<まっしー運命学研究所>理想世界7
前回の続きです。
「そうかも知れません。
人々は人生の選択肢を大幅にカットされた上で生きています。
限られた選択肢の中で競争し自分に嘘を付いてでもそれが社会だと自らに思い込ませたり、直近の先人や周りの人などに思い込まされたりと生きて来た所に、選択肢が天から降って来たのごとく増え、日本人にとっては水を得た魚になったのかも知れません。」
「例えばどんな選択肢じゃ?」
「人にとって今世の中で一番と言える程行動の制限になっている道具はお金と時間と思っています。
お金の為に時間を使い、時間の為にお金を得るというどう考えても非効率な社会は終わりを迎え、息を吸って吐いているだけでストレスとお金が掛かる様なことは無くなりました。
都市部で無理矢理住む必要がない様に、空き家、空き地に住居が用意されていきます。
道路にもお金が盛んに使われ経済も周ります。
単純に必要な人に必要な物が提供されることで仕事をした人も喜んでくれる様を見て満足出来ます。
なぜ故皆お金さえあれば何とでもなるという所に行き着いたのかはさておき、本来在るべき人間の喜びを与え合う姿に戻って行きます。
医療も対処療法でなく、治療を出来なければお金が支払われない制度になりました。
薬を飲み続けなければならない病いは無くなります。
これによって老人も基本的に介護の必要はなくなり要介護者はごく少数へ。
不健康な老後などあり得なくなりました。」
「よいな。今は全てにお金が掛かるから無駄なことが多い。確かに良い循環が起こる。
お金に執着している人達はかなりのショックであろうな。
その人達のケアはどうするのじゃ?」
「その為に先に世の中の異常さに気付いた人達がいて、蔑まれながらも社会へ異を唱え、悩みもがいて、意志を貫いて来たわけです。
人の心理、行動や言動の影響、様々なことが学びとなりました。
先駆者らは凡ゆる問題を喜びながら解決して行くことになります。
あっ、でもこれよりまだ自分の構想を話させて下さい」
「ふふっ、どうぞ」
「ありがとうございます。
現代学校教育は誰かの記憶、記録、データなどを暗記するのが基本です。
出来上がった理論をなぞることで覚えるということ。
これは確かに手っ取り早いですが大半の人はつまらなく感じます。
独創性が育たないという側面があります。
これが激変します。
小学生の間に自分の得意を知る為に凡ゆる経験をします。
車を運転する経験、仕事をする体験、大人にならないと出来なかったこともです。
楽器を製作したり、10分の1位のミニチュアの家を建てたり、花畑や農作物を育てたり、様々な体験を通して、自分の好きなものを見つけることが子供の仕事と言ったところです。」
「好きこそ物の上手なれだな。
人間楽しいことをしている時は眼が輝くものだ。
そういう人が増えたら面白いだろうな。」
「はい、まだまだいっぱいあります。」
「もっと具体的に想像しろ言うておろうが。」
「うっ…。(何で俺は自分の娘の姿をした人に上からもの言われておるのじゃ?…複雑じゃ。…しかも言葉が移ってるじゃねえか)」
…続く