらくこの先2キロは直線のはずだ。歩いたり走ったり、ダウンを脱ぎシャツを脱ぎ、最終的にユニフォーム一枚で濃霧の畦道を歩いていた。

しばらく歩いていると、3人組を発見した。第一村人を発見した時と同じ気持ちになって、'You guys are also heading to Alianz??'と聞くとそうだと返答があったので、この道を選んだのが1人じゃないことが分かり力が湧いてきた。

そして最終的には到着予定時刻よりも30分早くスタジアムに到着した。先に進むに連れて別の道から来た人たちと合流し、彼らを抜きに抜き、きっと100人は追い越したと思う。

スタジアムに入り席についた。あまりにも眺めがいい。列の真ん中の方の席だったので、すでに座っている人に道を譲ってもらった。すると隣のおじさんがお前の席はここかとジェスチャーをしていたので頷くと、嬉しそうに話しかけてきた。

どうやらおじさんはベルギー人、奥さんは中国人らしく、仕事で中国に滞在していた時に結婚したのだとか。ロック画面にしていた娘の写真を誇らしげに見せながら、「中国で一番のお土産を手に入れた」と話してくれた。これが人生初のチャンピオンズリーグだと話すと' Welcome to CL!!'と歓迎をしてくれた。

鉄道が止まったことを受けて、試合は15分遅れて開始した。チャンピオンズリーグのあのアンセムが流れた時、分かってはいたけれど目の焦点が合わなくなってしまった。視覚を忘れて、全ての感覚が耳に集中していた。

(試合は1-0でベンフィカをくだし、バイエルンが勝った。)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?