寝ても醒めてもビリーエリオット
魂が震える
よくきく表現だけど、実際経験したことがあるようなないような。
小説、東京タワーを読んだとき?
浅田真央ちゃんのソチオリンピックを見たとき?
はたまた子供が大好きな幼稚園を卒園したとき?
(どれも大号泣だけど)
ミュージカル「ビリーエリオット」は目、耳、そのほか各方面から私の魂に揺さぶりをかけてくる。
時は80年代のイギリスの炭鉱町。
かつては栄えた炭鉱も時代とともに廃れていく。
そこに生きている大人たちは勝ち目のない戦いを続けることとなる。
子供たちもその空気に巻き込まれていく。
そんな中、少年ビリーはバレエと出会う。
バレエなんて女のものだ。
男は強く生きなければならない。
そんな空気感の中、ビリーはどんどんバレエに惹かれていく。
ビリーエリオットは子供が主役。
だから初演のときは正直毛嫌いをしていた。
失礼は承知で書くがガチガチに訓練されてちょっと気持ち悪いくらいのザ・子役がやるんでしょ?と思い見ていなかった。
しかし私はエルトンジョンの音楽と出会った。
エルトンジョンの音楽を浴びるために2020年の再演を初めて見た。
ミュージカルを見るとあ、この曲好き!というのが作中に1つ2つあって、その曲のときだけはちゃんと見ていてもそれ以外の時間はなんとなく見ていて、なんなら舟を漕いでしまうときだってある。
しかしビリーエリオットはどの曲もずっと聞いてられる。
本当にハズレがない。
もちろん曲だけではなくビリーのダンス、演出にも度肝を抜かれる。
とくに衝撃だったのはおばあちゃんの過去とおばあちゃんの思いを描くナンバーと炭鉱夫がストに敗れ炭鉱へ戻っていくシーン。
とにかくかっこよくて美しくてそれでいて切なくて心をぎゅぅぅっと持っていかれた。
帰宅してすぐにロンドン公演の映像をAmazonプライムで購入した。
(その後日々Twitterでビリーを追うようになる。)
私の2020年の秋はこうして終わった。
そして迎えた2024年。
ついにビリーが戻って来る。
イソイソとチケットをチェックし池袋へ。
一幕の終わり、しばらく立ち上がれなかった。
すごいものを見てる
自然に頭の中から言葉が出てくる。
(そして泣きながらロビーでおにぎりを頬張る。千と千尋か?)
二幕が始まる。
これまで何度も何度も映像で見ていたはずなのに
セリフだってほとんど覚えてるはずなのに
涙が止まらない。
こんなにも全力で何かを観たことはない。
私はヘトヘトになった。
そしてビリーに恋をした。
それからの私は寝ても醒めてもビリーに夢中。
通勤中、ビリーが脳内再生され自転車で爆走しながら泣いている(病気)
仕事中、耳の中で音楽が鳴り響く(病気)
パリに一人旅中もアパルトマンに帰ればひたすらスマートテレビでビリーを鑑賞
暇さえあればチケットを探しちゃう(病気)
そして自分らしくて何が悪いとチケットを買っちゃう(病気)
彼らの努力、成長に投資しているともはや出費に関してはプライスレスと思うようにした(病気)
いまはうっかり大阪に行ってしまいそうな自分と闘っている。
お願いだからビリーを見てください。
本当に、本当に。
こんなにも誰かに体感してほしいと思った作品は他にない。